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近畿農政局

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木成り完熟「野菜が本当においしくなる瞬間を届けたい」ことから始まりました

滋賀県東近江市|株式会社八風ファーム

滋賀県東近江市。鈴鹿山系の裾野に広がるこの地域で、「トマトって、こんなに味が濃かったんだ」と驚く声が集まる農園があります。 今回、「木成り完熟八風とまと」で知られる株式会社八風ファーム(以下「八風ファーム」という。)を訪問し、そのこだわりや想いを伺いました。


株式会社八風ファームの安井農場長
八風ファームの農場長  安井さん

就農のきっかけは健康と出会い

お話を伺った八風ファームの安井啓さんは、前職はIT関連企業を経営していました。しかし、体調不良をきっかけに健康的な働き方を模索するなか、知人であった当ファームの元経営者から、自然の中で働く農業はどうかと勧められ、2018年に事業継承する形で農業の道へ進みます。

そんな経緯からトマト農場を継承することになった安井さんですが、実は大のトマト嫌いでした。自身がそのことを打ち明けたときの、「嫌いな人間が作ったほうがより厳しい評価ができ、良いものが作れる」という元経営者の言葉が決断を後押ししました。




初めて作った真っ赤な完熟トマトを食べたとき、自分が苦手だったのはトマトそのものではなく、『流通の都合に合わせた』未完熟状態での収穫や栽培方法によるものだったことに気づきます。

「野菜が本当においしくなる瞬間を届けたい」

その想いが、八風ファームの野菜づくりの原点です。

完熟トマト
完熟したトマト
(写真提供:八風ファーム)


少量土壌培地耕の説明をする農場長
少量土壌培地耕の栽培法を説明する安井さん

“少ない土”で、野菜の力を最大限に引き出す

八風ファームの野菜作りの特徴は、「少量土壌培地耕養液循環栽培法」。 野菜の根が張れる限界まで土の量を少なくし、鈴鹿山系からの湧き水である愛知川の伏流水に、独自配合した養液を用いて育てます。
植物は、少しだけ厳しい環境に置かれることで、自らの力で栄養を蓄えようとします。その結果、その野菜本来の特徴が強く表れた濃い味わいの野菜に育ちます。

安心・安全への取り組み

ハウスの中は、温度や湿度を一日に何度も細かく管理し、病害虫が発生しにくい環境づくりを徹底しています。 収穫量の減収は覚悟の上で、一般的に行われている「予防」のための農薬散布は一切行わず、毎日入念に生育状況を確認し、症状が出た時に速やかに必要な分だけ薬剤散布を行います。 その結果、農薬の使用量は一般的な野菜栽培の約10分の1程度。 「安全で安心、そして何よりおいしい野菜を食べてほしい」という想いが、日々の管理の積み重ねに表れています。

トマトの栽培管理を行う様子
入念な管理作業


木成り八風完熟とまと
看板商品の「木成り完熟八風とまと」
(写真提供:八風ファーム)

“木成り完熟”だから味が違う

代表商品は大玉トマト「木成り完熟八風とまと」。
一般的なトマトは輸送や棚持ちを考慮して青い状態で収穫され、出荷後に追熟されますが、八風ファームでは一般的なトマトの約1.5倍の期間、木におき真っ赤に完熟させてから収穫します。ギリギリまで栄養を受け取ったトマトは、甘み・酸味・うま味が濃く、しっかりとした果肉が特徴。直売所や産直販売で「味が全然違う」と高い評価を得ています。

おいしい野菜を求めて

八風ファームでは、トマトをはじめ、アスパラガスやきゅうり、いちごなど多品目の栽培に取り組んでいます。 近年栽培を始めたアスパラガスは、ガラスハウスの利点を活かし、晩秋に温度を高めに保ちながら立茎光合成期間を延長し、根に十分な養分を蓄えさせています。こうして春には非常に太く、柔らかく、味の濃いアスパラガスに育ちます。

太くて立派なアスパラガス
一般的なサイズ(手の平)に比べ
長く、太く立派なアスパラガス

6次産業にも挑戦

完熟したトマトを使ったトマトジュースやピューレ、完熟いちごを使ったジャムやクリーム、採れたて野菜のピクルスなどの加工品も人気です。 なかでも目を引くのが、透明なトマトジュース「とまとのしずく」。ドロッとしたトマトジュースが苦手な方にもおすすめで、さらっとしているのにトマトの旨味をそのまま味わえます。(写真提供:八風ファーム)

透明なトマトジュース「トマトのしずく」
透明トマトジュース「とまとのしずく」(左)

完熟いちごで作ったジャムやクリーム
完熟いちごで作ったジャムやクリーム




野菜の農園ピクルス
野菜のピクルス

地域農業を未来へつなぐ

八風ファームは、生産から加工・販売まで手がける地域農業の担い手として、持続可能な経営に取り組んでいます。地元・東近江市や近江八幡市の直売所での販売に加え、近年は近隣市町や他府県の農産物直売施設へと販路を拡大しており、地域の食を支えています。

安井さんは将来について、「野菜のおいしい食べ方を提案できる場所をつくりたい」「後継者不足で失われつつある農地や作物を、できる限り引き継ぎたい」と語ります。先代から引き継いだ施設を活用しながら、地域農業を未来へつなぐ挑戦を続けています。



◎株式会社 八風ファーム
   http://421farm.com/(外部サイトへリンク)

お問合せ先

滋賀県拠点 地方参事官室
TEL:077-522-4261