大津市仰木の棚田で農業に取り組む若き元バンドマン!
滋賀県大津市|尾﨑 考 氏(尾﨑が育てた野菜。)
2026年4月、滋賀県大津市仰木。琵琶湖を見下ろすこの里山に、石垣が連なる美しい棚田が広がっています。日本の棚田百選にも選ばれた「平尾の棚田」で、野菜・米・果樹を農薬・化学肥料不使用で育てている「尾﨑が育てた野菜。」代表の尾﨑氏を訪問し、農業を始めたきっかけとなった自然栽培や将来展望について意見交換を行いました。
人が自然をコントロールするのではなく、自然の流れに寄り添うこと。その考えのもと、尾﨑氏は手間を惜しまず、作物一つ一つと向き合う農業を続け、棚田という中山間地域の厳しい条件の中でも、四季の変化をそのまま受け止め、土地の個性を最大限に生かして、安心して皮ごと食べられる野菜作りに勤しんでます。

近畿農政局滋賀県拠点の副地方参事官(左)と「尾﨑が育てた野菜。」代表の尾﨑氏(右)
農業をはじめたきっかけ
尾﨑氏は大阪府出身で大学卒業後はロックバンドでサックス奏者として活動していたという異色の経歴の持ち主です。
知り合いの紹介で自然豊かな農地と出会い、30歳手前で音楽を続けるか悩んだ末に就農。
小さい頃から興味のあった自然栽培に近い栽培方法で、次の世代へ安心な食と棚田の風景をつなぐことを目標としています。

意見交換の様子

収穫された多種多様な野菜
(写真提供:尾﨑氏)
栽培方法へのこだわり
尾﨑氏が選んだのは農薬に頼らず化学肥料も使わない自然の力を活かした栽培方法。選択した理由はとてもシンプルでした。
1.自然界の作物は、誰からも肥料を与えられなくても育っている。
2.「土・微生物・虫・草」が循環する環境こそが、本来の農業の姿。
3.自身が考える「安全とは何か」「食とは何か」を突き詰めた結果だった。
また草を敵にせず、刈った草を土に戻し、虫に食べられた野菜も“失敗”ではなく「土に還す役割」として考えているとのこと。
農業に対するやりがい
購入いただいた全ての方に「尾﨑が育てた野菜。」を安心して食べてもらえること。そして、何故安心なのか、その理由も伝えられること。
人の身体は食べたものでできているので、「次の世代に、胸を張って渡せる作物を残したい。」という想いで日々生産に向き合っているとのことです。
また美味しいお米を食べてもらうために、尾﨑氏は「稲作の天日干し」にもこだわっておられます。
稲を自然の太陽の下で乾燥させ、稲の香りや味わいを最大限に引き出しておられます。

綺麗に管理されている圃場
(写真提供:尾﨑氏)

稲刈りの様子
(写真提供:尾﨑氏)
就農した際の苦労や工夫
就農する前に、大阪府枚方市の農家レストランで約5年間、農業のノウハウを学び、2017年に独立。
独立する前から借りた農地を少しずつ整備し、3年ほど大阪から現地(滋賀県大津市)まで通った後、移住。
早くからボランティア団体(平尾里山・棚田守り人の会)の活動に参加し、地元の方との繋がりを持つことに努めた結果、うまく地域に馴染むことができました。
また移住後は、地域で活動する消防団への参加やお祭り等のイベントにも積極的に関わっています。
収穫した作物の販売先
現在、年間約30~40種類の野菜や米を農薬・化学肥料不使用で育てています。
収穫した作物の約7割は自身のECサイトで販売し、残りの3割は飲食店やレストラン、大津市の保育園の給食材料として卸しています。
年間を通じて、多種多様な作物を育て、少量多品目で提供できるように心掛けています。

京都のレストランに出荷しているクレソン
(写真提供:尾﨑氏)

尾﨑氏の棚田
(写真提供:尾﨑氏)
将来展望
土地に合った作物づくりを大切にしながら、「尾﨑が育てた野菜。」を全国に知ってもらえるようにしたい。
また棚田の自然環境を守りながら、安心して食べられる食を次の世代へつなぐことにやりがいを感じており、棚田と農の循環を未来へ残していくことが将来の夢だと語られていました。
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261




