土に触れる喜びから始まった農業の道
滋賀県栗東市|村田和美さん(まりゆ農園)
滋賀県栗東市下戸山の緑豊かな丘陵地。
春には“はなもも”が美しく咲き誇るこの地で、今、ひときわ注目を集める女性農業者がいます。
「まりゆ農園」で四季折々の果樹を育てているのが、女性農業者の村田和美さん。自然と向き合い地域と密につながりながら歩むその姿は、これから農業を志す人にとって大きなヒントに満ちています。

「まりゆ農園」代表の村田和美さん
就農のきっかけ
もともと会社勤めをされており、農業とは無縁の生活を送っていた村田さん。しかし、モノづくりが好きで将来は「自然の中で暮らしたい」、「野菜づくりがしたい」という思いから、農業体験へ参加したことが転機となりました。初めて触れた農の世界に魅了され、「これを仕事にしたい」と決意。今から17年前に農業への道を歩み始めました。
約11年前に設立した「まりゆ農園」の名前は、3人のお子さんの名前の頭文字に由来するとのこと。

いちごハウスでは「みおしずく」と「よつぼし」を栽培

収穫前のいちごと栗東いちじく
(写真提供:村田さん)
就農して苦労したこと
農業の現場は決して順風満帆ではありません。「一番苦労しているのは天候と獣害ですね」と語る村田さん。
長雨や猛暑など年々変化する気象条件は、作物の生育に大きく影響を及ぼします。加えて雑草管理や病害虫・獣害対策等、日々の作業は想像以上に多岐にわたります。
「計画通りにいかないことばかり。でも、それが農業の醍醐味でもあるんですよね」と、笑顔で語られます。
「まりゆ農園」の設立当初は野菜栽培が中心でしたが、気候変動や豪雨などの影響を受ける中で、より安定と可能性を求めて4年前から果樹栽培へとシフトしていきました。
やりがい
苦労の一方で、やりがいは確かな手応えとして返ってきます。自分の手で育てた作物がお客さんに喜ばれる。その実感こそが、日々の作業を支える原動力です。
また、作物の成長を間近で感じられることも楽しみの一つ。小さな芽が出て、実をつけるまでの過程に、自然の力強さと美しさを感じます。
「すべてを一人でこなす日々は大変」と語りながらも、その中にやりくりの知恵と楽しさを見出しています。
パック詰めされた「みおしずく」と「栗東いちじく」
(写真提供:村田さん)

栗東いちじくの誘引作業の様子
販売・出荷先
「まりゆ農園」で育てられた果樹は、地元の道の駅や市場・JAを中心に出荷・販売しています。
また、曜日限定ではありますが、農園での直売も実施しています。
最近では、SNSを活用した広報活動にも力を入れ、栽培の様子や収穫情報を発信し、少しずつファン層を広げています。
栽培方法や作物へのこだわり
村田さんの栽培哲学はとてもシンプルです。
「安心して食べられて、なおかつお手頃な価格で美味しいものを届けたい」。
肥料作りも含めてすべての工程を自身で管理し、出荷前には必ず味の確認を行い、自分が納得できる農産物だけをお届けしています。
また、必要以上に農薬や化学肥料に頼らず、自然の力を活かした栽培方法を心がけているのも特徴です。

ぶどうハウスでは10種類以上の品種を栽培

収穫期を迎え、大きく実ったぶどう
(写真提供:村田さん)
将来展望
村田さんの目標は、単なる農園の拡大・発展にとどまりません。
「栗東いちじくを地域ブランドとして広めたい」
「果物を求めて栗東に人が来るようにしたい」
と言う明確なイメージを持ち、さらに女性や若い世代の農業者が増えることも期待しています。
地域と共に成長し、農業の未来を作る
村田さんは、栗東市での新規就農者を増やすために「農地利用最適化推進委員」に就任し、希望者に対して自身が就農時に苦労した「農地の紹介」や「栽培技術の指導」等を積極的に行い、後進の育成にも力を注いでいます。
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261





