土地改良調査管理事務所の紹介
土地改良調査管理事務所の紹介の詳細
土地改良調査管理事務所の仕事
土地改良調査管理事務所の業務
国営完了地区の円滑な施設利用
これまで実施してきた地区に職員が赴いて、施設管理者に最近の農業情勢や維持管理等の情報を提供したり、施設管理の問題点等の情報収集を行っています。更に突発事故対応、水利権更新など円滑な施設利用行っています。
国営造成施設の長寿命化のための機能診断・保全対策
国営造成施設を長期にわたって利用し、農業生産性の維持及び農業経営の安定を目指すため、施設の機能監視、診断・分析などの調査、機能保全を行うための補修・補強などの保全対策を更新適期に応じて実施しています。
関係機関との調整
県・市町村・土地改良区・水利者との農業農村整備に関する情報交換、調整を行っています。
国営土地改良事業の調査計画の一貫実施
地域の課題、土地・水利用状況の把握、調査計画の策定等、事業計画策定のための基本調査、地区調査、全体実施設計を一貫して行っています。
国営土地改良事業の評価
事業等の効率性及び事業実施過程の透明性の一層の向上を図るため、国営完了地区において当該事業の実施による効用及び利用状況について評価を実施しています。
実施する調査・事業の紹介
広域農業基盤整備管理調査
地域の農業基盤に関する情報収集、管理及び提供並びに国営完了地区のフォローアップを実施することにより、農業振興上の阻害要因や国営完了地区における事業実施による効果発現上の課題を把握するとともに国営等完了地区について事後評価を実施することにより、地域の農業発展と国営土地改良事業等の円滑な実施に資するものです。
広域基盤整備計画調査
水系や広域営農団地を単位とした一定の農業地域を対象とし、国が基幹的農業水利施設を計画的かつ機動的に整備更新するための広域基盤整備計画を策定するものです。
地域整備方向検討調査
用排水計画の見直しや新規水源開発及び中山間地域の振興、多面的機能の維持・保全を図る国営等事業の実施の実現性の高い地域等において、国営等事業実施の必要性、技術的可能性及び経済的妥当性について検討を行い、地区調査に先立ち地域の課題及びその整備構想の概略を検討し、地域の状況を的確に反映した農業基盤の整備方向を検討するものです。
国営土地改良事業地区調査
国営土地改良事業等の実施が見込まれる地区において、事業実施の必要性、技術的可能性、経済的妥当性について検討を行い、土地改良事業計画の案を作成するものです。
全体実施設計
土地改良事業における工事計画に関わる詳細な設計を行い、これに基づき直ちに工事に着手できるような精度を有するものを作成して、事業着手後の総事業費の著しい変動を防止し、事業の円滑な進展に資するものです。
国営造成施設水利管理事業
国営造成施設に係る既存ダムの洪水調節機能の強化について、水利用状況及び取組状況の調査や事前放流等によるダムの洪水調節効果の検証等を実施する。
また、国営造成施設に係わる既得水利権について、更新時期が迫っている等緊急に河川協議を了する必要のある地区の変更・更新に必要な調査等を実施する。
国営造成水利施設ストックマネジメント推進事業
施設の劣化等を調べる機能診断及び耐震診断を行い、診断結果に基づき施設の機能を保全するための最適シナリオなどを定めた機能保全計画を策定し、施設管理者に施設の効果的な予防保全対策や適期の整備更新に関する指導助言を実施する。
また、ストックマネジメントの推進のために必要な診断、評価、対策工法などの技術の確立と高度化に必要な取組(突発事故等の要因調査、診断技術の適用と評価、対策工法の適用と評価、リスク評価の実証調査)を実施する。更に、国営造成施設の保全のため、区分地上権等の権利設定及び更新を行う。
国営造成土地改良施設防災情報ネットワーク事業
国営造成施設の観測情報や、気象等の防災情報を収集、伝達、蓄積及び分析整理するために必要な設備(機器導入、プログ
ラム開発等)の整備及び保守運用を行う。
農業水利ストック有効活用情報整備調査
基幹的農業水利施設の維持管理において継続的に発生する補修等履歴や維持管理費に関する情報収集を行うとともに、これからの情報を蓄積及び利活用するためのデータベースシステムの保守運用を実施する。
国営施設機能保全事業
国営事業により造成された基幹的水利施設を対象に、国が施設の機能診断を行い、土地改良区等の施設管理者とともに施設の長寿命化に関する計画(施設長寿命化計画)を策定し、施設機能の監視や補修・補強等を実施する。
国営施設応急対策事業
国営造成施設を対象に、不測の事態が発生した場合における応急対策、事故の原因究明等の調査及び当該調査の結果に基づ
く施設の機能保全に資する補修・補強を実施する。
土地改良施設突発事故復旧事業
突発事故により機能が喪失・低下した土地改良施設における、機能を回復させるための工事を実施する。

注目される業務
土地改良調査管理事務所では、様々な調査等を実施していますが、ここでは「農業水利施設のストックマネジメント」と「環境との調和への配慮」についてご紹介します。
農業水利施設のストックマネジメント
ストックマネジメントとは、農業水利施設の定期的な機能診断に基づく機能保全対策を通じて、既存施設の有効活用や長寿命化を図り、ライフサイクルコストを低減するための技術体系及び管理手法の総称です。
ここでは、農業水利施設においてストックマネジメントを導入した背景、仕組み、効果について説明します。
ストックマネジメント導入の背景
農地へ水を供給する基幹的な農業水利施設は、全国でダム、頭首工、用排水機場等が約7,000箇所、用排水路は約4万5千kmで、その資産価値は再建設費で約25兆円にのぼります。
これらの施設は、現在、老朽化のピークを迎えており、膨大な農業水利ストックの機能を効率的に維持するための仕組みの整備が課題となっています。

ストックマネジメントの仕組み
膨大な農業水利ストックの機能を適切かつ効率的に発揮させるためには、深刻な機能低下が発生する前に、施設の劣化状況を把握する機能診断に基づく適切な予防保全対策を行うストックマネジメントの取り組みが有効です。
ストックマネジメントは、管理者による日常管理、定期的な機能診断と評価、調査結果に基づく施設の劣化予測及び効率的な対策工法の比較検討を行い、補修補強の整備計画に基づく対策の実施、調査・検討の結果や対策工事に係る情報の蓄積等を、段階的・継続的に実施するものです。
ライフサイクルコストの低減
施設の長寿命化を図るため、深刻な性能低下が発生する前に、機能診断に基づく適切な予防保全対策を実施し、ライフサイクルコストの削減を図ります。
なお、ライフサイクルコストとは、施設建設費、供用期間中の運転・補修等の管理費、廃棄費の合計額のことです。

農業水利施設の保全対策イメージ
地区全体の一体的な整備更新から、継続的な機能診断等の実施による効率的な機能保全対策を組み合わせた事業を実施します。

施工事例
老朽化した水路を靱性モルタルライニングにて補修を行い、施設の長寿命化を図っています。
環境との調和への配慮
平成13年度に土地改良法が改正され、土地改良事業の実施に際しては「環境との調和への配慮」することが原則化されました。この環境との調和への配慮の取組を具体的に進めるために、事業に先立ち「環境との調和への配慮に関する計画」を定めることとなりました。この計画を踏まえた環境との調和への配慮の取組の一部をご紹介します。
両生類等繁殖池の設置
ダム工事によって、ダム建設予定地周辺に生息する両生類の繁殖場所となる水溜まりや湿地が減少することが予想されるため、代替湿地を設置することにより両生類の繁殖への影響緩和を図りました。取水した沢水の温度を上昇させ両生類の幼生が生息するのに適した水温とするため、池を上段池と下段池の2段構造としました。

道路側溝への工夫
ダム建設地周辺やファームポンド建設予定地周辺に生息する生物の移動経路やイボイモリ等小動物が這い出せるような斜路を設置しました。斜路等の底には粗石を配置したりして、小動物の這い上がりやすさや移動のしやすさについて配慮しました。
生物の移動経路の確保
ダム建設地周辺やファームポンド建設予定地周辺に生息する生物の移動経路やロードキル(車による轢死)の軽減を目的に、沢部にボックスカルバート(大中型動物対象)やコンクリート管(小中動物対象)を設置しました。また、カルバートやコンクリート管の設置箇所については下写真のように小さな段差を設けたり、カルバート等の底には粗石を配置したりして、小動物の這い上がりやすさや移動のしやすさについて配慮しました。

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トクノシマトゲネズミ
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希少植物の移植生物の移動経路の確保
森林の伐採にあたっては、伐採範囲において事前踏査を行い貴重植物種の生育の有無を確認しています。生育が確認された場合は移植等の検討を行い、移植可能な個体について移植作業を行っています。移植は春季に根茎の成長が活発となることから、早期の根の活着を促すため早春から夏季にかけて移植を実施しています。
移植先については、生育種の自生地における生育環境に配慮し可能な限り同様の環境に移植しています。その際、地形・植生・土壌水分・陽あたり等の環境条件に留意し移植先を選定しています。また、盗掘防止の観点から人目につきやすい場所では移植を行っていません。

カクチョウランの移植状況
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フウランの採取状況
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沿革
昭和44年4月1日 |
九州農政局において、南九州地域内の農業開発に関する調査を開始。 |
昭和45年4月20日 |
九州農政局南九州地域総合開発調査事務所を都城市に開設。 |
昭和55年4月7日 |
鹿屋市に鹿児島支所を設置。 |
平成元年5月29日 |
九州農政局南部九州土地改良調査管理事務所発足。 (南九州地域総合開発調査事務所を改組)、所管区域(宮崎・鹿児島県の全域)、 業務範囲(全体実施設計、管理業務の追加) |
平成11年4月1日 |
管理課を設置。 |
平成16年4月1日 |
管理課を保全対策課に名称変更。 |
平成20年4月1日 |
保全技術課を設置。 |
平成22年4月1日 |
保全対策課と保全技術課を廃止し、企画課と保全管理課を設置。 |
平成23年4月1日 |
保全管理課を廃止し、保全計画課と保全整備課を設置。 |
平成26年8月1日 |
宮崎市に宮崎支所を設置。 |
平成31年3月31日 |
宮崎支所を廃止。 |
令和2年4月1日 |
鹿児島市に薩摩支所を設置。 |
機構図
お問合せ先
南部九州土地改良調査管理事務所
〒885-0093 宮崎県都城市志比田町4778-1
TEL:0986-23-1293 FAX:0986-27-1281
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