丹波篠山市及び豊岡市において有機農業の視察、関係者の皆様と意見交換を行いました
兵庫県丹波篠山市及び豊岡市
令和4年7月21日、出倉局長は平形農産局長とともに、有機農業産地づくり推進事業に取り組んでいる丹波篠山市と豊岡市の現場を視察し、各地区における有機農業の現状・展望について、酒井丹波篠山市長、JAたじま役員の方々、有機農業等を実践されている農業者の方々と意見交換を行いました。
まず、丹波篠山市役所を訪問し、酒井市長、JA丹波ささやま組合長、農業委員会の代表、農業者の方々と意見交換を行いました。この中で、同市は農業を中心としたまちづくりを目指していること、中山間地が多く昔から水が不足がち故に相互に助け合う集落の結束が強いこと、そのような地域性の中で灰小屋(落ち葉等を焼いてできる灰肥料を作る小屋)による有機資源の地域内循環システムが生まれたこと、大規模農家と小規模農家が助け合う多様な農業を展開しており、その一つとして有機農業を進めていることなどのお話を伺いました。
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佐古田理事長より説明を受ける 出倉局長・平形局長 |
無農薬栽培の酒米圃場 | 有機資源を供給してきた灰小屋 |
次に、豊岡市内でコウノトリ育む農法(おいしい農産物と多様な生物を育み、コウノトリも住める豊かな文化、地域、環境づくりを目指す農法)で米を栽培している(株)atきなしの圃場を訪れました。代表取締役の根岸氏より、有機稲作(大豆作)は適期の抑草管理・物理的除草が要であり、高性能な除草機等の開発を期待しているが、現状、人手と作業のオペレーションが課題であること、今後10年先を見通せる経営の形をつくることが、事業継承できる条件と考えているとのお話を伺いました。
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乗用管理機の有機肥料散布ノズル | 除草作業用のホバークラフト |
その後、JAたじま本店会議室をお借りして、根岸氏他3名の農業者の方々と意見交換を行いました。物理的除草体系が有機農業では確立できていないことが、面積の拡大ができない大きな原因であるという意見が、根岸氏以外の農業者の方からも聞かれました。
最後にJAたじま本店会議室でJAたじま組合長ほか役員の方々と意見交換を行いました。昨年、米価が急落したが、「コウノトリ育むお米」の買い取り価格は高価格帯を維持して生産意欲を上げることで生産拡大に努めておられました。また、JAたじま管内では既に全水稲作付面積の25%が特別栽培となっているが更に伸ばしていきたいと考えていること、国内では商品としての米はいくらでもあるので、たじまの農業が勝ち残るためには生産者の熱意を物語として消費者に伝えていく必要があるというお話を伺いました。
お問合せ先
生産部生産技術環境課
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