キラリ☆道南 ~GI登録の組合長にお聞きしました~
輸出のほか国内での販売も強化
~JFひやま漁協 工藤組合長~
【工藤幸博 組合長】
Q1 GI登録以降、どのような効果がありましたかお聞かせください。
A1 なまこ漁は、北海道全体で3割くらいが手採りですが、ひやま漁協管内では95%が潜水手採りで、たも取り、ほこ取りが残りの5%となっています。ブランドを守るというGIの意味が漁家のみなさんに行き届いていない部分も多かったのですが、細かく説明したことで、道内で5品しかなく「あの夕張メロンと同等のものなんですね」とか言われるなど、周りの雰囲気や自分たちの意識が変わりました。
GIで品質を認めてもらったから道内でもトップクラスの値段、まったく同じなまこが他の地区にもあるけど、それでも価格に差がつく。これはGIで認めてもらった成果・効果だと実感しています。
檜山海参の模倣品も出ているので、訴訟とか何かあったときに国として取り締まってくれるとか、見てくれるといった部分でも良いことだと思っています。
【潜水してなまこを手採りしている様子】
Q2 昨年のコロナ禍の影響はどうでしたか。
A2 小売りは空港がメインで、インバウンドや海外からの旅行客がなく売り場を閉鎖しているので影響はすごく出ています。令和2年は檜山海参を欲しいという人がいたけれども、信用できない事業者には、こちらが断ったということもありました。しかし、ブランド効果で単価が上がって浜値は伸びており価格の底上げができたと思います。
ひやま漁協のなまこは6列でいぼ立ちも良く、最大の特徴は乾燥した状況でもいぼがきれいに残るという点、地域産物の特徴と言えると思っています。
Q3 最近、重点的に取り組んでいることについてお聞かせください。
A3 新型コロナウイルスの関係がなかなか収束しない中で、自分たちも模倣品が権力を持ってしまったらどうしようという不安もあり、輸出の部分で考えていきましょうということで、11月17日~19日に大阪で輸出エキスポに出展したところ反応は上々で2社ぐらいは(輸出を)やってもいいかなという感じでした。
向こうではこれまで塩蔵なまこが主流だったのですが、塩蔵なまこは要らない、北海道産のしっかりした乾燥なまこが欲しいとのことであり、ひやま漁協産ということから「信用できますね」と言われました。そこでもGIの良い影響、農林水産省、国のお墨付きの商品ですよというのが出ていると感じました。
【輸出エキスポの展示様子】
【輸出エキスポで説明している様子】
Q4 2022年に、取り組んで行きたいことについてお聞かせください。
A3 国内の料理人関係の方が注目していて、国内の市場をみると食材として使われるなまこの数量は年々下がっているんですが、檜山海参は伸びています。
国内の中華料理人の有名な方が友人や店に紹介してくれて横に広がり、年間3~4kg使うというのは多い方なんですが、そういった店舗数が増えています。
ある料理人が檜山海参を約3年間使ってくれたことがあって、それまで使っていた乾燥なまこは、調理前に戻したら4~5倍にしかならなかったが、檜山海参は平均で12倍に戻るし安定しているということと、仮に高かったとしても戻るわけですから、値があるんですよと結果報告をしてくれたことが大きかったのです。
乾燥の工程がしっかりしていることから、こういうものができあがったんじゃないですかと言ってくれました。
国内でも中国人だけではなくて日本人も食べるようになってきたので、国内での販売促進も取り組みたいと思っています。
【乾燥後の「檜山海参」】
【檜山海参(ヒヤマハイシェン)】
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