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中国四国農政局

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    令和6年度消費者団体等との意見交換会(島根県)の概要

    中国四国農政局では、消費者団体等との意見交換会を松江市で開催しました。
    概要については、以下のとおりです。

    1. 開催日時、場所

    令和7年3月12日(水曜日) 13時30分~15時30分
    中国四国農政局島根県拠点 本館3階 図書室

    2.行政からの情報提供

    円滑な食品アクセスの確保について説明

    3. 出席者(順不同、敬称略)

    • 島根県食生活改善推進協議会
    • 公益財団法人島根県学校給食会
    • 公益社団法人島根県栄養士会
    • 松江市連合婦人会
    • 松江市消費者問題研究会
    • 特定非営利活動法人しまね子ども支援プロジェクト
    • なないろ食堂
    出席者計  15名
      消費者団体等    5名
      フードバンク活動団体    1名
      こども食堂活動団体    1名
      農政局    8名

    4.団体からの取組紹介

    (1)特定非営利活動法人しまね子ども支援プロジェクト
      しまね子ども支援プロジェクトは、一昨年コミュニティフリッジ出雲(常設フードバンク)を設置し、ひとり親家庭で生活に困っている方を対象とした支援活動に取り組んでいる。
      活動を始めた背景は、令和2年の島根県のこども食堂の数が全国最低との報道に驚き、その後こども食堂は増えたものの多くは誰でも行けるこども食堂のため、実際にひとり親家庭のこどもが何人来ているのかあまり把握していない現状を知ったことから、ひとり親家庭に限定したコミュニティフリッジの運営を始めた。
      仕組みは、生産者や個人、企業、スーパー等からの寄付品を店に陳列し、児童扶養手当受給者で利用登録をされた方が週1回取りに行く。利用者は、店の鍵をスマホで開け、食料品等が並ぶ棚から取り、POSレジで登録して持ち帰ることができる24時間営業の無人フードバンクである。
      運営は、2人のスタッフと運搬、清掃、仕分などの作業を行うたくさんのボランティアに支えられている。現在、利用登録は約220世帯で県内広範囲に渡り、提供者は278団体である。物資は全てバーコードでデータ登録し、賞味期限や価格のデータベースを作成し活用している。
      一方、ひとり親家庭の困窮実態を発信する取組として、利用者に夏休みの生活状況アンケート調査を行ったところ、年収200万円未満は約半数が該当し、将来の家計に不安を感じるかという問いに95%が不安に感じ、子育てやこどもの教育についても約7割が感じている。また、こどもや親が1日3食食べられないことがある家庭があり、さらに、ひとり親になったことで将来に絶望感を感じたことがある、まああると回答した方が約4割もあった。
      このことから、経済的に困窮し、子育てや健康に不安を抱えながら生活をしている家庭の厳しさを知ることができた。まだまだ支援を必要としている方はたくさんいると思うので、皆様のご支援をいただきながら活動を継続していきたい。


    (2)なないろ食堂
      なないろ食堂は、2016年に開設し、時代に合わせて活動を変化させながら続けている。運営は、JAや生協しまね、松江保健生協など協同組合間の学び・交流を通した連携で行っている。当初から、こどもが一人でも来られ、誰でも参加できる場所として呼びかけていった。
      コロナ禍以前の活動は、介護老人保健施設の空きスペースを使用して開催。学生や高齢者などのボランティアと宿題や遊び、田んぼで生き物を捕まえる等多世代交流を行った。
      食事作りは、こどもたちにできることをやってもらい、役割を分担した。食事風景は、大皿盛りを取り分けて、大勢で食卓を囲むスタイルにしていたので祭りのような雰囲気だった。
      最初は、なかなか地域の方の理解が得られなかったが、開催回数を重ねる中で協力が得られるようになり、毎回地域の方がイベントを企画され、こどもに甲冑を着せてくださるなど、ご協力をいただいた。「なないろ食堂だより」に食材の提供や寄付をされた方、ボランティアの方などの紹介記事を載せ、ご協力いただいている関係団体に配付している。
      コロナ禍になると、施設が利用不可となりしばらく中止していたが、数か月後お弁当のテイクアウトを始めると、再開を待つ声が挙がり、地域の方の協力のもと中学校を使用できることになった。感染対策を徹底して再開したものの、今度は学校の感染が広がり、次は公民館を借りることになった。食事は出さずに学習支援や遊び、その後準備した軽食を持ち帰るスタイルで試行錯誤しながら開催した。
      現在は、ご飯付きの食堂と、ご飯のない軽食持ち帰りスタイルを月1回ずつ計2回開催し、対象は小中学生のみ、定員20名でこじんまりと行っている。
      最近の食材調達は、コンビニのフードドライブで集められた食品を取りに行ったり、こども食堂間の情報共有で食材を譲り受けたり、むすびえの寄付案内に応募したりと工夫をしながら活動を続けている。

    5.出席者からの主な意見・要望・質問等   

    〇買物困難者、経済的に困っている方への支援に関する意見・要望について

    • こども食堂のスタート時は、社会福祉協議会やJAの助成金などいろいろな助成金を活用し、最近も様々な助成金や企業からの寄付や食材の寄贈など、いろいろな方から寄付をいただいているので、持ち出しをすることはない。
    • 補助金を活用したくてもルールが決められているため、現場に合わない場合がある。また、フードバンクに対する補助金は島根では見つからないため、サイトで寄付を募ったり、会員さんからの会費、共同募金会からの寄付をいただいたりして資金を集めている。
    • こども食堂の在り方と経済的に困窮している方の支援の在り方は分けて考えないと本当に困窮している方の支援は難しいのではないか。
    • 問題を抱えているこどもは、本当にこども食堂に足を運べないことは多々ある。しかし、気長に何度も地域の民生委員やボランティアさんが声をかけて、やっと足を運ぶようになったこともあり、その働きかけは大切だと思う。
    • 最近は、食べることへの価値観が低くなっている。食べることの大切さを認識すべきではないか。
    • 核家族化の弊害が出ていると思う。全部ボランティアやNPOなど支援団体に覆いかぶせるのではなく、家族、地域の助けあいなどを見直していかなくてはいけない。
    • こどもの貧困の実情や現場で支援されている方の状況をお聞きし、考えさせられるよい機会になった。団体または個人でフードバンクなどに協力できることを考えてみたい。
    • 地域のこども食堂に携わっていたが、今回のお話しで自分の思いや行動を考えさせられ、これからは少し前向きに対応していこうと思った。
    • 買物困難者や経済的にも食べることに困っている高齢者の問題は別にして、こどもと高齢者とのいろいろな交流が図られることは大変よいことだと思う。
    • なないろ食堂さんとしまね子ども支援プロジェクトさんのお話しは、すごく心に刺さるもので、これから周りの人と話し合いたいと思った。

    〇行政に対する意見・要望

    • 農林水産省のみどりの食料システム戦略で有機農業推進や環境負荷低減対策などに取り組まれていることはもっともだと思うが、有機農産物はやっぱり価格が高いので、経済的に困窮している方は選べない。社会の二極化が進み、収入によって食料の選択をしないと暮らせない時代になっていることが悲しい。
    • 政府備蓄米の無償交付は、ルールが頻繁に変わるので困る。食育が前提であるため、こども宅食として備蓄米を各家庭に配付するとき食育のチラシを1個ずつ貼り付ける作業が必要で、大変な労力がかかるため、見直してほしい。

    6.その他(意見交換会写真等)


     
    意見交換会の様子

    意見交換会の様子

    しまね子ども支援プロジェクト
    樋口様による取組紹介

    なないろ食堂 運営委員会
    吉川様による取組紹介

    お問合せ先

    消費・安全部消費生活課
    代表:086-224-4511(内線2322)
    ダイヤルイン:086-224-9428

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