音楽を聴かせて育てる「甲賀ごきげんイチゴ」
滋賀県甲賀市|ストロベリーセクター 金谷絵里さん
甲賀市水口町今郷でいちご農園「ストロベリーセクター」を営む金谷絵里(かなやえり)さん。金谷さんのハウスでは、心地よい響きのクラシック音楽が流れ、いちごは真っ赤に色づき完熟するまで幸せいっぱいに育てられます。
農家の親族もなく、農業経験ゼロからスタートした金谷さんに、就農のきっかけや栽培へのこだわりについてお話を伺いました。
コロナ禍が背中を押した、農業への転身
金谷さんはもともと、Webデザインやピアノ講師などの在宅ワークをこなしながら、家庭菜園を楽しんでいました。しかしコロナ禍で取引先が次々と廃業、仕事が減り転職を決意します。ちょうど子育てもひと段落したタイミングで、かねてから「時間をかけて取り組みたい」と思っていた農業に本格的に踏み出しました。
いちごを選んだのは、お子様がいちご好きだったから、というシンプルな理由です。
甲賀市への就農相談をきっかけに滋賀県立農業大学校へ進学。技術習得はもちろん、そこで出会った同期生たちは今も情報共有やワークシェアリングを行う大切な仲間で、人脈面でも大きな財産となっています。

ストロベリーセクター 金谷絵里さん
(写真提供:ストロベリーセクター)

開花期を迎えたハウス内の様子
(写真提供:ストロベリーセクター)
農地探しが最初の壁
就農にあたって最も苦労したのが農地探しでした。電気・水道などのインフラが整った土地で、さらに直売を行うには人通りのある場所であることも条件のひとつ。空いている農地は多くても、面積や環境が希望と合わないケースがほとんどで農地探しは難航しました。最終的には農業委員に紹介いただき、引退希望の農家からハウスごと譲渡を受ける形で農地を確保。現在は既存のハウス3連に加え、育苗棟など計5棟を保有し、約10aの面積でいちごを栽培しています。
音楽を聴かせ「ごきげんさん」に育つ
金谷さんの栽培で最もユニークな取り組みが、ハウス内でクラシックなどの音楽をスピーカーで流すことです。音楽の力が植物の生長に影響するという話に興味を持ち導入しました。「自然界の風の振動と音の波動が似ているという説もあり、科学的なエビデンスは明確ではありませんが、私自身がご機嫌な気持ちで栽培に向き合えることも、きっとプラスになっていると思っています」と金谷さんは話します。 こうした想いを込めて育てたいちごは、「甲賀ごきげんイチゴ」のネーミングで販売。他のいちごとの差別化にもつながっています。

音楽を聴き幸せに育ついちご
(写真提供:ストロベリーセクター)

UV-B照射による病害虫対策
減農薬へのこだわり
もう一つ大切にしているのが、減農薬栽培です。
お子様にアレルギーがあったことも動機のひとつで、できる限りオーガニックに近い形を心がけています。
病害虫対策としては、UV-B(紫外線)照射を導入。
うどんこ病やハダニの抑制効果を期待して、育苗期からずっと毎晩自動照射しています。
使用する農薬も植物オイル系のものを使うなど、必要最低限にとどめながら、安全・安心ないちごづくりに取り組んでいます。
地域とのつながりを大切に
金谷さんが農業を続けていく上で大きな支えになっているのが、地域とのつながりです。保育園や老人ホームなどから依頼があった際には農園での交流の機会を設けるなど、地域の人々との関係を丁寧に育んでいます。
また、オフシーズンでもいちごの魅力を届けられるよう、冷凍いちごを使用したフローズンドリンクやパン屋とコラボしたいちごパンをマルシェで販売することにも挑戦。ゆくゆくは6次産業化にも取り組み、年間を通じていちごを楽しんでもらえる農園をめざしています。

マルシェでの販売の様子
(写真提供:ストロベリーセクター)

自分らしく農業に向き合う金谷さん
(写真提供:ストロベリーセクター)
自分のペースでご機嫌に
音楽が流れるハウスのほかにも、小屋には愛車だったバイクの写真を中心にお気に入りの装飾が施されており、大好きなものに囲まれて気分良く作業されていることがわかります。
「自分のペースでご機嫌に農業を続けていきたい」
これからも優しく幸せに育ったいちごを皆さんにお届けしていきます。
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滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261




