どんな仕組みなの?

ため池の種類
- 皿池の一例
道池[丸亀市]
- 山池の一例
鳥突(とりつく)上池[山本町]
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ため池をなおす
ため池の断面図
昔のため池堤体は、均一型工法(一種類の土で築堤)によるものが多く、これを補強改修するには、前法面を削って遮水性の高い鋼土(刃金土)を被せます。
さらに、それを守る抱土(だきど)を盛った上に、波浪による浸食を防ぐため、張(はり)ブロックするのが一般的です。(前刃金工法)
1. 古くなったため池
中央に見えるのは役目を終えた石組の「ゆる」です。堤体表面は波浪浸食によって石張りにズレが生じています。
2. 前法面を削る
新しい土を盛る前に、古い堤体の前法面(まえのりめん)の土を削ります。
3. 底樋管の据え付け
新しい底樋管(そこひかん)を据え付けます。
4. 転圧する
土を入れてブルドーザでならした後、タンピングローラで踏み固める作業を何度も繰り返します。
5. ブロックを貼る
堤体の斜面をならした後、張ブロックを一枚一枚丁寧に貼っていきます。
6. 草の種子を吹き付け
堤体に草の種子を吹き付けて、風雨によって土が流れるのを防ぎます。
ため池管理者の「なおって良かった」喜びの声
◆ 二股上池・下池/三木町

木田郡二股土地改良区は、総組合員数441名で、大小7ヵ所のため池の維持管理から受益地内の水の流通まで独自の体制で行っています。
その貯水量は120万立方メートル、受益面積191ヘクタールの大規模なものです。
県下でも二股上池・二股下池は古いため池であり、下池は約370年前に、上池も約300年前に築造されました。先人たちは慢性的な水不足を解消するため、ため池の増築を繰り返し、幾多の苦労を乗り越えてきました。
しかし、300年も経つと、老朽化や漏水が顕著となり、組合員や地域内でため池の安全を危惧する声が高まりつつありました。特に二股上池では漏水が深刻で、1日に400立方メートルもの水が堤防下流に流れ出し、また老朽化も著しく地震、大雨などの際には心配でした。
両ため池とも平成14年度までに改修事業が完了し、安全の確保ができたことを地域内で喜んでおります。この事業によって今後の地域農業のい石杖ができ、地産地消が言われている現代に寄与できるのではないでしょうか。
今後は事業効果が十二分に発揮できるよう維持管理に努めていきます。
その貯水量は120万立方メートル、受益面積191ヘクタールの大規模なものです。
県下でも二股上池・二股下池は古いため池であり、下池は約370年前に、上池も約300年前に築造されました。先人たちは慢性的な水不足を解消するため、ため池の増築を繰り返し、幾多の苦労を乗り越えてきました。
しかし、300年も経つと、老朽化や漏水が顕著となり、組合員や地域内でため池の安全を危惧する声が高まりつつありました。特に二股上池では漏水が深刻で、1日に400立方メートルもの水が堤防下流に流れ出し、また老朽化も著しく地震、大雨などの際には心配でした。
両ため池とも平成14年度までに改修事業が完了し、安全の確保ができたことを地域内で喜んでおります。この事業によって今後の地域農業のい石杖ができ、地産地消が言われている現代に寄与できるのではないでしょうか。
今後は事業効果が十二分に発揮できるよう維持管理に努めていきます。
◆北山新池/満濃町

私は、名前の通り池のすぐ下に住んでいます。大正5年にはすぐ上の北山中池(国営事業で改修済み)が決壊し、北山新池の堤体は何とか持ち堪えたものの、溢れた水が下流に流れ出し大きな被害が生じたと伝え聞いています。
近年は松食虫の被害により流域の保水力が低下し洪水量が増大したので、台風時などは見回りが欠かせませんでした。しかし、改修工事により堤体からの漏水がなくなり、洪水吐もコンクリート製で断面が大きくなったことから、大雨が降っても安心していられます。また堤体の斜面も緩やかになったことで、草刈りなどの手入れもしやすくなりました。
50年以上にわたって水利組合の役員として地域農業に携わってきましたが、北山新池の改修完了とともに役員を退くこととし、後進の活躍に期待したいと思います。
近年は松食虫の被害により流域の保水力が低下し洪水量が増大したので、台風時などは見回りが欠かせませんでした。しかし、改修工事により堤体からの漏水がなくなり、洪水吐もコンクリート製で断面が大きくなったことから、大雨が降っても安心していられます。また堤体の斜面も緩やかになったことで、草刈りなどの手入れもしやすくなりました。
50年以上にわたって水利組合の役員として地域農業に携わってきましたが、北山新池の改修完了とともに役員を退くこととし、後進の活躍に期待したいと思います。
◆保田池/東かがわ市

平成10年度に改修工事、そして翌年度に浚渫工事が行われる以前は、堤防の漏水が見られ、ユル(取水口)及び洪水吐の断面も不足していました。特に昭和49年には堤防の一部が切れかけ、そこから決壊すると甚大な被害が出ると予想されたので、最も被害が少なくて済むような部分を切割しました。しかし、やはり堤防を切るのは本当に怖い作業でした。
改修によりこれらは改善され、ユルの開閉も大変楽になり感謝しております。これからも大事な池を手入れしながら、受益農家の皆さんとともに守っていきます。
改修によりこれらは改善され、ユルの開閉も大変楽になり感謝しております。これからも大事な池を手入れしながら、受益農家の皆さんとともに守っていきます。
◆中の池/豊中町

中の池は明治時代中期(1716年頃)に築造されたもので、七宝山の谷から流れ出た白池川の全流水が池に流れ込むように造られています。溜まった水は池の北側と西側にある洪水吐から排水される構造です。
大雨の時は流入する水量が排水量を上回る場合があり、加えて堤体が老朽して漏水も起きていました。昭和51年の集中豪雨の際は、流入量が予想を遥かに超え、堤防の決壊が懸念されたため、堤防を一部破壊して決壊という最悪の事態を回避しました。台風の襲来の度にこうした心配が続きました。
このような状況でため池の保全管理に苦労しているときに、幸いにも国営総合農地防災事業に採択されました。平成8年10月着工され、11年3月には全面改修工事が終了し、永年の切なる願いが達成され、周辺住民も喜んでいます。
今後はため池の環境保全に努めるとともに、水利機能を十二分に発揮し、農家経済の向上に力を尽くしたいと思います。
大雨の時は流入する水量が排水量を上回る場合があり、加えて堤体が老朽して漏水も起きていました。昭和51年の集中豪雨の際は、流入量が予想を遥かに超え、堤防の決壊が懸念されたため、堤防を一部破壊して決壊という最悪の事態を回避しました。台風の襲来の度にこうした心配が続きました。
このような状況でため池の保全管理に苦労しているときに、幸いにも国営総合農地防災事業に採択されました。平成8年10月着工され、11年3月には全面改修工事が終了し、永年の切なる願いが達成され、周辺住民も喜んでいます。
今後はため池の環境保全に努めるとともに、水利機能を十二分に発揮し、農家経済の向上に力を尽くしたいと思います。
◆藤池/三木町

藤池改修工事前の昭和62年に台風19号が襲来しました。この時はテレビ等の予報を聞き、万が一の場合に備え、池の溜水を最低限まで減水していましたが、真夜中に見回りに行くと東側の堤体が決壊寸前でした。すぐに組合役員全員に集まってもらい、土嚢を積むなどの相談をしていると、雨も小康状態になり、これなら大丈夫だろうと夜明けに解散したという恐ろしい出来事もありました。
改修工事後は取水口が大きくなり、配水の調整もスムーズにできるようになりました。また、堤体の周囲も雑草が生え茂り、見苦しかったのですが、今では綺麗になり組合員全員で喜んでいます。
改修工事後は取水口が大きくなり、配水の調整もスムーズにできるようになりました。また、堤体の周囲も雑草が生え茂り、見苦しかったのですが、今では綺麗になり組合員全員で喜んでいます。
◆松木谷池・たわ谷池/財田町

我が地区では、平成13年度に松木谷池、平成14年度にたわ谷池の改修が行われました。お陰で両池とも決壊の心配がなくなりました。特にたわ谷池は、堤体からの漏水があり、底樋も詰まり水が完全に抜けずに困っておりました。今回の改修により、操作時に水に入らなくて済むようになり、組合員の負担が軽減されました。また、堤体の傾斜が緩くなったことで、草刈等の維持管理も容易になりました。
国営事業での改修を契機に、水面付近から取水するための取水管を追加する工事も水利組合が負担することで行うこともできました。
農業者の高齢化や米価の安値といった問題を抱えている昨今、ため池の改修工事は大変ありがたい事業です。今後とも維持管理を適正に行い、貴重な財産を後世に残さなければならないと感じています。
国営事業での改修を契機に、水面付近から取水するための取水管を追加する工事も水利組合が負担することで行うこともできました。
農業者の高齢化や米価の安値といった問題を抱えている昨今、ため池の改修工事は大変ありがたい事業です。今後とも維持管理を適正に行い、貴重な財産を後世に残さなければならないと感じています。