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近畿農政局

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障がい者の就労支援を野菜工場で

滋賀県大津市|はぴねすファーム


滋賀県大津市の浜大津に障がい者の方が水耕栽培で葉物野菜を栽培し、出荷、販売を行う障がい者B型就労支援施設『はぴねすファーム』が令和3年10月18日に開所されました。
同施設を運営するのは、滋賀県や京都府で在宅医療を中心とした訪問介護やリハビリ、鍼灸など5店舗を展開する『株式会社GEN NAKAMURA』です。
開所に至った経過は、鍼灸師、理学療法士でもある中村元一社長が、その仕事を始めた最初の患者さんが脳性小児麻痺の4歳の女児だったのですが、その方が社会人となった現在、障がい者として働く環境が厳しく、何とか支援できないかと考える中、水耕栽培で障がい者の就労支援を行っている事例を知り、『はぴねすファーム』の開所に至ったとのことです。 

ビルの3階に開所したはぴねすファーム

ビルの3階に開所した『はぴねすファーム』
この中に121平方メートルの葉物野菜の水耕栽培施設があります。


施設内の水耕栽培の棚4段の水耕栽培棚が5列設置されています  照明はLEDですが特別なものを使用されているとのこと

施設内の水耕栽培の棚、4段の水耕栽培棚が5列設置されています。
照明はLEDですが、特別なものを使用されているとのこと。

 

レタス  ベビーリーフ

現在、栽培されている野菜は、レタス、サンチュ、ベビーリーフ等です。
それぞれの野菜によって、出荷までの生育期間は異なりますが、レタスで播種後40日程度とのことでした。(左から、レタス、ベビーリーフ)


出荷・販売は特に行っておらず、『はぴねすファーム』の活動の趣旨に賛同するサポート企業や個人から、1ヶ月単位で棚の大きさにより買い取ってもらうシステムになっています。現在は、12組の支援者が決まっていますが、今後、興味や関心を持つ支援者を増やす予定で、取材当日も2組の方が話を聞きに来られていました 。

取材に応じていただいた職員の西内嵩人さんのお話では、現在、通所者は9名ですが、検討されている方が4名いらっしゃるとのことでした。当該施設は障がい者B型就労支援施設ですが、同様施設の1ヶ月当たりの平均賃金が22,000円程度となっている中、それを上回る賃金となるよう多数の支援者を確保したいと、抱負を語っていただきました。なお、通所者は時間や通所日数等、その人に合った通所を選択できるとのことでした。

西内さんは医療の資格を持っており、通所者が作業中に何かあっても安心して仕事をしてもらえるのが強みとのことでした。
当面は、通所者と支援者の拡大に取り組まれ、障がい者であっても月額10万円の賃金が得られるように頑張ることや、現在の施設は障がい者B型就労支援施設※ですが、将来的には障がい者A型就労支援施設※も開設したいと話されていました。

障がい者A型就労施設とは、一般就労の難しい障がいや難病のある方が事業者等と雇用契約を結んだ上で、一定の支援がある職場で働くことができる施設です。一方、障がい者B型就労支援施設は事業者と雇用契約を結ばず、利用者が作業を行った分を賃金として受け取る非雇用形態で働ける施設です。


取材の対応をいただいたはぴねすファーム職員の西内崇人さん

取材の対応をいただいた『はぴねすファーム』職員の西内崇人さん

 

お問合せ先

滋賀県拠点 地方参事官室
TEL:077-522-4261