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北海道農政事務所

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ホタテ貝殻と廃糖蜜を利用した土壌改良材

行政・農協・漁協の3者共同による循環型一次産業の実践(株式会社常呂町産業振興公社)

北見市常呂町は農業と漁業の2大産業の町であり、昭和40年代後半からホタテ貝の漁獲量の拡大と安定を図るため「採る漁業から育てる漁業」へと転換を目指した結果、昭和50年代に入り成果が表れ漁獲量は急増しました。その一方で大量の貝殻が産業廃棄物となったため、行政・農協・漁協の3者が地域としてホタテ貝の活用について検討した結果、含有成分であるカルシウムが土壌改良材として有効であると確認されたことから、加工工場を建設することとなりました。
さらに、土壌改良材の散布効率を上げるために、従来の粉末状から粒状へ加工する技術を地域の大学と共同で開発し、実用化しました。加工の原料として、地域で栽培されているてん菜から作るてん菜糖の副産物である廃糖蜜を用いることで、地域で得られる漁業、農業の副産物を農地へ還元することができるようになりました。


原料となるホタテ貝殻

原料となるホタテ貝殻



常呂町のホタテ漁獲量 4万トン/年

廃棄される貝殻 2万トン/年

貝殻はカルシウム含有率が高く、酸性土壌の矯正材として利用できる
土壌改良材としてホタテ貝殻を有効活用

ホタテ貝殻粉末

ホタテ貝殻粉末(従来品)



・アルカリ成分 53%
・価格は一般的な土壌矯正資材の炭酸カルシウムと同程度
・散布農機:ライムソワー(散布幅 2~3m

粉末では散布幅が狭く散布の効率が悪い



造粒技術は北見工業大学(北見市)と共同研究

北見市常呂町ではてん菜の栽培が盛んであり、てん菜は美幌町(北見市の隣町)で、てん菜糖に加工されているてん菜糖の製糖課程で発生する廃糖蜜を造粒に利用している

地域の大学と共に地域農業の副産物を利用する方法を開発

ホタテ貝殻粒状石灰

ホタテ貝殻粒状石灰




・土壌改良材としての効果は粉末と変わらない
・散布農機:ブロードキャスター(散布幅 20~30m
・作業者暴露の低減

粒状にすることで作業効率が大幅に向上する


地域で得られる漁業副産物(ホタテ貝殻)及び農業副産物(廃糖蜜)を
土壌改良材の原料とすることで、農地に還元することができる

お問合せ先

生産支援課畑作グループ

ダイヤルイン:011-330-8807