川鶴酒造株式会社(香川県)「地元産米にこだわった日本酒をアメリカ、中国、シンガポール等へ輸出」
令和2年度取組事例
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事業者の概要
- 所在地:香川県観音寺市本大町836番地
- 代表者:代表取締役 川人 裕一郎
- 輸出品目:日本酒、リキュール
- 輸出先国:アメリカ、中国、シンガポール等 18ヵ国
- 事業概要:1891年創業。原料米の7割は地元産(香川県観音寺市をはじめとする県内産)を使用。原料となる米の生産を社員自ら行うことや、杜氏に頼らない社員全員醸造を掲げ酒造りに取り組む体制に移行し、日々新たな酒造りを目指している。
輸出の取組内容
- 2010年から輸出を開始し、現在はアメリカ、中国、シンガポールを中心に18ヵ国へ輸出。日本酒とリキュールの輸出比率は約9:1。
- 海外では「SAKE」と表現されているが、特にワイン造りの盛んな国では、日本酒は「ライスワイン」とも呼ばれ、ワインの仲間であるとの認識をされていることから、ワイン造りで重要な自然環境要因(土壌、気候等)すなわちテロワールの概念を意識しつつ、地元の風土や食文化、気候に適した日本酒造りに特化し、一つ一つの商品背景を丁寧に伝えることの重要性を認識しながら販売に繋げている。
取組経緯
- 日本酒の良さを世界中の人々に知って欲しい、次世代で日本酒の輸出がビジネスとして花開くきっかけとなって欲しいという想いから、JETROや香川県の協力を得て、2010年、イギリスへ輸出を開始した。
- 国際的な食品展示会であるドイツの「アヌーガ」、フランスの「シアル」等海外展示会への出展により、販路拡大を行う。
課題と対応方法
- 現地でのニーズ把握
輸出の全てを商社等に任せてしまうと、輸出した商品の飲食店や購入者の意見等の情報把握が困難になることから、自ら現地へ出向き、把握した情報を酒造りに反映させる。 - 品質確保のための対応
海上輸送時に直射日光がコンテナに当たると、コンテナ内の温度が70℃以上になり品質が劣化するため、コストはかかるが冷蔵コンテナによる輸出を行う。 - 国により異なる酒類区分への対応
アルコール度数による酒類区分は各国で異なることから、それに応じた商品を選定若しくは開発し、輸出する。
実績
- 輸出量
2020年:※9,200リットル、2021年:21,564リットル、2022年:22,851リットル
(※輸出量の減少は、新型コロナウイルスの影響による。) - 輸出国割合
アメリカ:30%、中国:18%、シンガポール:7%、その他:45%
今後の事業展開
- 将来的には、自然農法も取り入れながら原料米は香川県産に重点を置き、安全・安心かつ地域に根差した酒造りを行い、耕作放棄地の解消にも貢献しつつ輸出拡大につなげる。
- 海外に酒蔵が増えており、日本酒が現地生産される時代になると予想されることから、今後は現地生産する酒造りにも携わり、日本酒の価値の向上を図る。
- 輸出先国のニーズや多品種小ロットにフレキシブルに対応できる生産設備の改修や導入を行い、現在の売上高に占める輸出額比率16%から20%を目指す。
印刷用
川鶴酒造株式会社(香川県)「地元産米にこだわった日本酒をアメリカ、中国、シンガポール等へ輸出」(PDF : 509KB)
お問合せ先
経営・事業支援部 輸出促進課
代表:086-224-4511(内線2668, 2159)
ダイヤルイン:086-230-4258