学生参加型プロジェクト「AGREAL」第2弾を開催しました
「『柑橘』の選果場見学で『流通のこれから』を考える」
私たち九州農政局チャレンジチームは、農産物の生産から消費までの流れを網羅した体験・見学ができる学生参加型プロジェクト「AGREAL(アグリアル)」を立ち上げているところです。今回、活動の第2弾として、熊本市内の大学に通う学生が、柑橘の選果場見学・JA担当者や農業法人との意見交換を通して農業の実情、特に流通の現場を学ぶプログラムを開催しました。また、当日の様子を日本農業新聞に取材していただき、令和7年1月21日発刊の紙面に掲載されました。

学生参加型プロジェクト「AGREAL」第2弾
「『柑橘』の選果場見学で『流通のこれから』を考える」@熊本市西区河内町

令和7年1月18日(土曜日)9時45分~15時15分

JA熊本市柑橘選果場(熊本市西区河内船津1131)
農業生産法人ウシジマ青果株式会社(熊本市西区河内町河内2616)

JA熊本市柑橘選果場
・オリエンテーションJA熊本果実連販売課 前田課長から御挨拶、JA熊本果実連について及び選果場見学の流れを説明していただきました。
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オリエンテーションの様子 |
・動画視聴
見学当日選果ラインが稼働していなかったため、稼働している様子をまとめた動画を視聴しました。生産者が収穫したみかんの荷受けから、運送業者のトラックに積み込むまでの一連の流れを学び、選果場での作業のイメージを掴むことができました。
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荷受から出荷までの一連の流れを動画視聴する様子 |
・選果場見学
前田課長の案内のもと、自動出荷システムなど作業の省力化・効率化を図る様々な機械を見学しました。なかでも、AI搭載外観センサーという機械は柑橘の外観から糖度や酸度を判別し、数値を指定して選果することができるとの説明に、学生から驚きの声が上がりました。また、柑橘が入った段ボールが隙間なく積み込まれた大型トラックの出発に立ち会うこともでき、選果場見学を通して、流通の現場を目の当たりにすることができました。
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AIセンサーを活用した高度な選果設備 | 前田課長による選果場内での説明 | 箱詰めされてトラックに積み込まれたみかん |
・意見交換
前田課長から熊本県におけるJAの施設状況、産地の概要や、例年と比べ高温の影響により収穫量が大きく下がったといった内容をはじめ、令和6年産柑橘の作柄概況について説明していただきました。
見学全体を通して学生からは、見学の感想や印象に残ったことを発表しました。「想像より機械化が進んでいた」という意見や、「まだ機械化できる部分もあるのではないか」との質問に、前田課長からは、「今後もAIなどを使った機械の導入を進めていく」との回答がありました。
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意見交換の様子 |
ウシジマ青果
・選果場見学実際に選果レーンが動いている様子を見学でき、人の目と光センサーを経て、品質が均一化された柑橘が箱詰め・出荷されるといった説明を受けました。柑橘の出荷最盛期には8時間で6tもの量を選果しているとの説明を受け、ここでも学生からは驚きの声が上がりました。
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選果場見学の様子 | 稼働する選果レーンの様子 | 選果・選別が完了したみかん |
・牛島氏、宮田氏によるお話及び意見交換
ウシジマ青果代表取締役の牛島氏より、「わが社の目指すミカン経営」について、品種や特性に合わせて商品名やパッケージを工夫したり、タブレットを現場に導入してデジタル化に取り組んでいるというお話がありました。
続いて、営業部長、宮田氏からは「ウシジマらしさへの取り組み」という題で、「和と育の農業経営」を理念とした、ビジネスとして農業に取り組む組織体制についてご教示いただきました。
全行程を終え、学生からは「農業でしっかり稼げるということがより多くの若い人に伝われば就農する若者も増えるのではないかと思った」「経営面から農業を考えたことがなく、新鮮だった」との意見があがりました。
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ウシジマ青果ならではの取組紹介の様子 | 意見交換の様子 |

- JA熊本市柑橘選果場では、規模に圧倒されました。AIを搭載したセンサーで形や味まで判別ができることに驚きました。また、農業とビジネスというものが自分の中で今までは結びつきませんでしたが、ウシジマ青果さんのお話で様々な工夫がされており、農業の幅広さを感じました。
- 一番印象に残っていることは、素直にたくさんのみかんを目の当たりにしたことです。普段果実は価格が高く、スーパーでも素通りしています。しかし、当たり前ですがたくさんの果実が収穫・出荷されてスーパーに並んでおり、そこにはパッケージにも農家さんの努力が詰まっていると感じました。
- 今後もオートメーション化が進むと、2024年問題も解決に向かうのではないかと考えました。
- 2つの選果場を見学し、選果場のオートメーション化の違いはもちろん、販売方法の取組にも違いを感じました。
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集合写真(JA熊本市柑橘選果場) | 集合写真(ウシジマ青果) |
お問合せ先
九州農政局チャレンジチーム
担当者:細井、二反田
代表:096-211-9111(内線4438、4427)
ダイヤルイン:096-300-6382、6366