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東北農政局

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秋田地域からの便り(令和6年度)


秋田の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

江戸時代からの伝統の味を今に伝える「檜山納豆」-秋田県・能代市-(2025年3月5日掲載)

秋田県能代市の東、三種町との境に位置している檜山(ひやま)地域には、秋田県の代表的民謡「秋田音頭」の歌詞にも出てくる「檜山納豆」があります。その檜山納豆を江戸時代から代々家伝を守り、伝統の味を今に伝え続けている「元祖檜山納豆株式会社(西村省一代表)」を紹介します。

~檜山納豆の歴史~
檜山納豆発祥について、言い伝えによると、この地を統治していた檜山城主安東秋田氏の時代(1452年頃~1602年)に下級武士が家計を助けるために作り始めたとされており、江戸時代中期以降、家伝の秘法として3軒に限られ製法が伝授されたそうです。明治時代に入り2軒が廃業となり、唯一、製法を守り続けたのが、現在の元祖檜山納豆株式会社で、西村代表は、西村庄右衛門(屋号)として15代目を継承しています。

~今も生き続ける伝統製法~
「檜山納豆わらづと」は、自然乾燥にこだわった国産の稲わらをひとつひとつ手づくりで、舟形にした「わらづと」と呼ばれる容器を用います。また、原料となる大豆は、JAあきた白神管内で生産された「あきた白神大豆(品種名:リュウホウ)」100%にこだわり、伝統製法を守り昔ながらの味を今に伝えています。わらづとを使うことで、稲わらを開けた時の芳香が濃く、豆一粒、一粒に「ちりめんじわ」ができ、大豆本来の噛み応えのある食感が、「檜山納豆わらづと」の特徴だそうです。

~伝統とこれから~
人口減少や少子高齢化の影響により、元祖檜山納豆株式会社においても人手不足等の問題に直面しているそうです。西村代表は、「これまで、江戸時代からの家伝を守ってやってきた。古いものを守ることは今の時代にそぐわない部分もあるが、これからもひたすら地道に作り続けていきたい。」と今後への思いを話されました。
最後に、おすすめの納豆の食べ方をお伺いしたところ「すりおろしたニンニクと味噌を加えたわらづと納豆が、赤ワインとの相性がバツグン。」とのお答え。
是非、江戸時代から令和まで続く伝統の味「檜山納豆わらづと」を一度ご賞味ください。

お問合せ先:元祖檜山納豆株式会社
住所:秋田県能代市檜山字檜山町19-1
電話:0185-58-5046
ホームページ:http://www.hiyama710.com[外部リンク]


15代目西村庄右衛門
こと西村省一代表

元祖檜山納豆株式会社

熟練の技でひとつひとつ手作り

江戸時代からの伝統の味
「檜山納豆わらづと」
(写真:1,2枚目 秋田県拠点職員撮影、3,4枚目 元祖檜山納豆株式会社提供)

もちもちの忠さんちの米粉パン-秋田県・湯沢市-(2024年12月5日掲載)

湯沢市は、周囲を奥羽山脈、栗駒山麓、出羽丘陵に囲まれた内陸に位置する盆地で、気温差が大きく、水稲、果樹、野菜作りに適しています。冬は降雪量が多く、小正月には犬やお堂の雪像を作り厄除けや安全を祈願する「犬っこまつり」が行われ、冬の風物詩となっています。
相川地域の「農業生産法人株式会社相川ファーム」では、農林水産省の「六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画」を活用し、加工部門として「忠さんちの米粉パン工房」を整備して、自社栽培の米を原料とした米粉を使い、パンの製造・販売を行っています。代表取締役の菅 忠一郎氏は、地域の方々や関係者から「忠(ちゅう)さん」の愛称で親しまれていることから工房名に取り入れました。
原料の米粉は、忠さんが環境に配慮し栽培したあきたこまちを使用しており、工房では役員で奥さんの幸子さんが腕を振るってパンを焼いています。道の駅や市役所売店で販売する「食パン」は人気で、その日の気温、湿度にあわせパン生地の水分やこねる時間を調整し、丁寧に焼き上げています。
他にも、季節の旬の野菜や果物を使ったパンの種類は豊富で、中でも、サクサクもっちりの「ミニクロワッサン」や、パン以外では自社のさくらんぼを使い、しっとり焼き上げた「さくらんぼと米粉のパウンドケーキ」も人気があり、全国各地から注文が入ります。
パンの製造を休止していた時期がありましたが、「忠さんちの米粉パンを食べたい」とのお客様の声が多く、要望に応え再開しました。その際、従業員の雇用も考えましたが製造量や作業効率から、現在も幸子さん一人で工房を切り盛りしています。これからもお客さんがいる限り、続けていきたいと話されました。
お二人の愛情がこもった「忠さんちの米粉パン」のもっちりとした食感を味わってみてはいかがですか。

お問合せ先:株式会社   相川ファーム
住所:秋田県湯沢市相川字新木野205
電話:0187-79-3175
ホームページ:http://tyuusanchi.com/[外部リンク]

焼きたての食パン サクサクもっちりのミニクロワッサン 焼き上がりを慎重に見極めます 左から忠さんとパン工房を
担当する奥さんの幸子さん

(写真:1,3,4枚目 秋田県拠点職員撮影、2枚目 相川ファーム提供)

伝統の朝市に吹いた新しい風「ごじょうめ朝市plus+」 -秋田県・五城目町-(2024年9月5日掲載)

秋田県五城目町は、秋田市の北側、男鹿半島の東側に位置する農業と林業の町でありながら、古くから製材、家具、建具、打刃物、醸造などの製造業、また交通の要衝として商店街が発達した町でもあります。
日曜日、町の中心部を歩くと通称「朝市通り」では、500年以上の伝統を誇る定例の露店市「五城目朝市」が開催されていました。
季節の山菜や野菜を売る店に混じり、お菓子やアクセサリーを並べた若い人の店も目立ちます。会場は子供からお年寄りまで大勢の人出で賑わい、名物の「だまこ鍋」には行列が出来ていました。
しかし、かつてはこのような朝市も人口減少の波に晒され、だんだん店や客足も少なくなり、存続を心配された時期もあったそうです。
2016年、そのような状況を何とかしたいと、地元の女性や地域おこし協力隊員が中心となって町に働きかけ、朝市の開催日(毎月下一桁に2、5、7、0のつく日)と日曜日が重なる日を、町外の人も含め誰もが気軽に出店でき、自由に自分を表現しできる場、「ごじょうめ朝市plus+」として開催することにしました。
それからの朝市は店や商品の種類も増え、再び若い人も訪れるようになり、賑わいを取り戻しました。今では町外からの出店者も増加し、「そっちの方が多いくらい。」と言う人もいます。
また、通りの周辺には、空き家を利用したお店がいくつも開店するという効果も生まれ、今では珍しくなった「商店街」の姿も見せています。
五城目町は、移住者の受入れにも積極的なので、ここで起業する若い人も大勢います。他で生まれ育った人も仲間に入りやすい。そんな雰囲気がこの町の魅力なのではないでしょうか。

お問合せ先:地域交流センター「五城目朝市ふれあい館」
住所:秋田県南秋田郡五城目町下タ町182
電話:018-852-5110

朝市通り買い物客で賑わう朝市通り 若い人のお店もたくさんあります 季節の山菜季節の山菜も盛りだくさん だまこ鍋「だまこ」が7個も入った
ボリュームたっぷりの「だまこ鍋」

(秋田県拠点職員 撮影)