このページの本文へ移動

近畿農政局

メニュー

魚のゆりかご水田を後世に繋いでいきたい   

滋賀県野洲市|せせらぎの郷

琵琶湖地域が「世界農業遺産」に認定!
2022
718日に、滋賀県琵琶湖地域の「森・里・ 湖(うみ) に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」が世界農業遺産として国連食糧農業機関(FAO)に認定されました。

この「琵琶湖システム」は、水田営農と深い関わりの中で発展してきた伝統的な内水面漁業がその中核となっています。湖魚を介して漁業と農業がつながる資源循環型システムで、エリ漁やナレズシ等の独特の食文化が1000年以上にわたって受け継がれています。また、多様な主体が参画して琵琶湖の水質や生態系を保全する、現代の「環境こだわり農業」や水源林保全にもつながってきています。

今年6月、コロナ禍の影響で延期になっていたFAOの審査委員による現地調査がようやく実施された後、ついにこの「琵琶湖システム」が農業遺産として世界に認められました。

近畿農政局滋賀県拠点では、この現地調査が行われた「魚のゆりかご水田」を守っておられる、野洲市須原の「せせらぎの郷」の堀彰男代表と意見交換を行い、世界農業遺産となる農業への思いをお聞きしました。

せせらぎの郷代表堀彰男さん
せせらぎの郷代表  堀彰男さん

 

意見交換の様子
意見交換の様子

「世界農業遺産」に認定されて
滋賀県の農業は、琵琶湖と共生して営まれてきたものであり、人や自然に優しく、心の豊かさも育む。それが「世界農業遺産」として世界に認められるということは大変喜ばしく誇りに思う。
しかし、環境に配慮した農業は大変な作業であり、それを維持していかなければならない責任も感じているとおっしゃっていました。

 

魚道を遡上する魚
排水路に設置された魚道を遡上する魚(写真提供:せせらぎの郷)

魚のゆりかご水田プロジェクト
滋賀県が推進する魚のゆりかご水田は、かつて琵琶湖周辺で普通に見られた人と生き物が共生する水田農業の成り立ちを復活させる取り組みです。
排水路に魚道を設置し、コイ・フナ・ナマズなどが溯上し田んぼで産卵。稚魚を外来魚から守り育てることができます。

 

地域の皆さんの理解と協力が必須
せせらぎの郷で魚のゆりかご水田を始めて今年で17年目。持続していくためには、やはり地域の理解と協力が必須だそうです。最初はなぜ魚が環境保全なのか、理解してもらえず苦労も多かったそうですが、今では応援の声が絶えません。

  田んぼや水路に生息する魚たち
田んぼや水路に生息する魚たち(写真提供:せせらぎの郷)

世界農業遺産として価値あるものに
今後はより多く方に「琵琶湖システム」を周知し理解を願うとともに、「魚のゆりかご水田」が「世界農業遺産」として価値高め、持続可能な取組として後世に繋いでいければと願っておられます

*せせらぎの郷との意見交換は、616日の現地調査後の621日に行いました。

 
近畿農政局プレスリリース:滋賀県琵琶湖地域が世界農業遺産に認定されました
https://www.maff.go.jp/kinki/press/keikaku/shigen/220719.html

せせらぎの
代表:堀  彰男(ほり あやお
http://seseraginosato.net/

お問合せ先

滋賀県拠点 地方参事官室
TEL:077-522-4261