「こだわりの高糖度の桃を、和歌山・山東の地から届けたい!」
和歌山県 和歌山市 山本農園 山本康平さん
和歌山市山東地区で高糖度の桃の栽培に挑戦している山本康平さんにお話を伺いました。
〇家業である農業を守りたい
11代続く農家の家系に生まれた山本さんは、子どもの頃から農作業を手伝い、果樹に囲まれた環境で育ちました。
大学卒業後は大阪市で教員として働いていましたが、父親が果樹園の大幅な縮小を計画していることを知り、「代々続いてきた農業を継承しなければ」との思いから24歳の時に就農を決意しました。
山東地区は、温暖な気候に恵まれ、果樹栽培に適した地域です。
山本さんは、何か特徴のある果樹の生産に挑戦したいと考えていましたが、この地で栽培される果樹には「あら川の桃」のようなブランド力がなく、経営の方向性に悩んでいました。
そんな折、大阪府岸和田市包近町の桃農家が「最も高いブリックス値(糖度)を記録した桃」としてギネス世界記録に認定されたことを知り、高糖度の桃づくりへの挑戦を決意します。
取り組みのヒントを得るために各地の果樹農家を訪ね、栽培に対する考え方や工夫を学んでいきました。
〇BM農法との出会い
これまでの学びを生かし、和歌山市山東の農園で栽培方法の改良に取り組み始めました。
園地は栄養素を豊富に含む赤土土壌で、木が必要以上に栄養を吸収しやすく、味に締まりのない果実になってしまうことがありました。
また、有機質肥料である骨粉は、分解に時間がかかり、地中で十分に活用されにくいという課題も抱えていました。
こうした課題を解決したのが、BM農法(※)です。父親の長年の経験も踏まえながら試行錯誤を重ね、土壌微生物による栄養分解を調整する栽培方法を少しずつ形にしていきました。
その積み重ねが実を結び、2019年には「和歌山初の糖度30度超えの桃」の栽培に成功しました。
※BM農法とは、一般的にバクテリア(B)、ミネラル(M)を活用し、作物の生育環境の最適化を図る農法とされている。
「糖度32.70%の桃」達成時の写真(山本さん提供)
土壌微生物の活動を促進するため、除草剤不使用の草生栽培で桃を育てています。
山本さんは、「自宅にいながら、短い時間で“感動”を与えられるものは食べ物だけ。その中でも、高糖度の果物で多くの方に感動を届けたい」と語ります。
また、「山東地区周辺は農家が少なくなってきている。だからこそ、胸を張って農業に取り組める、誇れるモデルケースになりたい」と地域への思いも抱いています。
現在は6haを超える農地で、桃やスモモ、柿、かんきつ類などを栽培しており、収穫した果物はすべて光センサーで糖度を測定し、品質を可視化。
自宅前の直売所やファーマーズマーケット、インターネット通販を通じて、こだわりぬいた高糖度の果物を消費者に届けています。
「糖度30度超えの桃の栽培は、そう簡単ではありません。皆さんに“これは美味しい”と心から感動してもらえる果物を、一つでも多く生産できるよう、日々探求を重ねていきたい」。
高糖度の桃づくりへの挑戦は、これからも続いていきます。
和歌山市奥須佐60
http://fruit-yamamoto.com/waka/ (外部リンク)
(取材日:令和8年5月21日、6月12日)
お問合せ先
和歌山県拠点
ダイヤルイン:073-436-3831




