「あら川の桃」が地理的表示(GI)に登録されました。
あら川の桃(和歌山県)
令和5年7月20日、「あら川の桃(アラカワノモモ)、Arakawa no Momo、Arakawa Peach」が地理的表示(GI)として登録され、農林水産省において登録証の授与式が行われました。(登録番号第133号)
和歌山県で3産品目、近畿農政局管内では11産品目となります。
授与式には、あら川の桃振興協議会岩見豊会長、片山髙一副会長、上始副会長、前坂隆司副会長が出席され、藤木農林水産大臣政務官から登録証が渡されました。
登録授与式 左から片山副会長、岩見会長、藤木政務官、上副会長、前坂副会長
「あら川の桃」の生産地は、和歌山県紀の川市内を流れる紀の川南岸に位置し、年間平均気温が約15.7℃の比較的温暖な気候と、生産地の大部分を排水の良い砂礫土壌が占めていることから、「桃」の栽培に適した自然条件を有しています。
あらかわ地域の桃園 桃の木
生産地における「桃」栽培の歴史は古く、最古の記録としては、天明2年(1782年)、段新田(現在の紀の川市桃山町)に、摂津国(現在の大阪府池田市)から桃苗を導入したのが始まりとされており、この「桃」が結実して出荷されるようになると、紀の川によって堆積した砂礫土壌の「新田」と呼ばれる地域で栽培されていたことから、「新田桃」として珍重され、これが「あら川の桃」の起源となっています。
「一目十万本」といわれる一体的な桃畑
「あら川の桃」の「あら川」とは、古くから生産地周辺で使われていた地名に由来し、平安時代後期の大治4年(1129年)に制定された鳥羽院領の「荒川荘」に始まり、後に「荒川」という川の氾濫に因んだ地名は好ましくないと「安楽川」に改称されたと言われています。
桃の収穫作業 一つ一つ丁寧にやさしく収穫
生産地では、摘蕾や摘花の早期実施や果実への袋かけなど、長年の栽培技術の積み重ねにより、外観や食味が良好な「桃」を生産し続けていますが、平成14年に生産地で「桃」の栽培を行う全ての農家が賛同のうえ協議会を設立してからは、新品種の生産地導入前の栽培試験や優良品種の育種、袋かけ資材の素材別実証試験及び病害虫防除に関する実証試験等に公的機関の協力を得ながら協議会独自で取り組み、更なる品質の向上を図っています。
収穫直前の桃

左は日川白鳳、右は白鳳。あら川の桃は多くの品種が栽培されている。
地理的表示(GI)保護制度は、その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因・環境の中で長年育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を、地域の知的財産として保護するものです。令和5年7月20日現在、132産品が登録されています。
お問合せ先
近畿農政局 経営・事業支援部 輸出促進課
担当者:地理的表示担当
ダイヤルイン:075-414-9025




