夫婦二人三脚で「野菜の本当のおいしさ」を伝えています。
滋賀県高島市|高橋章隆さん、佳奈さん夫妻(みのり農園/農家レストランsato kitchen)
琵琶湖の北西、山と湖に囲まれた滋賀県高島市安曇川町の泰山寺(たいさんじ)地区と呼ばれる小高い丘に、夫婦二人三脚で営んでおられる小さな農園があります。
年間およそ200種類もの野菜を育てておられる「みのり農園」です。
この農園を切り盛りするのが、高橋章隆さん、佳奈さん夫妻。「農業」と「料理」、夫婦それぞれの得意分野を生かしながら、「野菜の本当のおいしさ」を伝える挑戦を続けています。

高橋さん夫妻「みのり農園」にて
(写真提供:高橋さん)

高橋さん夫妻「sato kitchen(サト・キッチン)」にて
(写真提供:高橋さん)
就農したきっかけ
佳奈さんはかつて東京で金融機関に勤め、融資担当として有機農家と接する機会も多く、そのなかで、作り手の顔が見える農業や、丁寧に育てられた野菜の力に惹かれました。当時勤めていた会社で新規に立ち上がった農業部門に配属され、そこで農業体験を重ねるうちに、2011年の東日本大震災を経験。電気や水道といったライフラインが止まる現実に直面し、「自分たちの手で生きる力を身につけたい」との思いが強まったとのこと。2013年、佳奈さんの故郷・滋賀県に移住し、新規就農という大きな一歩を踏み出しました。

畑で栽培されている多種多様な野菜
(写真提供:高橋さん)

sato kitchen(サト・キッチン)のランチセット
(写真提供:高橋さん)
夫婦共通の夢
章隆さんは、東京で飲食店に勤めていた元料理人。妻の挑戦を支えながら畑仕事に携わるうちに、農業の奥深さに魅了されていきました。「いつか自分たちで育てた野菜をその場で料理して届けたい」。そんな夫婦共通の夢は、理想の農家レストランを作ることでした。
就農してから4年後の2017年に、夫婦の夢であった農家レストラン「sato kitchen(サト・キッチン)」をオープンしました。
栽培方法や野菜の特徴
みのり農園で栽培されている野菜の特徴は、化学合成農薬・化学合成肥料を使わない栽培方法と、少量多品目へのこだわり。カラフルな西洋野菜、人参、自然薯、白いとうもろこしなど、レストランの皿を彩る個性的な野菜が常に畑に並んでいます。出荷・販売先は主に飲食店や道の駅ですが、個人客のリピーターも多く、幅広い品目を安定して届けられるように心掛けています。
佳奈さんが特に大切にしているのが「土づくり」。泰山寺地区に広がる「黒ボク土」は、保水性と排水性に優れ、畑作に向いた土壌です。地元の堆肥や緑肥を用い、微生物の多様性を保つことで、野菜の持つ本来の味を引き出しています。これがシンプルな調理でも“味が濃い”と評される野菜が育つ秘訣となっています。

みのり農園で栽培されたカラフルな野菜
(写真提供:高橋さん)

定植して元気に育っている葉物野菜
(写真提供:高橋さん)
やりがい
農業は自然や虫・鳥・獣が相手となるため、決して楽な仕事ではありません。それでも佳奈さんは、「まいた種と向き合った分だけ、結果が返ってくる仕事」だと語ります。努力と工夫が収穫というかたちで実を結び、誰かの食卓で「おいしい」と言ってもらえる。その実感こそが、最大のやりがいです。
農家レストラン「sato kitchen(サト・キッチン)」
みのり農園の“おいしい”を直接味わうことのできる場所が、農園からほど近い古民家を改装した農家レストラン「sato kitchen(サト・キッチン)」です。
料理を担当する章隆さんの信条は、お客様に「野菜そのものの味を伝えること」。複雑なソース等に頼らず、定食やパスタといった親しみやすいスタイルで、旬の野菜を主役に据えます。時期によっては一皿に20種類前後の野菜が使われることもあり、美味しさはもちろん、色とりどりの盛り付けが目にも楽しいものとなっています。収穫したばかりの新鮮野菜がすぐ厨房に届く距離も、料理人にとっては何よりの贅沢となります。

sato kitchen(サト・キッチン)の内観
(写真提供:高橋さん)

ハウス内で栽培されている花の前にて
将来展望
みのり農園とsato kitchen(サト・キッチン)が目指すのは、単なる生産や飲食にとどまりません。将来的には、農業体験や家族で土に触れていただく機会を通じて、食の背景にある物語を伝えていきたいとのこと。
現在は、県や市からの要請を受け、新規就農希望者の農場見学や意見交換等にも対応され、積極的に後進の育成に協力されています。
sato kitchen(サト・キッチン) HP(外部サイトへリンク)https://satokitchen.info//
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261




