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中国四国農政局

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    令和5年度 高知県管内「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」各選定地区のご紹介

      農林水産省及び内閣官房は「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」として、農山漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより地域の活性化、所得向上に取り組んでいる優良な事例を選定し、全国への発信を通じて他地域へ横展開を図っています。令和5年度は第10回選定として、29地区が選定され、このうち高知県内からは「大月町備長炭生産組合」が優秀賞(コミュニティ・地産地消部門)と特別賞(山の神賞)を、「特定非営利活動法人NPO砂浜美術館」が特別賞(農泊賞)を受賞されましたのでご紹介します。

    【優秀賞・特別賞】大月町備長炭生産組合(コミュニティ・地産地消部門、山の神賞)



    植樹祭の様子
    (写真提供:大月町備長炭生産組合)


    岸田首相に事業説明する中田事務局長

    地域資源の有効活用の取組を開始
     大月町備長炭生産組合は、平成22年に地域に分布するウバメガシの有効利用に着目し、最も収益性の高い産業として、備長炭製炭業を位置付け、振興させることを目指し設立されました。
     伐る人・焼く人・売る人の分業制を唱え、生産者の育成、10基の炭窯の整備や原木確保のための山林契約、山師の確保などを行い、品質の高い備長炭は販売も順調に進みました。その成果もあり、近年は平均約5,700万円(平成30年度~令和4年度)の売上げを維持しています。

    資源循環利用による持続的産業を目指して
     貴重な資源であるウバメガシを将来に残すため、(1)循環利用可能な「山づくり」、(2)どんぐりを拾って育てる「苗木づくり」、(3)育てた苗木を植栽する「植樹祭」、(4)小学校での「製炭学習」等の「人と自然の共生社会づくり」にも力を入れています。特に毎年開催している植樹祭では、関係機関と共に地元の小中高生に対する森林環境教育を継続的に開催しています。
     同組合は、資源循環利用のための活動を付加価値として備長炭の価格向上につなげ、備長炭生産者や原木の伐採を担う森林組合・自伐林家の所得向上に貢献すると共に、これらの取組を加速させ、備長炭製炭業以外の様々な分野へ波及を目指しています。

    大月町備長炭生産組合 中田事務局長のコメント
     今回の受賞、本当にありがとうございます。
     大月町にこの製炭業を定着させると同時に、『永らえる産業』を目標としてコツコツと積み重ねてきた活動が、このように評価されてとても光栄です。今後も、謙虚な気持ちと学び続ける姿勢を忘れずにこの取り組みを継続していきます。 

    大月町備長炭生産組合の取組事例(PDF : 834KB)

    【特別賞】特定非営利活動法人NPO砂浜美術館(農泊賞)



    Tシャツアート展の様子(写真提供:砂浜美術館)


    岸田首相に事業説明する村上代表

    アート・スポーツ・防災×農山漁村で活力を
     黒潮町の特定非営利活動法人NPO砂浜美術館は、平成元年に長さ4kmの砂浜を美術館に見立てたアートイベントの開催をきっかけに設立し、平成15年にNPO法人化しました。Tシャツアート展の運営には町外ボランティアスタッフを受入れ、スタッフの宿泊・食事の提供を中山間の地域住民が運営する集落活動センターへ依頼し、地元住民との交流を行っています。
     また、スポーツ施設を活用し年間を通じた合宿・大会の開催や、来町チームの宿泊・お弁当等を砂浜美術館が一括して集落活動センター等へ発注しています。さらに、漁村でかつおのたたきづくり体験や、海の恵みと脅威を知り「人と自然のつきあい方」を学ぶ防災学習プログラムを開発し、中高生の教育旅行の受入れも行っています。砂浜美術館は、新しい地域の価値を生み出し、農山漁村との接点を構築することで地域内の食材や資源を積極的に活用する等、新しい経済のつながりを構築し地域が活性化する取組に今後も挑戦していくこととしています。

    砂浜美術館 村上代表のコメント
     今回の受賞ありがとうございました。​
     黒潮町に訪れた方々と農山漁村をつなぐ取組をつくり「また訪れたい」と思っていただける魅力を、地域の多様な分野の方々とともに作っていきたいです。
    ​​

    特定非営利活動法人NPO砂浜美術館の取組事例(PDF : 481KB)


    令和5年度中国四国農政局「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」選定地区

     ディスカバー農山漁村(むら)の宝に応募のあった事例の中には、全国選定となった団体以外にも優れた取組があることから、中国四国地区独自の特徴ある優れた取組を「中国四国農政局『ディスカバー農山漁村(むら)の宝』」として選定しており、高知県内からは「農村交流施設「森の巣箱」運営委員会」と「井上ワイナリー株式会社」が選定されました。また、今後の活躍が期待できる取組を奨励賞として高知県内から「一般社団法人エンジェルガーデン南国」、「株式会社大宮産業」、「明るい柳野を創る会」、「株式会社とおわ」が選定されました。

    農村交流施設「森の巣箱」運営委員会(選定地区)


    農村交流施設「森の巣箱」大﨑施設長


    意見交換の様子

     農村交流施設「森の巣箱」運営委員会は、林業の衰退や子供の減少による小・中学校の廃校等で文化の灯が消え寂しさと不安が募るなか、「このままでは集落が消滅してしまう!このままで終わりたくない」と地域住民全員が自分たちの生活と暮らしを守る集落の存続を希望し、廃校舎を活用した集落コンビニ、居酒屋、宿泊施設を整備しました。

      近年では、コロナ禍前の年間600名程度の宿泊客まで回復したことにより、補助金に頼らない集落運営を行うなど、安心して暮らす事のできる集落づくりに取り組んでいます。

     大﨑施設長は、「今後は、農村交流施設「森の巣箱」のある床鍋集落と同じような課題を抱えている地域と連携し、地域団体や行政を交えた意見交換や各活動の支援を行うことにより、共に地域の未来を創造していきたい。」と話されており、更なる地域活性化に取り組むとしています。に取り組んでいます。

    農村交流施設「森の巣箱」運営委員会の取組事例(PDF : 421KB)






    井上ワイナリー株式会社(選定地区)


    井上社長(右)への選定証の授与


    井上ワイナリー株式会社の皆様

     井上ワイナリー(株)は、高知の気候・風土に適したぶどう品種を選定し、「耕作放棄地の活用、地域の活性化、雇用の創出」を目指し、県内7市町の自社農場でぶどうを栽培し、ワインをつくっています。

     集落活動センターを拠点として、地域の老人クラブの方々を雇用したり、地元の高校生に収穫やラベル作りの協力をいただくなど、持続可能な地域の活性化に取り組んでいます。

     井上社長は、「今回の受賞を機に、当社の取組が広く発信されることがありがたい。次は地域の産品を持ち寄った「ワインフェス」を企画したい。いかに地域を巻き込んだ活動としていくか、当社が出来る事に取り組んでいきたい。」と話されていました。

     私たちは郷土愛いっぱいのワインを頂くことで、活動を応援していきます!

    井上ワイナリー株式会社の取組事例(PDF : 716KB)

    【関連リンク】
    井上ワイナリー株式会社  ホームページ
    https://www.tosawine.com(外部リンク)




    一般社団法人エンジェルガーデン南国(奨励賞)


    西川代表理事(右)へ奨励賞の授与


    (一社)エンジェルガーデン南国の皆様

     一般社団法人エンジェルガーデン南国は、西川代表の前職が特別支援学校の教諭であったことから、障がい者と共に働ける場を作りたいとの思いで「就労継続支援B型」事業所を立ち上げ、有機JAS認証農園において農福連携で自然栽培したグアバなどを自社で加工、卸販売されています。

     「働きがいのある人間らしい仕事」の実現を目指し、持続可能で環境に負荷をかけない栽培方法で栽培し、有機グアバの葉や果実、果皮、種や枝まで余すことなく活用しています。また、農福連携への理解を深めてもらうため、県内の様々な福祉事業所や障がい者雇用をしている農園と連携した商品づくりも行っています。

     「最初はグアバを自分が育てるという感じでしたが、今は自分たちが育てられている、植物から自然から大切なことを学んでいる」という西川代表の言葉が強く心に残りました。自然のサイクルに逆らうことなく、また、農業×福祉で新たな道を切り開いていく活動のさらなる発展が期待されます。

    一般社団法人エンジェルガーデン南国の取組事例(PDF : 737KB)

    【関連リンク】
    (一社)エンジェルガーデン南国  南国にしがわ農園  ホームページ
    https://www.nishigawa-nouen.com/(外部リンク)




    株式会社大宮産業(奨励賞)


    尾﨑代表取締役社長(右)、竹葉取締役副社長(左)


    意見交換の様子

     株式会社大宮産業は、生活の拠点であった店舗・燃料施設が廃止されたことにより、地域住民が株主となり平成18年に「(株)大宮産業」を設立し、生活必需品の販売や給油所の運営を開始しました。

      灯油や生活用品等の配達に合わせて独居高齢者の見守りや、移動手段がなく買い物が困難な高齢者には月1回自宅から(株)大宮産業までの無料送迎を行うなど、地域住民の暮らしのサポートをしています。

     尾﨑代表取締役社長は、「今後も、大宮米の認知度向上や販路拡大に取り組むとともに、人口減少に負けることなく、地域住民のために頑張っていきたい。」と話されており、更なる地域活性化に取り組むとしています。

    株式会社大宮産業の取組事例(PDF : 285KB)




    「明るい柳野を創る会」(奨励賞)


    明るい柳野を創る会の皆様


    意見交換の様子

     明るい柳野を創る会は、柳野地区の実態調査を機に、地域の人々が抱える課題を踏まえ、地域で集まる場や機会を増やし、高齢者にもできる農業や収入確保等のため、平成8年に結成しました。

     その後、活動拠点となる「ふれあいの里柳野」を整備し、農産物の販売・軽食の提供・地元企業や各種団体とも連携したイベントや体験活動の受け入れなど様々な取組を行っています。なかでも、昨年改修した、食品衛生法に対応した加工場は、特産品であるイタドリの加工作業を中心に、地域住民の活躍の場となっています。

     また、移住者対策にも力を入れて取り組んだ結果、他の地域に比べ高齢化率が低くなってきているといった効果も表れており、同じ課題を抱える地域のロールモデルとなるべく、さらなる発展を期待しています。

    明るい柳野を創る会の取組事例(PDF : 801KB)

    【関連リンク】
    ふれあいの里柳野  ホームページ
    https://yanagino.studio.site/(外部リンク)



    「株式会社とおわ」(奨励賞)


     中野代表取締役(右)、刈谷取締役(左)


    意見交換の様子

     株式会社とおわは、「まあるくつながる四万十で」の会社コンセプトのもと、地域の若者を積極的に雇用しながら、十和おかみさん市と連携し、郷土料理が10~15種類並ぶバイキングを「道の駅   四万十とおわ」で行っています。その取組を続けていくことが地域の雇用を生み出し、食材として野菜を買い取ることで一次産業の継続を図っています。また、四万十の食文化を継承していくため、道の駅スタッフも一緒に調理を行い、郷土料理レシピの書きおこしなど、次世代につないでいく取組を行っています。

      同社の中野代表取締役は、「作成中の郷土料理レシピを完成させ、おばちゃんたちの技術を残したい。また、おばちゃんたちが主役となる取組を行いたい。」と話されており、更なる地域活性化に取り組むとしています。 

    株式会社とおわの取組事例(PDF : 395KB)

    【関連リンク】
    (株)とおわが運営する「道の駅   四万十とおわ」ホームページ
       https://toowashimanto.jp/(外部リンク)




    高知県管内「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」応募団体・選定地区のご紹介

    お問合せ先

    高知県拠点

    ダイヤルイン:088-875-7236
    FAX番号:088-872-7531