欧州連合
European Union(EU)
加盟国27か国:
アイルランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、クロアチア、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ルーマニア
欧州委員会 保健・消費者保護総局 European Commission URL: https://ec.europa.eu/food/plant_en[外部リンク] |
植物検疫要求の要約
- 概要
欧州連合(EU)の植物検疫要求は、「理事会規則(EU)2016/2031」、「委員会実施規則(EU)2018/2019」及び「委員会実施規則(EU)2019/2072」により取りまとめられています。
このうち「委員会実施規則(EU)2019/2072」において、EU加盟国全体への輸入を規制する取り決めと、EU加盟国のうち特定の保護区域への輸入を規制する取り決めがあり、付属書1~13に規定されています。日本に対する要求は、以下のパートに該当します。
付属書2:検疫有害生物
付属書3:保護区域の検疫有害生物
付属書6:輸入が禁止されている植物及び植物生産物等
付属書7:特別な条件を満たすことで、輸入が認められる植物及び植物生産物等
付属書9:特定の保護区域への輸入が禁止されている植物及び植物生産物等
付属書10:特別な条件を満たすことで、特定の保護区域への輸入が認められる植物及び植物生産物等
付属書11:植物検疫証明書の添付を必要とする植物及び植物生産物等
パートA:植物及び植物生産物等
パートB:その他の植物
パートC:植物検疫証明書の添付を免ずるもの
付属書12:特定の保護区域への輸入に植物検疫証明書の添付を必要とする植物及び植物生産物等
1. 輸入が禁止されているもの
以下に主なものを記載。
詳細は、付属書6及び委員会実施規則(EU)2018/2019(英語)をご確認ください。
1 次の植物の生植物及び生植物の部分
樹木類:ヒノキ属、マツ属、モミ属など(果実及び種子を除く)
果樹類:カンキツ属、葉付きのクリ属など(果実及び種子を除く)、ブドウ属(果実を除く)など
2 次の栽培用植物
(1) カリン属、サクラ属、ナシ属、リンゴ属、及びこれらの交配種、並びにオランダイチゴ属(種子を除く)
(2) カナメモチ属、サンザシ属、バラ属、ボケ属(葉、花及び果実のない休眠状態のものを除く)
(3) 葉付きのクリ属、コナラ属、ハコヤナギ属(果実及び種子を除く)
(4) イネ科(種子、並びにオカメザサ属、クサヨシ属、キビ亜科、タケ亜科などの観賞用多年生草本を除く)
(5) ナス科(種子を除く)
(6) イチジク、アカシア属、イチイ属、イボタノキ属、カエデ属、カキ属、カバノキ属、キョウチクトウ属、クリ属、
クルミ属、コナラ属、シナノキ属、ジャケツイバラ属、スイカズラ属、ソケイ属、トネリコ属、ナナカマド属、
カワラケツメイ属、ニレ属、ネムノキ属、ハシバミ属、ハマカズラ属、ハリエンジュ属、ハンノキ属、
バンレイシ属、ブナ属、マンサク属、ミズキ属、メギ属、ヤナギ属、及びワニナシ属(種子、盆栽及び組織培養体
を除く)
3 ニガウリなどのツルレイシ属の果実
4 ジャガイモの塊茎(食用、加工用を含む)
5 クリ属の樹皮
6 土壌
7 全部又は一部が固形有機物から構成される培養資材(未使用のピートやココヤシ繊維を除く)
2. 植物検疫証明書を添付する必要があるもの
以下に主なものを記載。
詳細は、付属書11のパートA及びパートB(英語)をご確認ください。
1 栽培用植物
2 種子
3 球根類
4 切り花、切り枝
5 果実(パインアップル、ココヤシ、ドリアン、バナナ、ナツメヤシを除く)
6 野菜
7 木材、樹皮、木製品
8 中古農林業機械
ただし、これらの植物及び植物生産物等は、次の項目を満たしていることが必要です。
付属書2に記載されている有害生物に汚染されていないこと。及び、
付属書7に記載されている特別な条件(輸出国における栽培地検査や消毒等)を満たしていること。
なお、植物検疫証明書は出国する日の14日前までに発行される必要があります。
3. 特別な条件(栽培地における検査や消毒等)を満たす必要があるもの
以下に主なものを記載。
詳細は、付属書7及び緊急措置(英語)をご確認ください。
1 栽培用植物
2 種子:トウモロコシ、トウガラシ、トマトなど
3 切花:キク属、ナデシコ属など
4 果実:サクランボ、ナシ属、リンゴ属、
カンキツ属(EU加盟国向け日本産カンキツ生果実の輸出検疫条件の概要(PDF : 288KB))
5 野菜:ナス属(ナス、トマト等)、トウガラシ属、トウモロコシ、アスパラガスなど
6 針葉樹及び一部の広葉樹の木材(表面に自然な丸みを保持しないものを含む)、樹皮など
7 中古農林業機械
4. 保護区域に関する要件
上記の他、特定の保護区域への輸出にあたっては、付属書3、9、10及び12を満たす必要があります。
該当する保護区域並びに植物及び植物生産物等の詳細は、付属書3、9、10及び12をご確認ください。
付属書3:保護区域の検疫有害生物
付属書9:特定の保護区域への輸入が禁止されている植物及び植物生産物等
付属書10:特別な条件を満たすことで、特定の保護区域への輸入が認められる植物及び植物生産物等
付属書12:特定の保護区域への輸入に植物検疫証明書の添付を必要とする植物及び植物生産物等
最新の検疫情報
- ツマジロクサヨトウの緊急措置について
EUは、ツマジロクサヨトウに対する緊急措置について、委員会実施決定(EU)2018/638に代わり、委員会実施規則(EU)2023/1134を施行しました。
委員会実施規則(EU)2023/1134は2023年7月1日より段階的に適用され、委員会実施決定(EU)2018/638にて緊急措置の対象とされたトウガラシ属及びナス生果実、トウモロコシ生植物(花粉、種子等を除く)等に加え、2023年9月1日よりアスパラガス生植物(全栽培期間中土壌で覆われた茎、花粉、種子等を除く)が緊急措置の対象に追加されます。
- Tomato brown rugose fruit virus (ToBRFV)の緊急措置について(2023年7月更新)
EUは、Tomato brown rugose fruit virus (ToBRFV) に対する緊急措置について、委員会実施規則(EU)2020/1191に代わり、委員会実施規則(EU)2023/1032を施行しました。
現行の緊急措置である委員会実施規則 (EU) 2020/1191は2023年8月31日まで適用され、2023年9月1日からは委員会実施規則(EU)2023/1032が適用されます。
なお、緊急措置の対象及び内容は委員会実施規則(EU)2020/1191と同様ですが、検定に用いる試料のサンプリング方法が変更されます。
〇対象
トマト及びトウガラシ属の種子
〇措置の内容
- 対象となる種子の母本植物は、適切な時期に行われた公的な検査に基づき、ToBRFVの発生が確認されていないことが判明している生産地において生産されたものであること(2020年8月15日より前に収穫された種子については免除)。
- 対象となる種子又はその母本植物は、ToBRFVの公式なサンプリングに基づく検定を実施し、その検定の結果に基づきToBRFVに感染していないことが確認されたものであること。
- 母本植物の生産地のトレーサビリティを確保する情報が、植物検疫証明書に記載されていること。
- カンキツ類生果実の輸出に関する情報
EU向けカンキツ類生果実については、カンキツの種類を問わず、カンキツかいよう病菌への処理として、
果実の表面殺菌を行い輸出しているところです。
今般、カンキツかいよう病への強い抵抗性を有する「ゆず」に限り、植物防疫官による生産園地及び周辺地域での
収穫前の検査により、カンキツかいよう病の発生が確認されなかった場合、当該園地で生産された「ゆず」生果実
の表面殺菌を省略できるようになりました。
EU加盟国向け日本産カンキツ生果実の輸出検疫条件の概要(PDF : 288KB)
EU向けにカンキツ類生果実を輸出するためには、委員会実施規則(EU)2019/2072に基づき、生産園地にミカンバエが発生していないことをトラップ調査及び生果実調査で確認しています。
今般、前年度の調査等でミカンバエの発生が確認されなかった園地について、栽培中にミカンバエに対して有効な防除等を実施することで、トラップ調査及び生果実調査の一部を簡略化できるようになりました。
- マメコガネ、ナンヨウキクイムシ、クワカミキリの発生調査に関する情報
委員会実施規則(EU)2021/2285による、「委員会実施規則(EU)2019/2072」の一部改正により、培養資材を使用して輸出する栽培用植物、栽培用のアキニレ等のナンヨウキクイムシ寄主植物、栽培用のトウカエデ等のクワカミキリ寄主植物については、適切な時期に発生調査を実施する必要があります。
発生調査の詳細については別紙を、対象となる寄主植物については別表1、2をご参照ください。
別紙:栽培用植物の追加となる輸出検疫手続き(PDF:346KB)
別表1、2:ナンヨウキクイムシ、クワカミキリの寄主植物(PDF:184KB)
- Xylella fastidiosaの緊急措置について(2021年10月更新)
EUは、委員会実施規則(EU)2021/1201により、Xylella fastidiosaの未発生国(日本を含む第三国)に対して、以下の措置を要求しています。
〇措置の内容
- 第三国は所定の要件を満たした上で、当該有害生物が存在しない旨を欧州委員会に書面で通知していること。
- 植物検疫証明書に当該有害生物が国内に存在しない旨を追記すること。
- 6種類の栽培用植物(*)(種子を除く)については、栽培地検査及び所定の調査方法によるサンプリングを行い、委員会実施規則(EU2021/1201)の付属書4に規定された検定方法による検定が必要。
- 上記3に記載された植物以外の宿主植物について、栽培地検査及びリスクに応じて 委員会実施規則(EU2021/1201)の付属書4に規定された検定方法による検定が必要。
*コーヒーノキ属(Coffea sp.)、キレハラベンダー(Lavandula dentata L.)、キョウチクトウ(Nerium oleander L.)、オリーブ(Olea europaea L.) 、Polygala myrtifolia L. 、アーモンド(Prunus dulcis (Mill.) D.A. Webb)
- 中古農林業機械の輸出に関する情報
EU向けにトラクター、コンバイン等の中古農林業機械を輸出する際には、清掃され、土壌等の付着がない旨、記載した植物検疫証明書の添付が必要となります。中古農林業機械について植物検疫証明書の取得を希望される方は、「輸出検査実施要領」に従い、輸出手続きをお願いします。
詳しくは、中古農林業機械の輸出についてをご確認ください。
規則原文
備考
注意事項
掲載している情報等は、可能な限り最新の情報に基づくよう留意しておりますが、変更されている場合があります。
なお、植物検疫の他に、種苗法による輸出制限、ワシントン条約やそれぞれの国の他の法令等により輸出入が制限される場合がありますので、ご留意下さい。