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東北農政局

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秋田地域からの便り(令和3年度)


秋田の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

母なる大地が生み出す恵み 農産物直売所「Mother Earth」の奮闘 -秋田県・大仙市-(2022年3月22日掲載)

仙北市角館から秋田市に至る国道46号線沿いに、1年を通して野菜や加工品などを取り扱う、真っ赤なトマトのイラストが目印の農産物直売所があります。直売所の名前は「Mother Earth」。その直売所の運営を任されているのが、佐川亜希子さん。
 
亜希子さんは、実家の農事組合法人の理事として野菜栽培に取り組みながら、トマトを使った加工品の製造、農産物直売所の運営、そして2人の娘さんの子育てなどに日夜奮闘している農業女子です。
 
きっかけは、近所にあった直売所が高齢を理由にやめることになったこと。亜希子さんは新たに直売所をオープンさせることを決意し、実家の農事組合法人が所有する施設を改修して2019年7月に開店しました。
 
豪雪地帯で農家が1年を通じて直売所を運営するには、「いかにして品揃えを豊富にするか」などの課題も多く、冬期間は休業せざるを得ない直売所も少なくありません。
 
そんな中、「Mother Earth」は、自らビニールハウスで葉物野菜などを栽培するとともに、近所のおばあちゃん達からの出荷物や近隣に住む女性農業者のネットワークを駆使して品揃えの充実を図っています。また、亜希子さんは「規格外となったトマトを活用できないか」と加工品の開発に取り組み、2年越しでシート状に加工したスープの素「TOMAMI」を完成させました。自分が栽培したトマト、たまねぎ、バジル等と調味料でスープを作り、煮詰めながら時間をかけて乾燥させシート状にしたもので、お湯さえあれば濃厚なトマトスープが出来上がる優れものです。賞味期限が8ヶ月もあり長期間保存できることから、防災用の保存食としても重宝されています。
 
オープンから3シーズン目を迎えた今冬は、例年を上回る積雪があり、悪戦苦闘の日が続いていますが、亜希子さんは「近所にはコンビニなどもないため、野菜以外の日用雑貨なども含めて品揃えを充実させ、地域の方に頼ってもらえる直売所にしていきたい。」と話してくれました。

  

  • お問合せ先:野菜直売所「Mother Earth」 佐川 亜希子
  • 住所:秋田県大仙市協和稲沢字水沢99-1
  • 電話:090-9741-5790
  • 営業時間:7月から11月[8時30分から12時00分](月~金曜日 営業)
  •               12月から6月[9時00分から12時00分](水・木・金曜日のみ営業)
  •               ※臨時休業もありますのでご了承願います。
  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5611


母なる大地が生み出す恵み 農産物直売所「Mother Earth」の奮闘

真っ赤なトマトが描かれた直売所

真っ赤なトマトが描かれた直売所

冬期間は葉物野菜を中心に品揃え

冬期間は葉物野菜を中心に品揃え

シート状に加工したトマトスープの素「TOMAMI」

シート状に加工した
トマトスープの素「TOMAMI」


佐川亜希子さん

佐川亜希子さん

(写真:秋田県拠点職員 撮影)

自然栽培と消費者をむすぶ・つなぐ「野育園」の取組み -秋田県・潟上市- (2021年12月6日掲載)

秋田市の北西、男鹿半島の付け根に位置する潟上市飯田川(いいたがわ)地区に「ファームガーデンたそがれ」があります。
代表の菊地晃生(きくち こうせい)さんは、ランドスケープデザインという異分野からの帰農者です。
ここでは、自然栽培等で水稲、大豆をはじめ、「沼山大根」や「かなかぶ」といった伝統野菜等数多くの作物を栽培し、加工を行っています。菊地さんが慣行栽培に疑問を感じ、自然栽培へとシフトしていったこの10年の過程は、決して平坦ではなかったそうです。しかし、冬期湛水にチャレンジした水田に、5~6年経過後にやっと白鳥が飛来した時や、手作業での水田除草時に見つけたきれいな青や黄色のイトトンボ、ナマズやサンショウウオ等、試行錯誤している中でも次第に豊かになってゆく生態系の様子に感動したそうです。 
  
ファームガーデンでは、農作業体験だけでなく、田植えが終わったら「笹巻き」を作って「さなぶり」をしたり、年末には「餅つき」や「しめ飾り」を作るといった、農家の1年を通じた一連の行事を参加者が体験できる「野育園(のいくえん)」も運営しています。取材に伺った日は、参加者の皆さんが楽しそうに談笑しながら小豆の脱穀をしており、子供達が田んぼの畦を走り回ったり、杭がけ乾燥した稲束を一輪車に乗せて運ぶ男の子の姿もありました。この「野育園」は、菊地さんが農園で農作業しながら自らの子育てを行う様子や自然の様子をSNS等で発信していたところ、「自分の子も同様の体験をさせてもらえないか」との要望があり、発展させたものです。ここに来れば、菊地さん一家が体験したような感動や自分が手がけたお米や野菜を食べる喜びだけでなく、安心感、充実感を得ることができると、現在「野育園」には120名の方が参加しているそうです。
  
ファームガーデンは今年度、秋田県の「魅力ある里づくりモデル地域」の指定を受け、今まで培ってきたネットワークで「野育園」を中心とした様々な取組みを行うための拠点作りに取りかかっています。既に漁師さんが釣ってきた魚をさばく交流イベント「地魚マルシェ」が開かれたほか、今後は大学生グループと連携して地域の子供達の勉強室を作る等の取組みも予定されているとのことです。ファームガーデンの取組みは、有機農産物の生産や有機農業の拡大に必要な消費者との交流にとどまらず、環境や社会への波及効果も期待されるところです。 
 
農園名の「たそがれ」の由来は、菊地さんの育った秋田の沿岸部の原風景「見ているだけでなぜか涙が出てくる日本海の夕景」とのことですが、「黄昏期のこの世の中でも楽しみを見つけていこう」という意味も込められているそうです。
取材からの帰路は、晩秋の空が黄昏に染まっていました。

  

  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5611


自然栽培と消費者をむすぶ・つなぐ「野育園」の取組み
菊地晃生代表

菊地晃生代表
小豆の脱穀をする「野育園」参加者の皆さん

小豆の脱穀をする「野育園」参加者の皆さん
地魚マルシェの様子

地魚マルシェの様子
ファームガーデンたそがれの加工品の数々

ファームガーデンたそがれの加工品の数々

(写真:1,2,4枚目 秋田県拠点職員 撮影、3枚目 ファームガーデンたそがれ 提供)

異業種からのブルーベリー栽培で広がる繋がり -秋田県・八峰町- (2021年9月6日掲載)

民謡、秋田音頭で「秋田名物八森ハタハタ」と唄われている八峰町は、日本海に面した秋田県最北部に位置し、新鮮な魚介類が豊富で、江戸時代から受け継がれてきた伝統の手打ちそば「石川そば」もよく知られています。
その八峰町で、砂取場を営んでいる株式会社青森グローバル産業(本社:青森県深浦町)は、砂取場の下層にブルーベリーの栽培に適したピートモス層があることを発見し、10年前からブルーベリーの栽培を始めました。
その3.5ヘクタールの園地では、当初300本だった苗木が、現在24種類約6000本まで増えています。「道の駅みねはま」の隣にある観光スポット「ポンポコ山公園パークセンター」の近くという地の利を生かして、昨年から観光農園を開設し、ブルーベリーの摘取体験を始めました。

新型コロナウィルス感染症拡大の中、野外で行う摘み取りが好評を得たため、今年も7月3日からブルーベリー畑を開園しました。今年は、密を避けるため予約制で摘取体験者を受け入れており、取材に訪れた7月14日は、「認可保育園八森こども園」の年長組の園児16名と保護者15名が来園し、親子で摘取体験を楽しんでいました。参加した園児たちは、摘み取ったブルーベリーを頬張ると「甘い!」「酸っぱい!」等と声をあげながら農園を駆け回っていました。
昨年も参加した園児は、慣れた様子でぶどうのように大きなブルーベリーを摘み取り、得意げに見せてくれました。
園児の笑顔に囲まれた小林社長は「ブルーベリーの栽培は、10年かけてここまで広げてきた。農薬を使っていないので、虫は人の手で取るしかないためとても手間がかかる。収穫したブルーベリーは、パック詰にして峰浜と二ツ井の道の駅で販売しているが、「くろうの実」(大粒)、「北風こぞう」(中粒)という商品名は、孫がつけてくれ、パッケージのイラストは地元の親戚に作成してもらった。」と目を細めて話してくれました。

収穫量が年々増加していることから加工品にも取り組んでおり、昨年は果汁100%のブルーベリージュースを委託製造し、500ミリリットル入りと180ミリリットル入りの2種類を販売しており、500ミリリットル入りは既に完売してしまったそうです。
また、ブルーベリーの葉を使ったお茶の製造にもチャレンジし、北限のお茶で知られている檜山茶の製造元(能代市)と連携して試作品を作りました。ラビットアイ系という品種のお茶は、薄いピンク色で、かすかにブルーベリーの酸味が感じられる爽やかな飲み口です。他にも葉を粉末にしたお茶の試作も行っています。

ブルーベリーの栽培をきっかけに、檜山茶の製造元との繋がりもできたことから、檜山茶の栽培を増やすため挿木の技術確立に試行錯誤している製造元の力になろうと、ブルーベリー栽培のノウハウを生かして檜山茶の挿木実証実験にもトライしている小林社長。今後はブルーベリーを使用したリキュール製造もしてみたいと、まだまだブルーベリーを活用した加工品の取り組みと、それに関わる人との輪が広がりそうです。

  

  • お問合せ先:株式会社青森グローバル産業
  • 住所:秋田県山本郡八峰町峰浜沼田字明神長根30-1
  • 電話:0185-76-2826
  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5639


異業種からのブルーベリー栽培で広がる繋がり
ブルーベリーを摘み取る園児と保護者

ブルーベリーの摘み取りに訪れていた「八森子ども園」の園児と保護者の皆さん
目印ののぼり旗

ポンポコ山の麓、のぼりが目印(右奥のブルーのネットがブルーベリー畑)
販売されているブルーベリー

道の駅で販売しているブルーベリー
笑顔で話す小林社長

ブルーベリーを利用した今後の取組を笑顔で話す小林正信社長

(写真:秋田県拠点職員 撮影)