「近江八幡市を果樹の街に!!」と就農を決意

氏 名 :水原 弘樹さん(35歳)
出 身 地 :滋賀県近江八幡市
就農前の職業:市役所
経 営 開 始 :令和2年3月
営 農 類 型 :果樹、露地野菜
経 営 内 容 :なし(110a)
野菜(120a)(キャベツ 50a、ねぎ30a,その他40a)
労 働 力 :3人(うちパート1人)
収穫、選果作業は親族が補助
収穫、選果作業は親族が補助
●就農した理由を教えてください
市役所の農業担当部署に在職していたころ、減反政策の廃止に伴う園芸作物の振興等を担当していましたが、当市には果樹生産者が少ないことや、菓子製造販売業者の大型施設(ラ コリーナ近江八幡)ができたことで、観光客が増えることを見込み、就農を決心しました。
●なし・キャベツ・ねぎを選んだ理由を教えてください
県が推奨する果樹(なし、ぶどう、桃、イチジク)の中からイチジクは直売出荷に向かない(県の推奨は市場出荷)ため候補には入れず、桃は病気に弱くぶどうは摘粒作業など技術が必要なため除外し、省力化技術により面積拡大が容易で、作業は自身だけでなく家族でも行えることから、なしを選びました。
キャベツについては、新規就農計画策定時点において、契約栽培により安定した単価と収益が見込めたため選択しました。しかし、就農した年に新型コロナの影響によりJAから契約面積の削減を求められ、減らした面積を補う新たな品目を検討することになりました。
新たな品目としてねぎを選択した理由は、滋賀県立農業大学校就農科(以下「農大」という。)に就学中、ねぎでの就農を目指していた同級生の手伝いをしていたことや地元に安土信長葱というブランドがあったからです。
キャベツについては、新規就農計画策定時点において、契約栽培により安定した単価と収益が見込めたため選択しました。しかし、就農した年に新型コロナの影響によりJAから契約面積の削減を求められ、減らした面積を補う新たな品目を検討することになりました。
新たな品目としてねぎを選択した理由は、滋賀県立農業大学校就農科(以下「農大」という。)に就学中、ねぎでの就農を目指していた同級生の手伝いをしていたことや地元に安土信長葱というブランドがあったからです。
●就農相談はどこにしましたか
市役所勤務時から関わりがあった県の出先機関(東近江農業農村振興事務所)です。
就農時の一番の不安として、なしの新植栽培での就農ということがありました。滋賀県内でも近年ではあまり例のないことであり、栽培技術と果樹棚の自家建設が一番の課題であったことから、課題の克服に向けて、農大に就学する前から担当者の方とプラン作りを行いました。
就農時の一番の不安として、なしの新植栽培での就農ということがありました。滋賀県内でも近年ではあまり例のないことであり、栽培技術と果樹棚の自家建設が一番の課題であったことから、課題の克服に向けて、農大に就学する前から担当者の方とプラン作りを行いました。
●研修はどこで受けましたか
なしについては、農大への就学時や、県補助事業の先進地視察等で学びました。また、研修ではありませんが、他産地のなし農家での聞き取りなどを行い、農大卒業と同時に就農しました。
果樹棚は家族や親族と建設し、栽培方法は、神奈川県で開発された主枝を隣の主枝に接ぎ木することで早期多収性効果があるジョイント栽培と果樹棚をV字型に設置することで作業姿勢が楽になり、機械導入にも対応できるV字樹形栽培を組み合わせたもので、当時、滋賀県では初めての導入でした。
野菜についても、農大で学びました。当初から計画していたキャベツ以外も同級生が行っていた品目の手伝いをすることで知見が広がり、就農後に起こったコロナ禍などの困難な状況に追い込まれたときにも計画変更が行いやすく、相互に意見交換を行うことで課題の克服に繋げました。
果樹棚は家族や親族と建設し、栽培方法は、神奈川県で開発された主枝を隣の主枝に接ぎ木することで早期多収性効果があるジョイント栽培と果樹棚をV字型に設置することで作業姿勢が楽になり、機械導入にも対応できるV字樹形栽培を組み合わせたもので、当時、滋賀県では初めての導入でした。
野菜についても、農大で学びました。当初から計画していたキャベツ以外も同級生が行っていた品目の手伝いをすることで知見が広がり、就農後に起こったコロナ禍などの困難な状況に追い込まれたときにも計画変更が行いやすく、相互に意見交換を行うことで課題の克服に繋げました。
●近江八幡市で就農した理由を教えてください
出身であることと、借り受けた土地が干拓地のため農業用水が整備されていたことが決め手になりました。なしの苗木を育てたり、野菜の栽培にも1年を通して水を確保できることは重要でした。
●農地の確保は問題なくできましたか
なしについては、地元の土地改良区から就農希望地域の中で条件に合う農地(なしの定植用地70a、20年リース)を紹介してもらったことから、問題なく確保できました。また、令和3年からは地元のJAや土地改良区、県・市が連携して整備された果樹団地の1区画(40a、20年リース)にも入植しています。
野菜についても、同じく地元の土地改良区からの紹介により確保することができました。(225a、10年リース)
野菜についても、同じく地元の土地改良区からの紹介により確保することができました。(225a、10年リース)
●設備投資(施設、機械含む)の資金はどうやって確保しましたか
青年等就農資金を利用し、融資を受けました。足りない分は自己資金でまかないました。
●設備投資のほかに就農にあたっての支援事業は何か活用されましたか
【新規就農者育成総合対策(旧農業次世代人材投資事業)の活用】
· 経営開始型:750万円(見込み)(令和2年~令和6年)
· 経営発展支援金事業については、要件として、就農3年目の中間評価がA評価であることが求められます。なしの新植栽培においては3年目時点での収穫は現実的に難しく、野菜のみの実績による評価となりますが、県及び市の担当者と協議した結果、A評価は難しいとの判断であったため申請は行いませんでした。
●労働力はどうやって確保しましたか
· 経営開始型:750万円(見込み)(令和2年~令和6年)
· 経営発展支援金事業については、要件として、就農3年目の中間評価がA評価であることが求められます。なしの新植栽培においては3年目時点での収穫は現実的に難しく、野菜のみの実績による評価となりますが、県及び市の担当者と協議した結果、A評価は難しいとの判断であったため申請は行いませんでした。
常時雇用は母親でパートとして姉に手伝ってもらっています。収穫最盛期で人手が必要になれば、もう一人の姉や叔母にお願いしています。
●販売先はどこですか
なしは本年から本格的な収穫となり、JAへの出荷とJAの系列店での直売を予定しています。売上額500~600万円を見込んでいます。
野菜では、キャベツ(業務用で鉄コンテナを使用して出荷)及びねぎ(安土信長葱)はJAに出荷し、ブロッコリーはJAの系列店で直売しています。売上額400~500万円です。
野菜では、キャベツ(業務用で鉄コンテナを使用して出荷)及びねぎ(安土信長葱)はJAに出荷し、ブロッコリーはJAの系列店で直売しています。売上額400~500万円です。
●今後の目標
なしの面積は、現状から増やす予定はありませんが、将来的にはなしが成園化することで収量が増加し、総売上3,000万円を目標にしています。
令和7年度以降になりますが、法人化に向けて検討しています。
スマート農業について、なしのV字樹形栽培は機械化に対応しており、ロボット草刈機や神奈川県で試験が行われているロボット防除機・収穫ロボットに関心があります。導入に際しては、補助金を活用できるとありがたいです。
令和7年度以降になりますが、法人化に向けて検討しています。
スマート農業について、なしのV字樹形栽培は機械化に対応しており、ロボット草刈機や神奈川県で試験が行われているロボット防除機・収穫ロボットに関心があります。導入に際しては、補助金を活用できるとありがたいです。
●新規就農を目指す方へのメッセージ
JA・行政等関係機関の担当者と日頃から些細なことでも相談し、お互いの信頼関係を築いておくことが大切です。行き詰ってからでは遅いです。また、資金についても、融資や補助金を含め、計画性を持って確保しておくことが大切だと思います。
お問合せ先
経営・事業支援部経営支援課
代表:075-451-9161(内線2793)
ダイヤルイン:075-414-9055