「令和6年度 消費者団体等との意見交換会(福岡県)」を開催しました
九州農政局では、消費者の皆さまとのコミュニケーションを図るため、食品安全の確保、食育の推進、農林水産省の主要施策及び消費者の関心の高い事項などをテーマに、九州管内の消費者団体等の皆さまと意見交換会を実施しています。
今回は、福岡県内の消費者団体等の皆さま(11団体15名)にご出席いただき、以下のとおり開催しました。
1 日時・場所
日時:令和7年2月3日(月曜日) 13時30分~15時40分
場所:九州農政局福岡県拠点 1階会議室(福岡市博多区住吉3-17-21)
2 テーマ(話題提供)
食料安全保障の確保について
(改正基本法、食料供給困難事態対策法及び合理的な価格形成等)
(説明者)
九州農政局 消費生活課 課長 金子 勝
九州農政局 企画調整室 室長補佐 久冨木 政貴
3 出席者(消費者団体等)
(順不動)
- 福岡県地域婦人会連絡協議会
- 公益社団法人福岡県栄養士会
- 福岡県PTA連合会
- 日本生活協同組合連合会九州地連
- 福岡県生活協同組合連合会
- 福岡県学校生活協同組合
- 西南学院大学生活協同組合
- 特定非営利活動法人フードバンク福岡
- グリーンコープ生活協同組合連合会
- 生活協同組合連合会コープ九州事業連合
- エフコープ生活協同組合
4 意見交換の概要
九州農政局から、農政の基本理念や政策の方向性を示す「食料・農業・農村基本法」、不測時に備えた取り組み「食料供給困難事態対策法」及び合理的な価格形成(価格転嫁)等について話題提供を行った後、「食料安全供給の確保」を主テーマに上記の消費者団体等の皆さまと意見交換を行いました。
以下、出席者の主なご意見等
<食品アクセス>
以下、出席者の主なご意見等
<食品アクセス>
- フードバンクは、食品ロス削減や福祉的な活動を行っており、食品提供の仕組や予算措置などの支援なしでは、安定的な取組の継続は難しいと思う。
- 子どもの貧困率が改善しない中、給食を無償化し教育現場で子どもたちを支えることは大事。様々な意見がある中、農林水産省も無償化に向け他省庁に働きかけてほしい。
- 子どもの貧困対策は、子ども食堂に支援が集中しがちだが、支援が必要な子どもはほかにも潜在的に多くいる。米不足は深刻で、備蓄米の無償提供では、各支援団体の実態に応じた提供を行ってほしい。
- 食材料の高騰は貧困層ほど影響が大きく、病気になっても食料(野菜・果物)を購入できず、十分な栄養が摂取できないために、より悪化してしまうケースもある。農産物等が購入できる「ミールクーポン制度」があれば、必要な栄養を摂取でき、医療費削減の効果も期待できる。
- 3月1日から、食堂で学生に提供する米の仕入れ価格がこれまでの倍以上(700円/kg)となり、しかも今年7月分迄しか確保できていない。学生は食費を節約する傾向があり、食費だけは節約しないよう呼びかけている。
- 気候変動の影響で計画的な生産が難しくなっていると契約生産者から聞き、危機感を感じている。気候変動の影響で規格外となった野菜であっても、生産者を支えるためこれまでと同額で買い取っている。消費者はこれらの現状に理解を示し、規格外でも購入するようになってきた。
- 食料自給率を上げることに賛成。自給率の目標値はあるか。政治不安による輸入の打ち切りを懸念。自給率向上のための国策等は議論されているか。
- (九州農政局)食料自給率の目標は45%。現在、基本計画(自給率を含む)の見直しについて議論中。これまでは、単に自給率の目標値のみ提示していたが、今回の見直しでは、自給率向上のための取組も提示した上で、目標を設定する予定。
- 農業人口が少なくなり高齢化していることは問題だと思う。これからの農業のあり方として、若い農家、法人組織、高齢農家ごとに経営手法を分けて考え、支援していったらどうか。
- 先進国にもかかわらず、日本のエンゲル係数が高い理由を知りたい。
<合理的な価格形成>
- 有機農産物を増やし、合理的な価格形成で農業者を支えるためには、国が有機農産物を適正な価格で購入し、それを学校給食で使う仕組みを作ってはどうか。そうすれば有機農産物の安定的な需要が生まれ、生産量も増えるのではないか。
- 農作物を継続して生産できる価格を適正価格とし、その価格を消費者への販売価格としている。値上げをするときには、コスト高となった理由(内訳)をきちんと説明している。
- 食品価格の高騰は、肥料や飼料の値上がりが原因で、それらを外国に依存しているからと聞く。以前は安く輸入することができたが、国際情勢や今の日本の経済力をみると、この状況は今後も変わらないのではないか。
- 国産の肥料や飼料で作った野菜や肉を食べていけるよう、ぜひ、肥料や飼料の国産化を政策に盛りこんでいただきたい。
- 生産者が野菜作りを続けたいと思うには、それなりの収入が必要なことをわかってほしい。安心して食べられる日本の農産物がこれからも持続的に生産されるように、生産者のことを大事にしていただきたい。
- 家計における食費の割合がかなり高まっており、消費者の暮らしも相当厳しくなる中、やむなく商品の値上げをするケースもある。消費者の要望に応えるのに苦慮している。
- 米の生産者は、収入が増え一息つけるようになったのはいいが、(投機的な面も見られ)価格が上がりすぎて消費者のコメ離れを懸念している。
- 農産物の値上がりに関する報道では、その理由(肥料や燃料の価格上昇等)についての報道は少ない。国として再生産価格の必要性を説くのなら、生産者のご苦労を含め、消費者がわかるような言葉、手段で情報を流してほしい。
- 食料自給率を上げるためにも、消費者が納得してみんなで国産の農産物を消費しようという流れを国と一緒になって作っていきたい。
- (九州農政局)米不足や価格上昇という状況は、新米が出回り始めても改善していない。このため備蓄米を出すことになったが、米が市場に出てこない原因がはっきりわかっておらず、説明がむずかしい。なお、再生産価格については、今後消費者に納得していただく説明をしていく必要があると思っている。
<意見交換会の様子>

お問合せ先
消費・安全部消費生活課担当者:消費者行政専門官
代表:096-211-9111(内線4221)
ダイヤルイン:096-300-6123