秋田地域からの便り(令和7年度)
|
|
途絶えかけた伝統を守り次の時代へ「秋田八丈」-秋田県・北秋田市-(2026年3月5日掲載)
秋田八丈とは、江戸時代に生まれ、230年を超える歴史をもつ伝統工芸で、ハマナスやヤマツツジ、蘇芳(すおう)、苅安(かりやす)等の根、皮、葉を染料として用い、黒・黄・鳶色(茶)の三色を基調とした格子柄や縞柄の絹織物のことです。明治時代に入ると、秋田市内に27軒以上の機織場で年間6万反もの織物が生産されていましたが、日露戦争後の不況や社会の西欧化、近代化とともに衰退。昭和4年以降、唯一操業していた滑川機織場も平成15年には廃業し、生産が途絶えてしまったそうです。
奈良田登志子さんは、滑川機織場で昭和53年から25年間働き、秋田八丈の技能向上に励まれたそうです。その甲斐あってか、廃業した滑川機織場より機材一式を譲り受け、平成18年、地元北秋田市に「秋田八丈ことむ工房」を創設、途絶えていた秋田八丈の技術を復活させ、噂を聞きつけた県内の秋田八丈ファンで賑わったそうです。
令和5年には、来客の利便性や作業場の効率化のため、国道沿いの現在地に工房を移転し、工房名を「秋田八丈はまなす工房」と改めました。奈良田さんは、秋田八丈唯一の伝承者として伝統技術を守りつつ、新たな商品開発に挑戦するなど、機織作りを実践していることが評価され、令和7年11月に「現代の名工(厚生労働省)」を受賞しました。
一方、藤原健太郎さんは、岩手県出身で薬学部卒業の経歴の持ち主です。インターネットで見た秋田八丈の鳶色(茶)に一目惚れ、即座に弟子入りを決めたそうです。初めての機織り作業の時は、「心臓が飛び出るくらい緊張した。」とのこと。3年目を迎え、作業工程は一通りできるようになりましたが、予期せぬトラブルへの対処方法については、「経験を積んでいる最中」と後継者として日々研鑽を積んでいます。
秋田八丈の新たな魅力を発信するため、現在は、洋服飾デザイナーとのコラボレーションや海外への販路拡大を計画しているそうです。藤原さんからは、今は経営を安定させることが大事。将来的には、秋田八丈が絶えることがないよう、奈良田さんの元、5名程度の職人が育ってくれたらと話していただきました。隣で聞いていた奈良田さんは、「5人も無理だぁ。私は趣味で秋田八丈を織っていたいのに~!」とまんざらでもない様子でした。
みなさんも一度、現代の名工が織った秋田八丈を手に取ってみては、いかがでしょうか。
お問合せ先:伝統工芸 秋田八丈はまなす工房
住所:〒018-3301 秋田県北秋田市綴子字糠沢上谷地290-2
電話(FAX兼用):0186-62-0118
ホームページ:https://akita8jo-hamanasu.com/ [外部リンク]
![]() 奈良田登志子さんと 地域おこし協力隊の藤原健太郎さん |
![]() 鮮やかに染められた絹糸 |
![]() 長年使い込まれた機織機を使った 機織り作業 |
![]() 江戸時代から引継がれた 伝統工芸「秋田八丈」 |
「NAMAHAGEダリア」~色彩・花形・圧倒的な存在感の魅力~-秋田県・秋田市-(2025年12月5日掲載)
みなさまは「NAMAHAGEダリア」をご存知ですか。
秋田の民俗行事「ナマハゲ」の名を持つこのダリアは、秋田国際ダリア園と秋田県が共同開発した「秋田県オリジナルダリア」です。前年の新品種から候補を4~5品種選び、試験栽培を行い東京大田市場での人気投票をもとに関係者が協議して決定します。「NAMAHAGEダリア」は色彩や花形の多様さ、そして圧倒的な存在感が魅力で、2012年から現在まで44品種がラインアップされており、今年は「NAMAHAGEトゥンク」が登録されました。
秋田国際ダリア園で、日本を代表するダリア育種家で会長の鷲澤幸治(わしざわこうじ)氏と、会長の次男で園長(社長)の鷲澤康二(わしざわやすじ)氏が新たな「NAMAHAGEダリア」誕生を目指し育種を行っています。
ダリアは、メキシコや中南米の標高の高い冷涼な地域原産のキク科の多年草です。多くの品種があり花色が豊富で多様な花形、豪華で優雅な見た目など、さまざまな魅力があります。もともと暑さは苦手で15~25度くらいの気温を好みます。品種によって草丈が長くなりやすい、短くなりやすい、咲いている花の次の枝が伸びやすい、伸びにくいなどのさまざまな特性がありますが、栽培方法の基本は同じだそうです。
秋田空港から車で10分、秋田市雄和にある「秋田国際ダリア園」では1.2ヘクタールの園内に二人が育種したダリアを中心に世界14カ国、約700品種、7千株のダリアが栽培され、インパクトのある大輪をはじめとした色とりどりの美しいダリアが一面に咲き誇り来園者の目を楽しませております。
ダリア園を見下ろす丘の上にはレストランがあり、広々とした園内のダリアを観賞しながら食事を楽しむこともできます。毎年9月下旬から10月が見頃となっております。本年は営業を終了してしまいましたが、ぜひ来シーズンはダリア園を訪れ、沢山の花の中から自分好みのダリアを探してみませんか。
お問合せ先:秋田国際ダリア園
住所:秋田県秋田市雄和妙法字糠塚21
電話:018-886-2969
営業期間:8月13日~11月上旬 9時~18時まで
※時期によって異なります。
ホームページ:http://www.akita-dahlia.jp/ [外部リンク]
![]() ダリア園の風景 |
![]() 「NAMAHAGEダリア」シリーズ ネーミングは「トゥンク」 |
![]() 切り花を使ったデコレーション |
![]() 会長の鷲澤幸治氏(左)と 社長の鷲澤康二氏(右) |
地産地消でジェラートは無限大-秋田県・横手市-(2025年9月5日掲載)
JR横手駅東口から徒歩5分くらいのところに、ジェラート専門店「GELATERIA SHEETA(ジェラテリア シータ)」があります。マネージャーの高橋麻衣子さんによると、ジェラートは、地元横手市産を中心に秋田県内の新鮮な野菜、果物、玄米等の農作物を素材として使用しています。特に旬の野菜や果物は、地元の農家が提供してくれる規格外品を積極的に活用することにより、農家の方々からはフードロス削減につながる取組になるため喜ばれています。また、生産現場へ直接足を運んで、農家とコミュニケーションをとりながら、素材本来の甘さを生かしたレシピのジェラート作りにこだわっています。
ジェラート専門店を始めたきっかけは、同店のほかに横手市内で複数の飲食店を経営している小松太史(たいし)代表が、コロナ禍で客足が遠退き、用意した食材を毎日のように廃棄しなければならなかったため、賞味期限などを気にせずお客さんに提供できるものはないかと思いついたのがジェラートでした。しかし、ジェラートを作るノウハウが全くなかったため、飲食店のお客さんから岩手県雫石町にある人気のジェラート店「松ぼっくり」を紹介してもらい、代表を含めたスタッフ3名が1年間通って研修を受けました。そこで、ジェラートに関する技術や経営のノウハウ等を習得したそうです。店の名前の「SHEETA」には複数の意味が込められていますが、一番の理由は代表の名前を反対から読むと「シイタ」になるから決まったといいます。
店をオープンしてから今年で4年目となり、「近隣の障がい者就労の支援事業所が運営する施設にジェラートカップへの食品表示シール貼付け作業の委託」「JR横手駅構内で高校生が運営するジェラートショップの監修」「学生のインターンシップ受入」など福祉就労支援、学生支援等の取組も積極的に行っていると話がありました。ほかにも、地元のイベントや観光協会主催のまちおこしなどで、提供するオリジナルジェラートの製造も手がけています。
夏野菜の収穫も本番を迎え、アスパラガス、ブロッコリー、春菊などを使ったジェラートが店先に並び、その種類は150以上もあるといいます。一押しは桃を使ったジェラートです。種類は地元の豊富な食材のおかげで今後もどんどん増えていくそうです。横手市のご当地グルメ「横手やきそば」を堪能した後に、GELATERIA SHEETA でお好みのフレーバーを味わって、クールダウンしてみてはいかがですか。
お問合せ先:GELATERIA SHEETA
住所:秋田県横手市寿町9-8 寿ビル1階
電話:080-4514-8129
営業時間:11時00分~18時00分
定休日:不定休
ホームページ:https://gelateria-sheeta.com [外部リンク]
![]() 店舗の外観 |
![]() 店内のショーケース (日本酒、サキホコレもあります) |
![]() 桃のジェラート:シングル (組合せ豊富なダブルもできます) |
![]() マネージャーの高橋麻衣子さん |
















