株式会社熟豊ファーム(島根県)「持続可能な畜産業の構築を目指した取組強化と輸出の拡大」
令和5年度取組事例
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事業者の概要
- 所在地:島根県雲南市大東町下佐世1405番地6
- 代表者:代表取締役 石飛 修平
- 主な品目:牛肉(経産牛)
- 主な輸出先国・地域:シンガポール、香港、東南アジアやEU地域等16カ国。
- 事業概要:廃用牛として扱われる経産牛を持続可能な畜産とアニマル・ウェルフェアに配慮しながら再肥育し、テーブルミートに昇華させ、国内の食肉卸売業者を通じて輸出。
輸出の取組内容
- ビタミン・ミネラル等経産牛に必要な栄養素を与え、牛一頭一頭に合わせた給餌と個体管理を徹底した肥育によって母牛の和牛としての潜在価値を引き出すことで肉質平均3~4等級の牛肉生産が可能になり、多種多様なニーズに対応。
- 京都の食肉卸売業者を介し、「サステナブル和牛熟」として、毎月約40頭~50頭を東南アジア、EU地域向け等16カ国へ輸出。
- 牛舎では海外で浸透するアニマル・ウェルフェアの観点により飼育スペースに2~3頭を肥育。また、脂肪酸カルシウム飼料給与による温室効果ガス削減、地域から集めた食品製造副産物の飼料や床材への活用、建材から出る鋸屑・鉋屑の床材への利用など徹底したSDGsへの取り組みを輸出商談会・Web商談会のPRポイントとしており、海外からの視察も増加。
取組経緯
- 令和2年の新型コロナウイルスの発生で国内の需要が激減し、新たな販路開拓のため輸出を開始した。
京都府の食肉卸売業者と取引が始まり、双方の価値観や狙いが一致したことで本格的に輸出が始まった。
課題と対応方法
- 国内での経産牛の価値観
市場での経産牛の価値観は低く、加工肉やミンチが殆どであったが、牛一頭一頭の経歴や個体管理を徹底分析し給餌量等を調整することで、テーブルミートとして国内販売・海外輸出できる牛肉を生産。 - 輸出量の拡大と牛肉の品質向上
海外で日本の経産牛の関心は低く、自社の経産牛はテーブルミートへの昇華の過程でアニマルフレンドリーな飼育や様々なサステナブルの取組みが高評価され、実際の試食でも肉質・肉の旨味が好評を得て、徐々に「牛肉」として引合いが高まり取引量が増加。
実績
- 輸出屠畜頭数
2020年:58頭、2021年:190頭、2022年:319頭 - 輸出国・地域割合
東南アジア地域:56%、EU地域:39%、イギリス:3%、その他:2%
今後の事業展開
- 今後、更に飼育数を増やし、毎月の出荷頭数を約80頭まで引き上げる。今年度はハラル輸出を開始し、ハラル圏域への輸出頭数を増やしていく。
- 有機飼料の栽培及び食品製造副産物を利用したTMR(完全混合飼料)製造に取組むなど次世代へ続く持続可能な畜産業の発展を目指す。
印刷用
株式会社熟豊ファーム(島根県)「持続可能な畜産業の構築を目指した取組強化と輸出の拡大」(PDF : 485KB)
お問合せ先
経営・事業支援部 輸出促進課
代表:086-224-4511(内線2668, 2159)
ダイヤルイン:086-230-4258