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近畿農政局

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農薬、化学合成肥料を使わない栽培を今も勉強中

  滋賀県愛荘町なないろや  冨永篤史さん 

なないろやの冨永篤史さんは、滋賀県愛荘町で農薬、化学合成肥料を使わず、多品目・少量生産で年間40品目・150種類ほどの野菜を露地で栽培しています。
冨永さんは5年前(当時37才)に就農し、 独学で農薬などを使わない野菜の生産方法を学びました。
生産物はJAの直売所、詰め合わせボックスの通信販売、飲食店などに販売していますが、自身も毎週金曜日に大津市で対面販売を行っています。
現在は、主に一人で作業を行っていますが、今春からは、1名を雇用するため「今以上に利益を上げなければ。」とおっしゃっていました。
この度、冨永さんに農薬や化学合成肥料を使わない農業について伺いました。


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なないろや  冨永篤史さん

就農のきっかけ

「就農する前は、滋賀県外で働いていましたが、地元で起業したい思いから、農業もその手段の一つと考えました。
また、子供にアレルギーがあり、農薬も化学合成肥料も使わない農業を行うきっかけとなりました。」


農地は、就農時に0.5haを所有していましたが、今では、借地を含め2haまで拡大しています。

 


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使用済みの茶葉と鉄製品を同じ容器に入れることにより
鉄製品の鉄分が溶け出して鉄ミネラル液ができる。

農薬や化学合成肥料を使わない農業

自家製液肥や鉄ミネラル液を用いて、より良い土壌を育てることを基本に農薬や化学合成肥料を使わない農業を行っています。
「液肥やミネラル液を畑に撒くことにより、土壌が豊かになるんです。土壌が豊かになり、液肥やミネラル液を撒かなくても野菜が育っていくことが目標です。」

 

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作付け前の圃場。
「今は何も植えていませんが、
1月後半から作業が始まります。」

就農のたいへんさ

今も経営が軌道に乗っているのかはわかりません。農薬、化学合成肥料を使わない栽培を行って5年になりますが、今も勉強中であり、答えのないことに対して答え合わせをやっているようなもの。」と楽しげにおっしゃっていました。


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生産物

年間では、小カブ、カブ、だいこん、にんじん、カリフラワー、さつまいも、ケールなどなど40品目を生産しています。
生産
する作物の選定は、「自分のつくりたいもの」とおっしゃっていました。

直売所では同じものを作っても他の商品に埋もれてしまうことから左下のシールとともに「農薬・化学肥料を使わずに育てています。」と表示して販売しています。

 

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上:左から、さつまいも、にんじん、だいこん
下:なないろやで販売する野菜に貼られているシール

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対面販売所

大津市で行っ
ている対面販売所にもお伺いしました。

棚に並んでいる商品は、大きさや形はいろいろあり、同じものがありません。お客さんがひっきりなしに来店し、宝探しのように自分の眼鏡に叶うものを探していました。
お客さんは、真剣に品定めするため滞在時間が少し長いように思います。代金の支払いが終わってからも冨永さんと楽しそうに話す様子が印象的でした。

  

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上下:大津市で行っている対面販売所

     


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なぜか圃場でお話を聞いていた時より
こちらでお話を聞いているときの方が表情が穏やかでした。


冨永さん自身が農業をやりたくて仕方がないということではなく、農業は起業するための手段とおっしゃってました。

将来は、多くの農家の生産物を販売するバイヤーのような立場になりながら、仲間の一助となるべく自身が行っている農法の農業指導ができればと考えているそうです。


珍しい農法であるため、農業雑誌などからも取材があるようですが、これも「自身の農法が、雑誌を読んでいる人の手助けになれば。」との思いがあるようです。

お問合せ先

滋賀県拠点 地方参事官室
TEL:077-522-4261