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東北農政局

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青森地域からの便り(令和7年度)


青森の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

地元農産物の魅力をジェラートで発信する「農家の刺客」~つがる市に誕生した、ユニークなジェラート店~-青森県・つがる市-(2025年10月20日掲載)

青森県つがる市にある農産物直売所「じょっぱりの里」に、令和5年4月にオープンした地元農産物を活かしたジェラート店「農家の刺客(しかく)」があります。

店長の東野さんによると、店名の「刺客」は、農家に住み着いた猫が県外へ美味しいものを届けるというユニークなコンセプトに由来しており、農業の人手不足や後継者不足といった課題に対して、猫が”刺客”として活躍するという物語性が込められているそうです。

ジェラートには、地元つがる市産で、「さんようGARDEN」さんが供給するながいもを使用しています。すべてのフレーバーのベースとして活用されており、粘りがあり、もっちりとした食感が生まれます。
特に「もっちりとろろ」や今年登場した新フレーバー「もっちりまっちゃ」には、特別粘るながいもを使用しており、食感の違いが楽しめます。
現在、新しいフレーバーの試作も進められており、使用する素材はつがる市産の農産物。地域の魅力をもっと広めるきっかけになると期待されています。

今年の夏は猛暑の影響もあり、特に8月は2割ほど来店者が増加したとのことです。また、ねぶた祭りの影響などもあり、外国人観光客の来店も多くみられました。
地域の方々の中には新商品が出るとすぐに購入してくれる方や、新商品を心待ちにしている方もおり、応援が励みになっているそうです。

東野さんは、「ながいもを使っていると聞くと、『えっ、野菜?』と思われるかもしれませんが、一度食べていただければ、その美味しさが伝わるはずです。ぜひ足を運んで、つがる市の魅力をジェラートで味わってみてください。」と話していました。

お問合せ先:「農家の刺客」つがるファクトリー
住所:〒038-3102 青森県つがる市柏下古川花崎112-2 つがる市農産物直売所
電話:090-2709-5018
WEBページ:https://nouka-shikaku.com/[外部リンク]

農家の刺客の店長東野さん
ジェラート店「農家の刺客」の
店長・東野さん
個性豊かな14種類のフレーバー
つがる市産のごぼうを使った「ごぼう茶」など、個性豊かな14種類のフレーバーが店内にずらり。見た目も鮮やかで選ぶのが楽しくなります。
持ち帰り用ジェラート
持ち帰り用ジェラート
かわいらしい”刺客”たちがあなたを
狙っているかも?
購入したジェラートのフレーバー
左から「縄文(くるみとマロン)」、
「もっちりまっちゃ」、「メロンとチョコレート」。
もっちり食感が癖になります。


(写真:青森県拠点職員撮影)

元イタリアンシェフが継ぐ南部地方の羊食文化(NPO法人階上フロンティア)-青森県・階上町-(2025年7月22日掲載)

青森県の南部地方は、冷涼な環境を好む羊には理想的な気候風土で、階上町には約半世紀前から育羊の歴史があり、最盛期には10数軒の羊農家が存在していました。
NPO法人階上フロンティア理事長の関口さんは、ローマでの修行経験をもつイタリアン料理人で、2006年に東京都からIターンで八戸市に移り住んできました。
八戸市に移住して地元食材への興味が高じ、階上町で蕎麦職人に転身したところ、町内の産地直売所で、羊農家をしていた堰合(せきあい)勝美さんの食用羊と出会いました。出会った当時、階上町には羊農家が1軒のみで70代の高齢で、後継ぎもいないため辞めるつもりだと聞き、消えつつある階上町食用羊の文化を、ここで途絶えさせてはならない、と思う使命感から農業経験ゼロにもかかわらず堰合さんに弟子入りを志願して2015年に事業を継承しました。
当初、サフォーク種の原種7頭を譲り受け、元町営スキー場の遊休地を借り、自力で草刈りや柵張り作業を行いました。大人しく飼いやすいと思っていた羊は、実は凶暴で毎日が格闘だったそうです。周囲の皆さんの助けや協力もあり、羊飼いになって10年目の現在は約70頭を飼育し年間約20頭を出荷できるようになりました。
牧草を中心とした飼料に、隣町の豆腐店から無償提供頂いた「おから」を配合するなど、肉質にもこだわる飼育を心掛けています。元イタリアンシェフということもあり、「料理することを考えて飼育できることが最大の強み」と関口さんは語ってくださいました。
関口さんが生産した羊肉は、羊齧(ひつじかじり)協会を通して、東京のレストラン、青森市や八戸市の料理店にも提供しています。
「縁があって受け継いだ羊文化を次世代に繋げるよう、飼養200頭まで拡大し、第2分場の増設、地元地域へ精肉として販売することを目標に取り組んでいきたい。」と力強く話していただきました。

お問合せ先:NPO法人階上フロンティア「南部羊プロジェクト」
                 (羊齧協会北東北支部)理事長 関口 博樹
   住所:〒031-0073  青森県八戸市売市鴨ヶ池32-4
   電話:090-7553-9726

餌を食べる羊たち
餌を食べる羊たち
飼育小屋の様子
飼育小屋の様子

羊の飼育に取り組む関口さん
羊の飼育に取り組む関口さん
脂ののった羊肉
脂ののった羊肉

(1、2、3枚目 青森県拠点職員撮影、4枚目 NPO法人階上フロンティア「南部羊プロジェクト」 提供)