コラム:岩国藩のお納戸・柳井
藩政時代、金屋・古市を中心とする柳井津町地域(現在の柳井市中心部)は、封建制度下の一定の制限を受けながらも、自由な商業活動ができる商業上の特権地域でした。そのため、この地域では柳井津商人の富の蓄積がなされ、領主吉川家の「御納戸」と称されました。
当時の柳井津地域の交易地域は近隣各藩だけでなく大阪など広い範囲であり、特に大阪とは密接な取引が行われました。また、全国規模で取引されたのは、木綿と油でした。
岩国領では、すべての織物に対し検印制度を実施して、その数により課税しました。商人たちはこの検印制度を用いて、柳井木綿の品質が保証されていると宣伝。その結果、販路を全国に広げることができました。
また、柳井木綿とともに、柳井津を代表する特産物に醤油があります。甘露醤油が考案されてからは、一段と柳井の醤油の名声は高まったと言われています。
現在も柳井市の白壁の町並みには、油問屋の最大手であった「むろや」(小田家)の家屋や、甘露醤油の醸造場などがあり、御納戸と呼ばれた往時を、身近に感じることができます。
【写真】甘露醤油資料館
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