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九州農政局

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尾鈴地区

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尾鈴地区の概要

 

 

事業名

国営かんがい排水事業

事業期間

平成8年度~平成25年度

事業費

290億円

事業内容

切原ダム(新設:総貯水量200万m3)、
青鹿ダム改修(既設:総貯水量90万m3):取水施設、放流施設の改修
用水路(36.3km)、ファームポンド(4ヶ所)

受益面積

畑 1,580ha

受益農家数

1,574人

関係市町

川南町、高鍋町、都農町

関連事業

県営畑地帯総合整備事業等(平成13年度~        )

土地改良区名

尾鈴土地改良区連合(TEL0983-27-5484    FAX0983-27-5484)

 


   本地区は、宮崎県のほぼ中央に位置し、東は日向灘に面し、西は尾鈴山系に囲まれ、山麓から海岸線にかけ西高東低の緩やかな丘陵地帯であり、北は名貫川、南は小丸川に挟まれて発達した洪積台地上に展開する水田と畑が混在する地域です。
 
交通条件としては、JR日豊本線と国道10号線が縦走し、また地区中央部を南北に広域農道が走っており、消費地の宮崎市に近く、さらに東九州自動車道の開通により、農産物を提供できる条件が整った地域であり、当地区は県下でも有数の露地野菜や畜産を主体とした農業地帯です。
 
しかしながら、かんがい用水としては、降雨が梅雨期と台風期に偏るため、営農は天候に左右されるのが現状でした。また、計画的な生産・出荷といった市場動向を見極めた農業生産ができませんでした。
 
このため、地区の畑作振興を目的とし、台地畑への水源確保を図るため、切原ダムを築造及び既存の青鹿ダムを利用し、計画的な水利用を図ると共に、併せて関連する県営畑地帯総合整備事業を実施することによって末端のかんがい施設の整備を行い、農業生産性の向上と農業経営の安定を図るものです。

尾鈴地区位置図

 尾鈴地区位置図

   

尾鈴地区平面図 

尾鈴地区平面図(PDF : 498KB)

 

 

切原ダムの満水状況
切原ダム満水状況

切原ダムの越流状況
切原ダムの越流状況

青鹿ダムの満水状況

青鹿ダム満水状況

青鹿ダムの越流状況
青鹿ダム越流状況

地区のこれから

   2011年8月、西都市に(株)ジェイエイフーズみやざきの九州最大規模となる年間処理能力4,400トンの野菜冷凍加工施設が口蹄疫復興対策の国庫補助を受けて誕生し、畑作の振興、畜産とバランスのとれた産業構造への転換、雇用創出による地域経済の活性化など口蹄疫からの復興への重要な役割が期待されています。施設内には、大量の野菜をカット処理する機械や冷凍設備がライン化して配置され、宮崎県産にこだわった冷凍野菜(ホウレンソウ、サトイモ、コマツナ、ゴボウなど)を製造し、小売、給食、業務向けとして九州にとどまらず大阪、東京方面に販売を行っています。冷凍野菜は、調理しやすいようにカットされ、鮮度を保持したままトンネルフリーザーで瞬間冷凍されるので、いつでも手軽に宮崎の旬の野菜を味わうことができます。特に葉ものは茹でることで生鮮に比べて嵩が減り、調理に伴う野菜の皮や切りくずを発生させずに使い切ることができるメリットがあるだけでなく、調理後の野菜に冷凍感は全くないので、小口の家庭用から大口の業務用まであらゆる用途に対応可能です。
   さらに2013年4月には、宮崎県策定の「みやざきフードビジネス振興構想」(2013年3月)のひとつの柱“連携・価値連鎖によるフードビジネスの拡大”の具体化となる同社の冷凍野菜を県内の医療機関や福祉施設の給食として提供する協定が同社と宮崎県医師協同組合の間で締結され新たな需要が開拓されました。同社の土づくりから収穫までの栽培マニュアルとフィールドコーディネーター(圃場指導管理者)の現場指導により、主力商品のホウレンソウでは高収量を上げる生産者もおり、契約栽培面積も2012年度の180haから将来的には200haへ拡大すると見込まれています。契約農家は、児湯郡中心に所在しており、本事業受益地内に設置したホウレンソウ実証圃での播種・除草、収穫作業の機械化、加工向け品種の選定試験結果を踏まえて本事業受益農家の参入も増加中で、ハードの“灌漑施設整備”とソフトの“営農”との効果的連携が実現しつつあります。
 

ホウレンソウ

冷凍ホウレンソウパッケージ

(株)ジェイエイフーズみやざき野菜冷凍加工施設

(株)ジェイエイフーズみやざき  野菜冷凍加工施設

 

 

   また、都農町においてもサンアグリフーズ(株)が産地競争力強化のための国庫補助を受けて漬物製造工場を新設し、2013年5月より操業を開始しました。同工場は、(株)ジェイエイフーズみやざきと同様、畑作の振興、畜産に依存しない産地・産業構造への転換、雇用創出による地域経済の活性化など口蹄疫からの復興を目的に、地場産の高菜、白菜等の野菜を漬物に加工するものです。

   さらに、近年、尾鈴地区では茶の栽培面積が増えているが、課題となっていた防霜・防除対策の改善を図るため受益地内茶圃場および宮崎県総合農業試験場茶業支場において対策の実証調査を行いました。防霜対策としてのスプリンクラー防霜は、ファン防霜に比べて施設費は高い(ただし、補助を考慮すれば農家負担はほぼ同じ)ものの防霜効果は優れていました。茶の害虫クワシロカイガラムシは、枝に寄生して樹液を吸い茶樹を枯らす体の表面が介殻で覆われている害虫ですが、スプリンクラー散水は慣行農薬と同等の防除効果が確認され、農薬不使用による安全安心の向上も図られます。本来の活着・生育促進、干ばつ時の樹勢維持の効果に加えて、追加経費不要で優れた防霜・防除効果が得られることになり、スプリンクラー散水は茶栽培に極めて有益であることが確認されました。 

   このようにフロンティア精神と元気に溢れた受益3町は、畑かんで生産した農作物を市場に供給するだけでなく、地域活性化にも積極的に活用し、今後ますますの発展が期待されています。

茶園へのスプリンクラー散水状況

茶園へのスプリンクラー散水状況

散水により褐変死したクワシロカイガラムシの卵

散水により渇変死亡したクワシロカイガラムシの卵

お問合せ先

南部九州土地改良調査管理事務所

〒885-0093  宮崎県都城市志比田町4778-1
TEL:0985-23-1293  FAX:0985-27-1281

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