ノウフク・マッチング・ハンドブック ~農福連携マッチング実践のための参考書~
本書「ノウフク・マッチング・ハンドブック」について
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障害者の方に農作業をお願いしたい農家の方。 利用者の就労に向けて農作業の受入れ農家を探している福祉事業者の方。 どちらか一方だけでなく、双方が抱える課題の解決に繋がり、お互いのニーズが合うとき、マッチングは成立します。 しかし、どのようにして課題を解決できたのか、マッチングそのもののイメージがわかない等、取り組むに当たって不安やわからないことが多くあると思います。 本書には、様々なマッチングの事例を掲載しています。
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マッチングの優良事例の紹介
紹介する優良事例では、マッチングを成功させたことで様々な課題を解決しています。 以下に示したリストは、マッチングを成功させることにより福祉事業者、農業者、そしてその双方において解決された課題のキーワードです。 |
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福祉事業者から見た課題 |
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技術指導:技術的なことは誰に尋ねたら教えてくれるの? |
A型連携:A型で農福連携に取り組むには? |
収 益 化 :どんな作物を栽培したら収益化できるの? |
室内作業:天候に左右されない安定した作業を確保するには? |
作業機械:機械を持っていない場合はどうすれば良いの? |
ほ場相談:ほ場が無い場合はどうすれば良いの? |
農業者から見た課題 |
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作業指導:障害者にはどんな作業内容を頼めるの? |
作業代金:作業代金はどのように計算したら良いの? |
福祉事業者・農業者の双方から見た課題 |
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中 重 度 :中・重度障害者にどんな作業を探したら良いの? |
地域連携:周りに相手(農家・事業所)が居ない場合は? |
補 助 金 :補助金は、誰に訊けば教えてくれるの? |
支援機関:支援機関はどのように活用できるの? |
付加価値:品質や付加価値を上げるにはどうしたら良いの? |
販路開拓:販路開拓はどうしたら良いの? |
6 次 化 :6次化のノウハウはどうすれば習得できるの? |
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以下に掲載するのは、マッチング形態ごとの優良事例です。
障害者の方に農作業をお願いしたいけど・・・・・・
どこまでお願いしていいのだろう? 何を準備すれば良いのだろう? 技術指導はどうすればいいのだろう?利用者の就労に向けて農業に携わりたいけど・・・・・・
どうやって受入農家を探せば良いのだろう? ノウハウや作業に必要な機械等はどうすればいいのだろう?
"解決させたい課題"や"活動のポイント"等を見ていたら、イメージに近いマッチング事例があるかもしれません。
農福連携に携わる方の、課題や不安解消の一助になればと思います。
”福祉事業者→農業者” で成功したマッチング事例
活動理念 |
障害のある人々に、「豊かな自然とおおらかな人情に恵まれた田園地帯で、安心して心身ともに健康に生活できる場を提供」 |
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活動のポイント |
利用者の個性と希望を考慮し適材適所。利用者の多様な働き方への適合と工賃向上のために6次産業化し、多様な就労機会を創出(畑作・畜産・加工・製造・接客等)。スタッフによる定期的なメンタリングマネジメントを実施。 |
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解決キーワード |
室内作業 作業指導 中重度 地域連携 販路開拓 6次化 |
活動理念 |
「地球にやさしい企業づくり。大地のものはすべて真に活かし、すべての人を誠に活かしつつそのすべてをエネルギーに変えて、企業を育み、郷土を元気にする。」 |
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活動のポイント |
スタッフや利用者と定期的な話し合いを行い作業内容を検討。利用者は、根菜類・葉物野菜等の生産及び加工に従事。 |
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解決キーワード |
室内作業 作業指導 地域連携 付加価値 6次化 |
活動理念 |
「和の根、感謝と優しさの幹、笑顔と配慮の枝葉を大きく育て、社会貢献に活躍できる人財を育てる。」 |
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活動のポイント |
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解決キーワード |
収益化 機械 ほ場 中重度 地域連携 支援機関 付加価値 |
活動理念 |
利用される方一人一人を尊重する精神を貫き、利用される方が心身ともに健やかに生活され、又その能力と特性に応じて自立した日常生活を営むことが出来るよう支援します。そのために支援の多様化を図り、より支援内容を深めていきます。 |
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活動のポイント |
近隣農家の繁忙期の農作業を施設外就労で手伝い、対価を作物で受け取り、ジェラートとして加工販売することで利用者の賃金を稼ぐ仕組みを構築。地場作物中心の加工や無農薬国産バタフライピーの商品化等で自立的な雇用機会を創出。利用者の障害特性に応じた業務分担。 |
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解決キーワード |
収益化 室内作業 作業指導 作業代金 中重度 補助金 支援機関 付加価値 販路開拓 6次化 |
活動理念 |
「障害者一人一人が社会の中でいきいきと生きて行けるように支援すること。一人一人の個性を押し殺して社会に合わせるのではなく、どうしたら一人一人の個性(良い所)を社会の中でいきいきと暮らして行けるかを考えながら支援していきます」 |
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活動のポイント |
地域の施設外就労などでご縁のある農家に農業指導を相談。直売所での販売のほか、マルシェやイベント、オンラインショップにも参加する等販路を拡大。農作業好きで探究心旺盛な利用者を農園責任者として雇用、合計3人体制で運営。 |
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解決キーワード |
付加価値 |
活動理念 |
「農福連携」を通じて、障害者の雇用と自立、農業の担い手不足の解消という地域課題を解決する、Win-Winの関係づくりに取り組んでいます。 |
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活動のポイント |
挨拶、返事は社会人としての基本、施設外就労先でも最低限のコミュニケーション基礎であると徹底。農家からのクレームには理事長が真っ先に対応する等利用者との信頼関係を構築。利用者と向き合い得意分野を見いだして、それを活かせる現場作業をマッチング。 |
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解決キーワード |
A型 機械 室内作業 ほ場 作業指導 作業代金 地域連携 |
活動理念 |
「世の中に不要な人やものは何もない」 |
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活動のポイント |
対象を精神障害者(発達も含む)に絞った就労移行支援で、就労訓練に援農を取り入れ、個人農家と利用者をマッチングさせ雇用を実現。施設近隣の畑でハーブや露地野菜を自然栽培し、自家消費。離島留学プログラム「湯島リブートキャンプ」で農作業の訓練等を実施。 |
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解決キーワード |
機械 ほ場 作業指導 中重度 付加価値 6次化 |
活動理念 |
福祉と農業のマッチング、自然栽培で自分もみんなも健康に。 |
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活動のポイント |
障害特性よりも「個性」を重視し、スタッフと日常的な議論のもとで利用者それぞれの個性・要望に応じ作業工程を工夫。在籍が長い利用者には大まかな指示しか出さず、プロセスは本人に委任。自然栽培パーティ「チーム沖縄」として全国の事業所と連携。 |
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解決キーワード |
室内作業 ほ場 中重度 付加価値 販路開拓 6次化 |
活動理念 |
「おにの家」という名は、浜田広助の童話「泣いた赤おに」に由来。「ノーマライゼーション社会をめざしてハンディのある人もない人も共に働く」 |
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活動のポイント |
利用者の個性に合わせた労務の振り分け。支援者が広報誌の購読や切り花の定期購入等で活動を支援。コミュニティレストランで手作りのランチや加工品を提供し、地域住民と交流。 |
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解決キーワード |
室内作業 補助金 付加価値 販路開拓 6次化 |
活動理念 |
「より良い人生を送りたいという願いを実現するために私たち支援員は働きます」 |
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活動のポイント |
農作業マニュアルを作成・共有し、利用者用に分解して作業をマッチング。常に3つの目線:農業経営・福祉支援員・農家(農業技術・畑の目線)を心がけ、体験や研修の事業スキームを展開、海外からのスポーツやITグローバル企業、大学(首都圏、県内等)からの相談も受入れ。 |
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解決キーワード |
付加価値 |
活動理念 |
「ひとを活かす、ものを活かす」 |
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活動のポイント |
利用者に自然の喜びを知ってもらうため、循環型農業と養鶏を実施。販売方法は配達を基本とし、顧客とのコミュニケーションをとることで信頼関係を構築。安全な食についての会報紙を発行し、利用者との関係性を構築。 |
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解決キーワード |
室内作業 支援機関 付加価値 販路開拓 6次化 |
活動理念 |
「食を通じて地域の方とのコミュニケーションを育み、障害への理解や共生社会の実現を目指す。」 |
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活動のポイント |
製菓加工等の6次産業化で付加価値を向上し、直売所や移動販売等で消費者や地域農家と繋がりを創出。利用者の適正と当日の体調を考慮した配置を行い、就労に必要な体力、精神力、忍耐力、チームワークを養成。 |
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解決キーワード |
室内作業 ほ場 付加価値 販路開拓 6次化 |
”農業者→福祉事業者” で成功したマッチング事例
活動理念 |
「いきいきとした社会生活実現をサポート。さらなる可能性への挑戦」 |
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活動のポイント |
フランクさを大切にし、利用者が新しい利用者へ教える文化が根付く。作業受託を中心に活動を開始、現在は菌床しいたけやみかん等を栽培。 |
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解決キーワード |
室内作業 付加価値 |
活動理念 |
「このまちで いきいきと だれもが あたりまえに」 |
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活動のポイント |
B型の食品加工班を中心に、農場・レストラン・グループホームの給食という自社内ネットワークを密にすることで、自家消費と地域消費者への農産加工販売という双方のノウハウを蓄積。小規模農家や生産組合から加工受託し収益化。完全無農薬野菜等を使った直営レストランを運営。 |
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解決キーワード |
室内作業 技術 付加価値 地域連携 販路開拓 6次化 |
活動理念 |
障害を持つ人たちが農業をしながら就労を目指す場だけにとどまらず、地域に根付いて幸せに暮らしてもらうことを目指しています。 |
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活動のポイント |
農業を通じた就労の場として、パクチーの選別包装のほか近隣の直売所・スーパーで農産物を販売。利用者の自立を促すため生産した野菜を使った調理を学んでいるほか、施設外就労として地域住民と野菜収穫やハウスの除草作業に取り組む。 |
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解決キーワード |
収益化 技術 地域連携 販路開拓 |
”行政との連携” による農福連携の実践事例
活動内容 |
農林水産部農政普及課を中心に、農福連携のネットワークを構築。 |
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活動のポイント |
大隅地域では、施設外就労の受入れから福祉事業所を立ち上げた事例、福祉事業所から自ら農地運営を行うに至った事例、農業法人等から寄付を得て就労支援事業を行う事例等、多様な農福連携ネットワークが存在。 |
活動内容 |
農業と福祉のマッチング支援や農福マルシェの開催を行い、障害者の社会生活力向上と社会参画拡大を目指して全県域で活動。 |
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活動のポイント |
施設外就労・委託作業について訪問し、分業化や生産性向上の可能性等の農福連携のメリットを説明。ほとんどの事業所で「仕事の切り出し」を農家とともに実施。 |
活動理念 |
「共に理解し 共に学び 共に前を向いて」 |
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活動のポイント |
大分県から、障害者の工賃向上を目的に設置された障害者福祉サービス事業所共同受注事務局の運営を受託。各事業所とJAの橋渡し役を行う。 |
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解決キーワード |
作業指導 作業代金 中重度 地域連携 |
活動内容 |
竹田市社会福祉協議会の生活困窮者就労支援員が農業生産法人等を体験利用先として開拓、当事者と農家の橋渡しを行い、就職相談会を開くなど情報発信とネットワークに注力。 |
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活動のポイント |
農業や政策決定に明るい市職員・社協職員等が、当事者と事業所と農家をつなぐ独自のネットワークを構築し、市がハブとなっている希少な事例。 |
活動内容 |
村の基幹産業である農業振興のため、農福連携に取り組む合同会社ソルファコミュニティを支援。 |
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活動のポイント |
内閣府の生産体制整備事業を活用した「バニラビーンズプロジェクト」を企画、大手洋菓子メーカーの出資を取り付けて新たなチャレンジを展開。 |
お問合せ先
農村振興部 農村計画課
担当者:企画官
代表:096-211-9111(内線4611)
ダイヤルイン:096-300-6412
FAX番号:096-211-9812