このページの本文へ移動

北海道農政事務所

メニュー

農協の女性役員登用推進に向けた座談会 in 芽室

~それぞれの思い、
考えを語る~
   芽室町農協では、「第5次男女共同参画基本計画」(令和2年12月25日閣議決定。)において、農業委員、農業協同組合の役員及び土地改良区の理事に占める女性の割合に関する成果目標が定められたことなどから、女性農業者には農協の正組合員となり自分の意見を言える権利をしっかり持ち、農協運営にも参加して欲しいとの思いで、女性の役員登用に向けて数年前から取り組んでいます。
   しかしながら、取組を進めていくと、組合員によく伝わっていないなどの課題が浮き彫りとなり、芽室町農協が目指す女性の役員登用は、未だ道半ばという状況です。
   そこで、芽室町農協の女性の役員登用について、地域社会学が専門である札幌学院大学法学部の小内教授に進行をお願いし、女性農業者3名と芽室町農協役員とで、それぞれの立場からの考えで意見交換していただきました。

集合写真

日時:令和5年2月24日(金曜日)
場所:芽室町農協会議室
鈴木由加
鈴木 由加 氏
(すずき ゆか)
鈴木農場
経営面積43ha、ばれいしょ、かぼちゃ、ごぼうを生産。鈴木農場で採れた野菜や地元の野菜を使った農産物加工工房「すずきっちん」を経営。
昭和62年   結婚を機に就農
平成13年   すずきっちんを設立
平成18年~北海道女性農業者倶楽部
平成20年~マンマのネットワーク企画部長
平成23年   北海道指導農業士認定
平成24年   日本農山漁村女性実践専門官
  令和4年   北海道農業・農村振興審議委員
高野功恵
高野 功恵 氏
(たかの のりえ)
十勝めむろ 高野農場
経営面積42ha、小麦やてん菜、種子ばれいしょ、スイートコーン、長いも、かぼちゃを生産。コロナ禍前には10年間、十勝で大阪の高校生(修学旅行生)を年間4回ほど農家民泊で受け入れ。
昭和62年   結婚を機に就農
平成23年   北海道指導農業士認定
平成31年~令和4年   正組合員で総代の経験あり
令和元年~令和4年   芽室町指導農業士・農業士会会長
小山美佳
小山 美佳 氏
(こやま みか)
小山農場
経営面積33ha、小麦や小豆、ばれいしょ、ごぼうを生産。「おいしい野菜、健康になる野菜を作りたい」という共通の思いで集まった18軒の農家で「なまら十勝野」を結成、メンバー全員がJGAP認証を取得。
平成13年   結婚を機に就農
平成24年   北海道指導農業士認定
平成24年~25年    芽室町農協フレッシュミズ副会長
道場琢也
道場 琢也 氏
(みちば たくや)
芽室町農協常務理事
平成30年   芽室町農協参事
  令和3年   芽室町農協常務理事
小内純子
小内 純子 氏
(おない じゅんこ)
札幌学院大学法学部教授
専門:地域社会学
  平成4年   札幌学院大学社会情報学部教授
平成29年   札幌学院大学法学部部教授
 

以下、敬称略

 
小内
   第5次男女共同参画基本計画においては、地域における男女共同参画の推進に向けた成果目標が掲げられました。農業部門における女性の参画を進めるため、2025年度までに農業委員に占める女性の割合を30%、農協役員では理事と監事含め15%と掲げられています。全国的にもまだまだ目標に届かない状況にありますが、中でも北海道は全国に比べて、女性の役員登用は進んでおらず、農協役員のうち女性の割合は全国9.3%に対して、北海道は1.8%という状況です。
小内   現在、道内の各農協で、段階を踏んだ役員登用などの取組を少しずつ進めているようですが、芽室町農協でも、積極的に進められていると伺いました。今回、お越しいただいた3名の女性農業者の方は、指導農業士や総代を経験しており、少しずつ段階を踏んでいるのかなという印象を持っています。
   はじめに、3名の方に、農業経営や役員に対する考え方についてお話いただき、その後、道場常務理事から芽室町農協の女性参画を進める上での取組についてご説明いただければと思います。
 
小山
小山   サラリーマン家庭から嫁ぎ、結婚して21年経ちます。初めのうちは農業の仕事は全然楽しくありませんでした。7年前に「おいしい野菜、健康になる野菜を作りたい」という共通の思いで集まった18軒の農業者で「なまら十勝野」を設立しました。夫がなまら十勝野の代表を務めており、私もメンバーの1人です。芽室町以外に、清水町の方が1人おり、メンバー総勢30名(男性20名、女性10名)で活動しています。
   なまら十勝野では、スイートコーンやばれいしょ、小麦、てん菜、ごぼうなどのほか、ユリ根やパプリカなど様々な野菜作りにもチャレンジしています。また、農産物の生産や加工、販売、メンバーおすすめのレシピをSNS等で発信するなど、十勝から全国へ18軒の個性豊かな農業者たちがこだわりぬいた野菜を届けるため、活動は多岐に渡っています。7年前になまら十勝野が設立された頃から仕事が楽しくなってきて、自分の居場所ができたと感じました。
   女性の役員登用については、全く意識したことがなく、正直「何のこと?」という感じです。農協のことも意識したことがなく、なまら十勝野での活動を通じて、楽しく暮らしてきました。女性部には所属しています。 小山
 
鈴木
   私は結婚して36年が経ち、子育てを終えています。22年前に農産物加工施設「すずきっちん」を立ち上げました。農家としては、ばれいしょ、かぼちゃ、ごぼうなどを栽培しています。すずきっちんの商品は、農協が管理している「めむろファーマーズマーケット愛菜屋」での販売や「ホクレン くるるの杜」「北大マルシェ」「ハピオ木野」で販売しています。
   現在、私は総代を担っており、私の地区では総代を正組合員で順番に選出するという形を採っています。私自身、農協の役員に対してあまり興味がありませんでしたが、総代会には勉強も兼ねて参加し、「総代会はこういうものなんだ!」と思った記憶があります。
   私は、農協の女性部に加入していないため、女性の役員登用については、昨年くらいから耳にするようなりました。今まで、女性部と組合長との懇談会などで女性の役員登用について話し合われてきたようですが、昨年、初めて女性部に限らない、女性農業者との懇談会を開催していただき、私も参加して、「なぜ、今、女性から役員を登用するのですか?」など色々質問をしました。
   女性の正組合員を増やし、その後、総代を担っていただき、令和6年には女性役員の登用を図りたいという計画で行っていると聞きました。昨年においては、「女性役員を1名にしようか、3名にしようか」という話をされていました。
   芽室町は、大きく3つの地区に分けられています。各地区から役員(理事、監事)が選出されていますが、各地区から女性を1人ずつ選出したいという形で、大方決まったと伺いました。役員は、私たちとしても未知の世界ですし、このことで、農事組合長が頭を抱えていました。各地区の男性は役員の推薦委員を選出しなければならず、それは前年度の農事組合長が担うと伺いました。
   先月、芽室町農協が、本別町農協で理事を担っている女性農業者の講演会を開催してくださり、推薦委員の方たちは参加していたようです。
 
高野
   今回の講演会は、農協から各地区に行っているアンケートで女性から出された意見によるものです。女性から理事を登用するにも、女性理事経験者の話を聞かないと分からないこともたくさんあります。理事登用に関する資料などをいただいていましたが、果たして、その資料をどれくらいの人が目を通しているのか分かりません。
 
鈴木
   アンケートの取りまとめ結果は各家庭に送られてきており、色んな方から意見がありました。
 
高野
   各地区でどのように理解されているかがわかります。各地区で全然捉え方が違うということがわかります。「女性から理事を登用する」という一つの言葉でも、アンケートの中身で感情も入り、組合員全員に伝えるということがきちんとできていないと思います。
 
鈴木
   情報共有はまだまだ足りない感じがしました。私は昨年の道場常務理事との懇談会や先月の女性役員の講演会にも参加したため、農協が今行っている女性役員登用の働きかけなどは聞こえています。また、指導農業士会に参加すれば、先輩からも話を聞かされます。色んなところに顔を出すと、女性の役員の割合が少ないということで、常に女性役員登用の話が出てくるため、興味はありました。しかし、実際、芽室町での問題となった時に、誰がやればいいのかと考えたら、「私は嫌だ」と思いました。色んなことを考えました。できれば、若い女性農業者に担っていただきたいというのが本音です。
   恐らく、令和6年6月の役員改選期には、女性の誰かが役員を担っていると思っています。そういった体制ができ上がっていると思いますし、令和7年になれば、それが当たり前になっていると思います。 鈴木
   しかし、今、何もないところから始めようとしているため、みんなが混乱してしまい、それを地区に丸投げされて、地区で誰の名前を挙げればいいのかということが、すごく切ない状況になっていると思います。迂闊に「役員になってみれば!」とは言えないです。私個人の考えとしては、今の理事や監事の皆さんで話し合い、誰か担ってもらえる方にアプローチをかけるなど行わないと、どうにもならないと思っています。
   私の夫は「無理に女性を登用しなくてもいいのではないか」という意見で、私も、男性だけでうまくやっていたから、どうして女性が入らないといけないのかとは思います。しかし、国の方針があり、日本では女性役員の比率が余りにも低すぎるのもわかります。ただ、今まで、男性だけで役員を回してきたこの町で、例えば「私が出ます」となった時に、「あそこの嫁」がと言われるのが目に見えてわかります。今までも散々そういった経験を味わってきて、それを聞くときついです。起業するということでさえ、すごい反発がありました。だから、本当に女性から役員を選出することは厳しいと思います。しかし、芽室町農協は、女性役員を登用することに関して、今とても頑張っていると思います。
 
高野
   私は、サラリーマン家庭から嫁ぎ、結婚して35年になります。子育ては終えており、長男と次男が高野農場で一緒に仕事をしています。栽培しているものは、小麦やてん菜、種子ばれいしょ、スイートコーン、長いも、かぼちゃで、経営耕地面積は42haです。
   農村女性が交流を深めることなどを目的とした「十勝ファーミスカレッジ」が30年前に設立され、私は当会の1期生でした。また、「アグリミセス(食や農業に関心のある若い世代の女性の会)」にも所属したことから、これらの経験により、女性農業者というものを知りました。家にいるだけでは、農業のことについて何の話をしているのかもわかりません。私は農業とは関係のない家庭から嫁いできたため、それが苦しかったです。家族の一員になりたいがために「アグリミセス」と「ファーミス」に加入し、同じ農業を営んでいる女性で交流を図ってきました。どちらも、今の私の原点ともいえる会です。これらの経験があったことが、現在、私が指導農業士を行っている理由の1つです。
   そして、6次産業化など、女性が何かを取り組むことについて、女性自身の気持ちに加え、周りのサポートがあればできるということが分かっていましたが、私には何ができるかと考えた時に、私は自分の家を守るというか、自分が生業にしていることにしっかり目を向けていこうと考えました。子供が3人いたため、子育てもしっかりやっていかなければいけないという気持ちが強くありました。しかし、「アグリミセス」や「ファーミス」という組織の存在があったからこそ、時には仲間と会話ができ、勉強ができたことが今の自分自身にとってとても大きなことで、私が指導農業士を行うことができ、今この座談会にも立てているのだと思っています。
   これらが今できるのは、これまで35年間重ねてきたものがあり、家族の一員になりたいという気持ちがあったからだとも思っており、今の若い人たちはどうなのかなと思った時に、家族が世帯を分けて生活することが多くなってきており、私たちの世代とは全然違います。
   女性の活躍という点についても、それぞれの家の中での活躍と、また農業者としての活躍など、「何が活躍?」とも思っています。「活躍」は、皆それぞれがしてないわけじゃないです。それぞれの評価が違うだけで、自分が行っていること、頑張っていることと思えば、それも活躍だと思いますし、国が男女共同参画のことを掲げたことについて、自分たちも情報として持っており、これから一歩前に進んでいかなきゃいけないなとも思い、活動しています。
   私は前回、総代を担っていました。その頃、農協が「女性の総代を30人入れましょう」ということで、各地区では「各地区から女性を2~3名出してください」となりました。私たちの地区は、女性農業者が30~40人いますが、2人しか出せませんでした。総代というのは、経営者を育てる研修の場でもあると思っています。そのため、女性も参画し、勉強していかなければいけませんが、「経営者として、高野農場を確立していかなきゃならない」「跡継ぎを育てなきゃいけない」と夫に言われ、そうだなと思い、「お母さんは辞めます。」と言って、息子に譲りました。
高野   私の地区では、自分の子供たちが総代となり、女性の総代が少なくなってしまいました。私自身が色々な情報を持っている理由は、夫が9年間3期、理事を担っていたからです。夫は守秘義務のあることは話しませんが、話せる範囲で教えてくれていたため、本当にありがたく、分からないことは夫に質問できました。質問できないことは、「アグリミセス」に参加した時に聞いていました。 現在、理事の話について、それぞれの農事組合の代表者を集めて、皆が同じことを聞いているはずなのに、地区によっては、女性にしっかり伝わっていません。素人に丸投げの感じがします。
   農協側は今まで話を聞いているはずなのに、私たち女性部に農協理事の話を始めたのが2年目。理事の話をされた時に女性部の役員が、今の理事会を傍聴できるようにしてもらいました。メモなどは取れませんが、傍聴だけはできるということで、青年部も始めたようです。
 
鈴木
   先日、本別町農協の女性役員の講演会に参加した時に、農協役員のハードルを結構下げてくれた感じがしました。今できることから始めること、そして彼女は本別町の農業者のため、本別町農協のため、本別町のためという思いで役員を担っています。だから、必ずやらなきゃならないことはあるとは思っています。私が参加した懇談会では、道場常務も「僕も何も知りませんでした。でも、理事になってから一生懸命勉強しました。だから、何とか一緒に頑張りましょう」という話をしてくれました。
 
高野
   こういった新しい取組(女性の役員登用)が出てきた時に、各地区で農協の意図がはっきりと理解されていないまま、末端のグループに伝えようとしているため、それぞれの集落で全く話が変わっています。
   私と同じぐらいの世代の農業者で集まった時に色んな情報が入ります。いつ集落で話をしたか、どんな話をしたかと聞けば、女性の理事の説明はないのに、相談員を出してくださいとか。それは相談員ではなく、私に理事をやってほしいってことなのかみたいな話にもなっており、そういったことであれば、相談員はやりたくないという話にもなっています。しっかりとした説明がなく、相談員になれば、理事をやってほしいと言われるのではないかと、女性みんなが不安になっています。
   男性だけではなく、女性も入り、相談員はどういう仕事をして、どういう役割なのかをみんながしっかり理解をすることが重要だと思います。私の地区では、相談員は、意見を言えばいいということを理解していたので、1人の相談員を出せました。
 
小内
   相談員は女性なんですか?
 
道場
   相談員は女性です。
 
小内
   女性の役員登用について、道場常務理事から農協の取組を教えてください。
 
道場
   当農協には役員に関する審議会があり、数年前から女性の役員登用について協議を始めました。平成18年に農協法の改正があり、性別に偏らない、年齢に偏らない、あるいは員外から優秀な人も入れるような役員のあり方が示されたことにより、審議会でも話し合われました。
   女性農業者に対し、「農協の正組合員となり、自分の意見を言える権利をしっかり持ち、農協運営にも参加しましょう。その後、総代となり、ステップを踏んでいきましょう」というところからスタートしましたが、結局、農協運営にもっと大きく関わっていこうという農協の姿勢が女性側にしっかり伝わっていませんでした。総代についても、女性を各地区から何名選出してほしいという人数を出すことに終始した感があり、その先の目標を伝えきれていませんでした。役員は農業経営者がなるべきという意見もあり、女性役員登用論議は進みませんでした。
   年齢に偏らず、幅広くという部分では芽室町農協は問題はないと考えています。農協の運営に女性が関わっていくことについても、そろそろ踏み出さないといけないという中で、昨年「女性役員を次期改選時に出していきたい」との考えを示しました。
   芽室町農協の役員の決め方は、町内3地区での推薦制を採っています。各地区でそれぞれルールが違い、ルールを一律に出来ないという点があるため、地区ごとで話し合いましょうと呼びかけてきました。令和6年6月が役員改選であるため、令和5年6月くらいを目処に、定款や役員選任の方法を整理したいと思っています。現在、役員(理事)数は、川東地区で4名、川西地区で3名、川北地区で2名です。
   当初、農協としては、女性の理事1名以上の選出を目標と考えていましたが、女性農業者との懇談会の中で、「1人だけなんてことにはならない」「何人かで相談できる環境を作ってほしい」という声があり、「農協としては、次期役員改選で女性理事を各地区1名ずつ増やす形でどうでしょうか。そのため各地区で話し合いを行なってください」と提案をしている状況です。
   また、女性農業者向けに、女性の役員登用に関するアンケートを行い、その結果を発送しましたが、必ずしも女性の元に届いていないケースもあると聞いています。
 
高野
   夫から受け取っていないという人たちが随分います。見たことないと聞きます。
 
道場
   昨年から農事組合長に、「農事組合で話をしてください。その後、農事組合長が変わるため、女性理事の話を引き継いでいただき、どのように進めていくのか、年数をかけてやっていきましょう」と言っていますが、末端まで話が伝わっていない感じを受けます。
 
高野
   新旧の農事組合長が内容のバトンタッチができてないと思います。
 
道場
   農協の地区組織の弱さを別の面で痛感することになりましたが、現時点では女性の役員登用について、何も決まっていない状況です。
   アンケートにおいては、女性の6~7割が女性の役員登用について賛成という結果でした。しかし、賛成者の大半が男性の理解や家庭との両立などの問題を解決することが重要との声がありました。
   地区協議においては、農協の役員はオブザーバー的立場として参加しています。役員の選出については、地区の役員推薦会議で進めていくことであり、いずれも初めてのことであるため、女性の役員を選出する前提において、色んな仕組みが整っていないとの声があがっています。そのため、「一気に行っても難しいのではないか」という意見がある一方、「やるなら一気にやるべきだと思う。目指す姿を示したのだから、中間の部分は後でもいいと思っています。」という意見もあります。ただ、推薦となった時に、現在の推薦会議は男性だけで構成されており、その中で進めてしまってもいいのかという点があり、女性の意見を聞くべきであるため、それが女性相談員の役割となっています。 道場
   アンケートにおいても、役員の選出にあたっては、立候補、または推薦、あるいは外部委員などの色んな意見がありますが、芽室町農協では推薦制を採用しています。推薦委員に一任している形であり、今はどういう方法が良いか論議を行っているところです。固定観念として持っている女性の役割や無意識にそう思われているところを一度、これまでの考えなどを壊さないと、可能性や色んなことが生まれてこないと思っています。女性の役員登用の面では、農協は一番遅れている分野であると自覚し、組合長や役員とは、芽室町に決して人材がいないわけじゃなく、あとはいかに前に進めていくかどうかであると話をしています。
 
小内
   本州の方では、役員について女性枠を設けているところも結構あるようです。
 
鈴木
   女性枠を作ることには反発もあります。
 
高野
   女性役員が1人だと大変だと思います。何年か経過して、女性の役員が当たり前になれば、枠を外せばいいと思います。
 
小内
   下手をすれば、枠を作って終わりみたいなところもあります。例えば、2枠を作れば、それで良いみたいな状況で終わる感じです。
 
鈴木
   今回、芽室町農協として、女性役員を3人登用したいと言われていますが、いずれは男性、女性の役員を半々ぐらいの割合にしていきたいと、農協から訴えかけてくれれば、みんながもっと柔軟に考えられるようになるのかと感じています。農協からも「女性の意見をしっかり取り入れましょう」と言ってもらえれば、すごく嬉しいですし、女性役員を3人にこだわる必要はないと思っています。
 
小内
   理事会に女性がいることで、雰囲気も変わり、「女性はなかなかやるじゃないか」と思わせるぐらいになっていくと、枠を無くしても、枠以外から女性が参画していく地区もあります。そのため、最初は男性が多い会議でも、ただ黙っているだけではなく、きちんと自分の意見が言える人を送り込まないといけないですが、女性が入っても大丈夫という雰囲気が出来てきてから、段階を踏んで、枠を外していくことも大事かなと思っています。
 
鈴木
   指導農業士会もそうです。役員の女性枠があり、副会長と理事で女性枠がありますが、現在、当たり前の様に地域から女性が推薦され、理事として上がっていきます。現在かなり女性の比率が増えてきています。新会長も女性です。
   そう考えれば、これからは女性枠と言わなくてもいいかもしれないし、先日、女性向けの研修会が行われましたが、「女性のためというのは無くしましょう」という声もあがっています。女性自身が頑張っている姿が見えてくると、組織もしっかり認めてくれると思いますが、例えば会社員でもそうかと思いますが、ただ社会の中で女性が男性と同じように管理職になっていこうと思う時に、恐らく、男性の倍くらい頑張らないと、認めてもらえないという話を何度も聞いています。だから厳しいだろうなとも思っています。
   そのため、今回の様に、ざっくばらんに話せる機会がもっとたくさんの人にあれば、もう少しわかってもらえると思っています。先日、地区で「推薦人の女性の相談員を出してほしい」と言われた時に、農協に来ていただき、道場常務が本日言ってくれたような今までの経緯を伝えてくれてば、本当はもっとわかりやすかったのかなと思います。男性が推薦委員で、女性を相談員ということなど。
 
道場
   今まで役員の決め方は、各地区のルールに則り行っていました。しかし、先ほどの意見でもあったように決め方は後付けでできることであると思っており、とりあえず、今は各地区で話し合ってほしいということを伝えています。
 
高野
   この際、直接、地区の話し合いに女性にも入ってもらった方が良いと思います。段階ごとで、話が変わっており、男性が積極的であり、しっかり考えられる人じゃないと、末端のグループまで説明が伝わってきません。私が知っている女性だけのグループでは、「どうする?なんかこんなこと言っていて、はっきりわかんないんだけどね」という話も出ています。本当に女性側はみんな不安です。未知の世界が不安です。
 
小内
   情報も中々伝わらない中で、農協などから届く文書などは、夫名で届くのではないでしょうか。全員ではないかもしれませんが、女性の正組合員もいます。とりあえず、重要な文書は組合員一人一人に出した方が良いと思っています。
 
鈴木
   夫宛に来た封書は開封できないです。せめて連名であれば、開封できると思っています。それって結構大きいことだと思います。
 
高野
   自分に来たら責任持ちますよね。何だろうって。
 
小内
   そういったことで、連絡(情報)が届くと思います。組合は個人で入っているものなので、各個人にしっかりと連絡(情報)が届くような仕組みが重要なポイントにもなるかと思います。
 
鈴木
   各個人宛てのものだと経費のことばかり考えてしまいますが、連名だったら良いかもしれませんね。
 
小内
   皆さんはまだ、色々と夫から情報が入ってくる立場にあると思いますが、そうじゃない方は本当にわからないですよね。何が起こっているか。
 
鈴木
   私たちの世代で、息子が経営者となっていて、文書などが息子宛てで届くという人たちは、自分には関係ないと言っています。
 
高野
   今回の女性役員登用の話を知らないという人が随分いました。農業は難しいですよね。家族がたくさんいて、棟が違うと、情報がその家族にしかいかないし、家族でしか話す人がいないので。
 
小内
   理事会を傍聴されたことはありますか?
 
高野
   私は女性部の役員ではないため、傍聴していません。令和3年度より女性部では役員だけが傍聴することができます。
 
小内
   傍聴できる参与制度を設けているところもあります。
 
鈴木
   芽室町農協には参与制度はないのですか?
 
道場
   参与制度はありません。参与制度導入の協議をした際、参与として経験値を上げるといった時に、参与になった方の経験値は上がります。しかし、その後、その方が理事になるということにならなければ、その経験値が生かせません。また、参与であれば、責任がないから良いと言われても、その後役員になるとすれば、選ぶハードルが高いことに変わりがないと思っています。
   役員審議会でも「参与から始めたらいいのではないか」という声もあり、また、そのように取組を始めている農協もあります。芽室町農協は、経験値を上げてもらうということであれば、女性に理事会を傍聴してもらいたいと考えています。理事会の雰囲気が分かりますし、わからなかった内容などは後ほど聞いていただいても構いません。
   傍聴参加していただき、参加者から理事会の雰囲気を広く話題にしてもらいたいと思っています。
 
鈴木
   傍聴した人が責任を持ち、自分の地区の人にしっかり知らせるという役割は必要であると思います。
 
道場
   理事会がどういうところなのかということを味わっていただくことが良いのではと思っています。
   特に事業の計画、事業の成果、あるいは女性懇談会の意見の集約状況など、そういった内容は何回も行われ、どういったことを行っているかがわかると思います。しかし、本日、私がお話した内容がほとんど届いていないということであれば、今後、考えるべき点だと考えています。
 
鈴木
   女性が関わると組織が変わると思います。周りの女性にも影響を与えられると思いますし、より開けた農協になっていくと思います。女性が役員を担っていくと、今後の事業展開や、違う視点で生み出されるものも出てくると思っています。
 
高野
   地区への説明について、連合会の役員だけでは、意図や感情が伝わってきません。そのため、農協で決めた方針などは、理事がしっかりと関係者に伝えていくことが必要だと思います。理事による説明責任が必要であると思っています。
   また、地区ごとの差が大きいです。ある地区では、女性部にも全く加入しておらず、女性が孤立状態という地区もあります。女性が女性部に加入していないため、今回の女性登用の話は全然関係ないと思っています。
 
道場
   進み方もやり方も、多少、地区ごとで異なります。地区によって違いがあるので役員と役員推薦会議の全体で調整会議を行っています。進めている地区、話が進んでいない地区ごとでの意見交換を行うことも大切かもしれません。女性相談員の選び方も、地区によって異なっています。
 
高野
   同じ地区でも、女性の理解はそれぞれです。私も色んな情報を持っており、女性陣に話をしても、「それは高野さんだからでしょ」と言われてしまいます。そう言われてしまうと、それ以上の話もできません。
 
鈴木
   女性の中で、真剣に考えている人とそうじゃない人とはすごい差があります。
 
高野
   だから女性同士での話もできない状況です。「女性同士でも理解していこうよ」「世の中はこんな感じで進んでいるんだよ」「そこで立ち止まっている場合じゃないんだよ」と伝えたいです。
   「まずは相談員だけでも出しましょう」と相談員を出せなかった地区にも言いましたが、男性からの説明がありません。代表の方たちからも説明がされていますが、「その説明の仕方が違うよね」と思った時もありました。みんなに同じ考えで話をしていれば、みんなが色んなところで会話ができます。
 
小内
   せっかくこんなにも農協の方が積極的に進めようとしている時に、何とかハードルを越えていければいいですよね。
 
道場
   以前は、総代として女性が30人出ていましたが、現在は24人です。しかし、果たして、その人数で本当に良いのかという問題。農協は社会的に遅れていると思わないと駄目だと思います。農協全体が目指すべきゴールを示し、女性が直接、農協に関わってくれるような体制を築いていかなければいけないと思っています。男性にも農協の運営のあり方をどうするのかという部分がしっかり伝わっておらず、理解度の幅が大きいかもしれません。
 
小内
   男性の推薦委員の人が、共通の理解を持つようなことに関して、何かされているのですか。全員を集めて、なぜ必要なのかということなど。
 
道場
   そこは、大方どうしたらいいだろうというところで止まっています。これからです。
 
小内
   熱意ある女性にしっかりと働きかけを行うことが大事かもしれませんね。疑問に思っている人が伝えるとなると、中途半端に伝わってしまうかもしれません。
   今、女性農業者も減少傾向にありますが、半数近くの農業の担い手は女性であるため、その人たちの意見もきちんと反映させるような組織になっていくのは、すごく重要であると思っています。男性側で、譲りたくないと思っているのか、面倒なことと思われているのでしょうか?
 
鈴木
   否定的な感じで捉えている人もいるのかもしれません。しかし、私が結婚した時より、今の30代、40代の夫婦は、夫婦で勉強して、夫婦で意見を出すようになっていると感じます。奥さんもしっかり数字がわかっています。そういったことを行っている家庭は、農家としてすごく伸びています。
   私がお嫁にきた30年前は、義理の父が経営者でした。その後、普及センターから農業簿記の講座開催の案内が届き、参加したいと夫に伝えたところ、「お前にできるわけがない」と言われ、それがすごく悔しかったです。講座には24人ほど申し込みがありましたが、3年経過すると、みんな辞めてしまい、残ったのは私1人でした。
   義理の父は理解があったため、私自身が勉強し、3年間みっちり貸借対照表まで作成していた時に、3年目に夫から「よく頑張ったな!」と言ってもらえました。この時に「あの時、この人は私にやる気を出させるためにあのように言ったんだな・・・」と思いました(笑)。結局、私たち夫婦は、これまでずっとそういった状態で経営をしてきました。数字のことがわかると、いろんなことが見えてきます。
   現在、芽室町農協は若い夫婦を対象とした経営講座やセミナーを開催し、夫婦で参加してくださいという働きかけを行っています。そういったところで、若い世代は、女性が理事に出ると言っても、私たちの年代よりは拒否反応がないのかなと思います。今、地域全体として取り組んで行くのであれば、私たちの世代がしっかりと頑張らなきゃいけないと思っています。最初に理事になる人は大変かもしれませんが、その後、すごくいい農協になるのであれば、私自身も何かしら頑張っていきたいです。
 
道場
   今の話は、こちらが思っている通りのことを言ってくれたと思っています。男性が経営主で、経営管理をほとんど男性側がやっているということ、そのこと自体を否定するわけではありませんが、外から見てわかる人がいないと、二重チェックができません。私はその形がパートナーである思っています。どっちに主導権があるかどうかというよりも、経営のことについて家庭内で話し合いができるということが必要なことであると思っています。
 
小内
   十勝は農協が大きいので、難しいところもあると思いますが、少しずつきちんと進めようという動きも生まれてきていますよね。まだ最初なので、混乱しているとは思いますけど。
 
道場
   今回、一気に進めてしまおうと考えた背景にはもう一点の課題があるからです。それは准組合員についての論議です。准組合員は必要で、芽室町農協は専門農協ではなく、地域農協であると考えています。ところが、男性からすれば、専門農協という考え方が非常に強いです。しかし、人口が段々と減少していく中で、地域農協として、将来的に農協の役割が地域の中でどのような位置づけになっているのかと考えると、恐らく今とは変わってくると思います。
   農業について町民向けに農業理解のための諸行事などを行っています。しかし、芽室町がゴボウの産地であることや、本州で有名なお菓子の原料に芽室町の小豆が使われているということが町民には伝わっていませんでした。町民からは「初めて聞いたが、とても誇らしい」と言ってもらえました。
   町民が芽室町の農業は誇らしいと思えるような関係を築いていくために、町民向けの広報紙を配布しています。令和4年は年4回の配布を行いました。農協職員からすると、そういった仕事は本来の仕事でないと思うかもしれませんが、意外とそういった仕事が大事なことであると考えています。そういった発想は、男性の立場からは中々出てきません。農業を応援してもらうための具体的な行動は意外と難しく、本当は、町民に「芽室町の農業はここがすごい!」と伝えていくことが大事なことなのではないかと思っています。
 
鈴木
   地域貢献もすごく大切だと思います。女性が入ることによって、ごくごく普通にそういった話が出てくるのではないかと思っています。細やかなところにも目が届くと思います。決めたことだけをこなすような仕事をしていると、そのような発想は出てこないと思います。決めたことをこなすだけでも、すごく大変なことだとは思っています。大事なこともたくさんありますし。
 
小内
   何となく、長年の阿吽の呼吸で進めていたところに、全然そういったことを知らない女性が入ることにより、まず、「どうしてこうなっているのか?」という疑問を持ち、色々と展開していく中で、また違った形に変わっていく可能性も出てくると思います。ずっと親の代から農業を継いでいると、それが当たり前だと思われることもあるかもしれませんが、妻が違った視点で農業を見ていくと、最初は相手にされないかもしれませんが、話し合っていくうちに、「そっちの方がいい!」「何もこっちにこだわる必要がないんだ!」ということも分かってきて、すごく柔軟に考えられるようになったという男性もいらっしゃいました。そういったことは、これから凄く大事なことなのかなと思います。
 
高野
   三人私の地区では、大阪から修学旅行を受け入れる会に入っており、農家民泊を行っています。これは女性ありきじゃなくてはできないことで、コロナ禍前までは10年間続いていました。そういった経験を男女が一緒に行っていくことが大事ですよね。作物を作るだけじゃなく、農家の仕事はすごく幅が広いので、とても可能性を秘めていると思っています。三人
 
小内
   規模が大きな農家、小さな農家など色々な人が農協に関わることによって、農協の政策も広がりが出る可能性が出てくるのかなと、素人ながらにも聞いていて思いました。
 
鈴木
   私が6次産業化に取り組んだ時には、6次産業化という言葉もなく、「こういうことをしたい」と思って始めました。元々、農協が所有していた農産物加工施設を冬の間、私たち(女性農業者)に貸してくれました。その頃、保存食を作っており、その保存食がとても美味しく、「これだったら売れるだろうな」と思い、売るものを作りたいから加工場が欲しいと言ったら、最初は周りから鼻で笑われました。何度も思いを伝えるうちに、夫にも熱意が伝わり「さぁ、始めようか!」となった時に、前例がないため、金融機関はお金を貸してくれませんでした。
   その時に芽室町農協が融資を行ってくれました。芽室町農協から振興資金を借り、加工施設を建てました。最初の3年間は商品が全く売れず、鳴かず飛ばずの状況でした。20年経つと、経営も安定してきましたが、6次産業化を行うことに対し他からのバッシングを受けたこともありました。それでも、夫が応援してくれて、周りへの対応も行ってくれたことがすごくびっくりしましたが、とても嬉しかったです。それ以降、周りから何を言われようとも、気にせずにいたら、誰にも何も言われなくなりました。きっとこういったことと同じで、女性が理事になっても、いつかそれは当たり前の状況になると思います。
 
高野
   なまら十勝野さんは、女性も、みんなで一緒に仕事したり、企画に参加したりしているんですか?
 
小山
男性がメインで、女性はサポートという感じです。
 
鈴木
   女性の意見もすごく大事にしてくれてそうですよね。
 
小山
そうですね。女性の意見も尊重してくれます。
 
鈴木
   だから、男性たちだけで決めないで、女性メンバーも含め、みんなでしっかり話し合っているから、今のなまら十勝野さんの存在は大きいと思います。色んなフェスも開催されていますし。
 
小内
   どうやって決めるかでも揉めている感じですかね?多分これだけの人材いれば、説得すれば、良い方向にいく感じがします。
 
鈴木
   男性の中での納得がまだちゃんとでき上がってないなと思いますね。
 
高野
   女性部部長の決め方は、地区の理事の順番が決まっていまして、その地区代表理事が集まり部長を決めます。1期1年で変わります。
 
鈴木
   誰がやってもできる仕事ということがわかれば、農協の役員になっても、2期、3期と長く考えず、「とりあえず1期頑張ってみましょう」となるかもしれません。1期やってみて、そのあと続いてくれる人が、次から次という流れができ、若い女性にも担っていただいた方がいいと思います。
 
道場
   通じていないこともたくさんありますし、芽室町は地域組織が弱いと感じています。過去、農事組合の再編なども行いましたが、中々、地区の問題はその地区独特なものがあり、そこにいる人しかわからない事情もあります。
   地域みんなが寄り合い、地域の課題を話し合う土台がだんだん薄くなってきているのは間違いないと思います。各地区内でそれぞれの理解が揃いません。それを農協が埋めるというのはかなり難しいことで、芽室町農協の弱点かもしれません。
 
鈴木
   私の地区でも一戸一戸の農家がすごく大きくなっています。昔であれば、近所のおじさんの家に呼ばれ、みんなでご飯をご馳走になったりしていましたが、今はそういったことを行ってくれる人が全然いなくなってしまいました。また、一戸一戸の農家が大きくなり、そして機械化が進み、作業のお手伝いさんなどもどんどん減っており、野菜を生産する農家も増えてきているから、とても忙しく、周りの人と顔を合わす機会がどんどん減ってきている感じです。人間関係も希薄になっている感じはします。私の娘が小さい頃は、まだ地区に学校があり、地区の運動会に行ったり、花火大会に行ったりと、すごく楽しかったですが、今はそういった家族ぐるみのイベントがないです。
 
道場
   新型コロナウイルス感染症の影響もあるかと思いますが、地区の農事組合で家族交流会などを行っていたところもありますが、今はすっかりなくなってしまったようです。
 
高野
   いくらSNSが発達して、これだけ情報が入手できると言っても人と人との交流って大切ですよね。そういったイベントなどで出る言葉って人の生の感情が伝わってくる感じがします。そういったイベントに参加することで、気づくこともありますし、ただ文字を読んでいるだけじゃ伝わらないことも多いと思います。
 
鈴木
   実際、本日、このようにお会いしないと、農協側が考えていることは本当にわかりませんでした。道場さんに色々説明してもらえて、本当に良かったと思います。
 
道場
   地区によっては、「次の時期に向かって取り組んで行けばいいのでは?」という意見もありますが、さっき言ったように、組織として目指す方向を決めたら、今回、是非進めていきたいというのが、役員の立場と思っています。
 
小内
   令和6年6月に改選であれば、もし先送りすると3年先ですか?
 
道場
   3年後になります。それだと熱が冷めてしまいます。準備期間をとっても何も変わらないと思います。だから、実際に「やりましょう!」と強く言わないと伝わらないです。
 
小内
   なぜ、女性の理事を増やす必要があるのかというメッセージをホームページに掲載するなど、チラシを組合員皆さんに配布するとかできないでしょうかね。
   選び方は各地区の独自性を尊重された方が良いと思いますが、「ゴールをこのように描いている」というものを、全組合員に伝わるように、まずはして頂けたらいいかもしれませんね。そういった良いツールもあるようなので、是非、先送りにせず、何とか令和6年6月の役員改選で新しい3人の女性理事が生まれたらいいなと、本日聞いていて思いました。
   確かに色々な役員の選出方法などあり、その方法が長い間続いてきて、だんだん農家が減ってくる中で、数集落で順番に回したりするなどそういう仕組みができ上がっている中で、新しいことを取り入れていくことは、中々、難しいこととは思いますが、そのあたりもちょっと風穴を開けてもらいたいと思います。
 
鈴木
  地区に対しても、恐らく良い刺激になると思います。今まで、曖昧にやってきたことが、「そうではないんだ」という雰囲気になると思います。もう1回、みんなでしっかり考えようとなると思います。
 
小内
   女性が頑張って、風穴を開けてほしいと思います。農協の方向も変わっていくと、地区への理解も広がるのかなと思っています。一気にはというのは、中々難しいと思いますが、とりあえず、令和6年6月にいきなり3人も女性役員が増えたらすごいですね。周りの地域からも注目されますね。
 
道場
   そうなることを願っています。しかし、女性の役員を登用することに、「なぜ、女性なのか?」という問いが非常に多いのですが、女性だからということで、女性の役割を決めることも失礼だと思っています。女性としての役割を定型的に定めるのではなく、女性の役員が登用された後に、理事会の環境や雰囲気が変わり、何かが変わってくるということが一番の期待している部分です。そういったことを組合員一人一人にうまく伝えきれておらず、理解されていないという課題があります。
 
小山
   これからそういう方向性で行くのであれば、お嫁に来た時から、農協がどんな仕組みで、どんな組織なのかということに触れていかないと、全然意識しません。私自身、意識したことはありません。
   だから、最初のうちから、1年に1回でも、フレッシュミズ(農協をよりどころに、食や農業に関心のある若い世代の女性が集まって作った組織)など、楽しいことにも参加できるということを伝えられる研修会を設けるなどが必要であると思います。また、農協側がどんな人材を求めているのかということを提示してくれれば、また変わるのかなと思っています。
 
鈴木
  漠然としていて、それが不安なんだろうなと思っています。
 
小山
   知識も必要となり、知識が抜けていれば、本当に男性の方はお話にならないなという感じなのかなと思っています。
 
高野
   総代となり、ただ総代会に参加し、ただ決算の金額を読まれるのを聞いているという感じであるため、それを見て、「こういうふうになっていたんだ」と思いますが、私たちには細かい動きが全然見えていないです。
 
鈴木
   ただ、それを全部理解してもらうことはすごく難しいと思いますし、きっと今の理事を担っている男性も、そこまで理解していないと思います。農協学校にも行かなければならず、地区から頼まれ、農協の理事も必要であり、今までみんなで話し合い、何とか男性に頑張って出てもらっていた状態です。それはきっと女性が役員になっても変わらないと思うので、負担は大きいかもしれません。 事業外の商売なども、もしできるのであれば、町の空き店舗のことなども考えることもできるかもしれせんし、例えば加工用に芽室町産の豆が本州で扱われるのもいいかもしれませんが、小袋で販売することもすごくいいと思います。そういった考えや話も、女性ならではの発想が出てくると思います。
 
小内
   全体風景女性も、面倒なことを押し付けられたと思う人もいるかもしれませんが、負担を分担したいと考える女性の方も多いです。男女ともに役員を担っていくという気持ちは大事かもしれません。男性だけに押し付けるわけじゃなく、女性の方もそれ相応の負担、「自分たちもきちんと役割を果たすんだ!」という気持ちも必要かなとは思います。
   芽室町から、さらなる日本の可能性を広げ、新しい風を吹き込むという意味でも、ぜひ女性役員の実現を願っています。全体風景

   今回の座談会では、芽室町農協管内の女性農業者と農協役員の方々に女性役員の登用に向けた地域の課題などについて、話し合っていただきました。
   みなさん、ざっくばらんにお話しいただきましたので、他の地域の方にも共感いただける内容ではないかと思っています。
   是非、ご参考にしていただければ幸いです。

お問合せ先

企画調整室

ダイヤルイン:011-330-8802