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関東農政局

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国営施設応急対策事業 天竜川下流地区

  天竜川下流地区は、静岡県西部に位置する、磐田市及び袋井市にまたがる867haの水田地帯を受益地とし、水稲を中心に、畑利用による小麦、大豆及び野菜が栽培されています。
  本地区の基幹的な農業水利施設である浅羽(あさば)揚水機場は、「国営天竜川下流土地改良事業(昭和42年度~昭和59年度)」により造成されましたが、落雷等に起因する過電流によってポンプが異常停止する不測の事態が発生しているほか、老朽化等による施設の性能低下が生じ、農業用水の安定供給に支障を来しているとともに、施設の維持管理に多大な費用と労力を要しています。
  また、浅羽揚水機場周辺は大規模地震の対象地域であり、対策が必要となっています。
  このため、本事業において、浅羽揚水機場の施設機能を保全するための整備を行うことにより、農業用水の安定供給及び施設の維持管理にかかる費用と労力の軽減を図り、農業生産性の維持及び農業経営の安定を目指します。

現行の浅羽揚水機場(昭和59年度完成)       事業概要パンフレット


   





   

農業水利施設の性能低下の状況

1.老朽化等
 造成から35年以上が経過し、老朽化による施設の性能低下が生じ、農業用水の安定供給に支障を来しているとともに、維持管理に多大な費用と労力を要しています。

       

       

2.落雷等による機器の異常停止・故障等
 浅羽揚水機場は、一面に広がる水田地帯にあり機場より高い建物がないことから、被害を受けやすい立地条件となっています。
 近年の大雨・台風の増加に伴い、落雷の発生が増加しており、それに起因する機器の異常停止が発生しています。
 機場造成直後と近年の雷の発生数を比較したところ、年平均で1.7倍、かんがい期は1.6倍に増加しています。

3.耐震診断の結果、建屋及び基礎杭において、想定される大規模地震に耐えうる、必要な耐震性能を有していないことが確認されました。建屋については、静岡県の耐震性能目標を満足させる必要があります。

事業内容

1.事業の概要
     (1)受益面積      867ha(水田867ha)
     (2)関係市        磐田市、袋井市
     (3)予定工期     令和3年度~令和7年度
     (4)事業費        23億円
     (5)主要工事     揚水機場(改修)1箇所 【建設場所:静岡県袋井市新堀地内】

主要工事計画

  老朽化対策(建屋、ポンプ設備及び電気設備の全面改修)、落雷対策(高速回線避雷器等の設置)及び耐震対策を行い、浅羽揚水機場の施設機能を保全します。
  浅羽揚水機場の改修工事を令和4年度~令和6年度の3カ年工事で実施し、令和7年度に併用開始する予定です。
  工事期間中に、2度のかんがい期間を迎えることから、既設揚水機場を存置し、受益地に農業用水を送水できる状態を維持させて、工事を進めます。



          


【実施工事】
  浅羽揚水機場建設工事                    (工期:R4-R6)
     受注者:青木あすなろ建設株式会社  名古屋支店
  浅羽揚水機場ポンプ設備製作据付工事(工期:R4-R6)
     受注者:株式会社電業社機械製作所  静岡支店

【規模・能力】
  受益面積:867ha
  揚水能力:2.886m3/s
  全 揚 程:21.7m

【改修内容】
  基礎構造:SC・PHC杭  Φ800mm×47m/本×12本
                SC・PHC杭  Φ700mm×53m/本×6本

  上屋構造:鉄筋コンクリート構造(地上2階・地下1階)
                建築面積:507.9m2、延床面積:756.2m2
  主ポンプ設備:横軸両吸込単段渦巻ポンプ  700mm×2台、500mm×1台、200mm×1台

環境との調和への配慮

    本地域は、二級河川太田川水系太田川及び二級河川弁財天川水系弁財天川に挟まれた沖積低地に広がる水田地帯であり、水田、散居集落及び座敷林により農村景観が形成されています。
    浅羽揚水機場の改修に当たっては、過度なデザインや色調は周辺景観から突出するなどの違和感を与えるため、袋井市景観計画に定められた色彩に沿った配色とし、周辺環境との調和に配慮します。

    また、工事の実施に当たっては、希少な動植物の類似環境への移動又は移植を行うとともに、騒音振動対策、濁流流出防止対策等を行い、周辺環境への影響の軽減に努めます。

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お問合せ先

西関東土地改良調査管理事務所

代表:0537-35-3251