「近江日野産日野菜」が地理的表示(GI)に登録されました。
近江日野産日野菜(滋賀県)
令和4年10月21日、「近江日野産日野菜(おうみひのさんひのな)、Omi Hinosan Hinona」が地理的表示(GI)として登録され、農林水産省において登録証の授与式が行われました。(登録番号第122号)
滋賀県で3産品目、近畿農政局管内では10産品目となります。
授与式には、グリーン近江農業協同組合の大林組合長、日野菜生産部会の岡会長、堀江日野町長ほかが出席され、藤木農林水産大臣政務官から登録証が渡されました。
登録授与式 左からJA高畑氏、岡会長、大林組合長、藤木政務官、堀江町長、JA田中氏
「近江日野産日野菜」は、日野の鎌掛(かいがけ、現在の滋賀県蒲生郡日野町)を発祥の地として室町時代から栽培されている伝統野菜で、根の上部まで濃い赤紫の色調を呈するほっそりとした形が特徴のかぶです。
収穫された「近江日野産日野菜」 根の上部が赤紫になる
生産地は、日野菜の栽培に適した、通水性が良く適湿を維持する古琵琶湖層です。生産地では水菜など日野菜以外に春先に咲く黄色の花を全て刈り取る「雑菜刈り」が行われ、日野菜を栽培しない農家もこの風習を守り、地域が一体となって発色が良く、ほっそりとした形の良い「近江日野産日野菜」の原種を保全してきました。
「近江日野産日野菜」の栽培畑 滋賀県蒲生郡日野町鎌掛地区
「近江日野産日野菜」の原種は、かつてはそれぞれの農家で自家採種していましたが、平成12年頃には日野町深山口地区の農家一戸のみとなりました。この一農家の原種採取継続が困難となったため、平成17年、深山口地区の十数戸の農家が「深山口日野菜原種組合」を設立し、原種採種を引き継ぎ現在に継承しています。
採種作業 「近江日野産日野菜」の原種を守る深山口地区の皆さん
「日野菜」は、550年前の室町時代、当時の領主である蒲生貞秀公が、日野の鎌掛で発見した野生菜です。漬物にすると色、風味ともに風雅であったことから、京の公家に贈られ、その公家から後柏原天皇にも献上されました。後柏原天皇も漬物の美味しさに喜び、公家を通じて領主に対し「近江なる ひものの里のさくら漬 これぞ小春の しるしなるらん」という和歌が贈られ、これ以来、野生菜は「日野菜」、漬物は「さくら漬け」と呼ばれるようになりました。
もうすぐ収穫 収穫期間近の「近江日野産日野菜」
地理的表示(GI)保護制度は、その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因・環境の中で長年育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を、地域の知的財産として保護するものです。令和4年10月21日現在、120産品が登録されています。
お問合せ先
経営・事業支援部地域食品・連携課
担当者:地理的表示担当
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