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東北農政局

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福島地域からの便り(令和3年度)


福島の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

トロ~リ、あめ色「あんぽ柿」の季節です -福島県・伊達市-  (2022年1月7日掲載)

福島県伊達市周辺の冬の風物詩といえば、きれいなあめ色で有名な「あんぽ柿」です。このあんぽ柿は大正時代に福島県旧梁川町(現在の伊達市梁川町)で開発されました。柿を天日で乾燥させる「天干し(あまぼし)柿」から変化して「あんぽ柿」と呼ばれるようになったそうです。

きれいなあめ色の秘密は酸化防止効果などがある「硫黄燻蒸」を行うことにあります。この工程を経ることによって、干し柿にはない特有のあめ色に仕上がります。あんぽ柿開発当時、アメリカで干しぶどうを作る際に硫黄燻蒸が行われることを柿に応用したところ、きれいな色が出たことに起因します。硫黄は乾燥中に揮発して無くなります。

伊達市のあんぽ柿は、東京電力福島第一原子力発電所事故により加工自粛要請を受けましたが、産地存続のため、全ての園地について、樹体洗浄、樹高の切り下げ等の放射性物質低減対策を行いました。平成25年度よりあんぽ柿全量の放射性物質検査はもちろん、原料となる柿も栽培園地において幼果期と収穫前の2回検査を行い、検査基準を満たした安全なものだけを加工・出荷しています。

全国有数のあんぽ柿生産地である伊達市には、JAふくしま未来の「あんぽ工房みらい」というHACCP認証を取得した加工選別包装施設があります。この施設は、原料柿の皮むきを1日あたり6トン行うことができる能力をもち、地域の生産基盤を支える施設として平成28年度より稼働しています。この施設で加工される柿は、収穫し大きさや品質で選別された後、追熟されます。この「追熟」の行程は、乾燥後の色味や甘さに大きな差が生まれる大切な行程です。ここにも伊達のあんぽ柿がおいしい理由が隠されていました!

みなさんは、あんぽ柿をどのように召し上がっていますか?ビタミンAやビタミンB6を多く含むあんぽ柿。そのまま食べても甘くておいしいのですが、さらにおいしさを引き出す食べ方をJAの担当の方より教えていただきました。それは「スライスしたあんぽ柿にクリームチーズとクラッシュナッツをのせる」というもの。ワインにとても合うのだとか。コロナ禍でおうち時間が増えているいま、ぜひお試しください。

 

  • 問合せ先:JAふくしま未来 あんぽ工房みらい
  • 住所:〒960-0777 福島県伊達市梁川町字西土橋5-1
  • 電話:024-572-3233
  • webページ:https://www.ja-f-mirai.or.jp/[外部リンク]


(情報収集)福島県拠点  電話:024-534-4142

トロ~リ、あめ色「あんぽ柿」の季節です

きれいなあめ色とトロリとした果肉はあんぽ柿特有です。
   きれいなあめ色とトロリとした果肉はあんぽ柿特有です。


生産者毎にラックが分けられています。ここで10日間以上自然乾燥されます。
   生産者毎にラックが分けられています。ここで10日間以上自然乾燥されます。

一つひとつ人の手で丁寧に形が整えられます。
   一つひとつ人の手で丁寧に形が整えられます。

放射性物質検査に合格したものには、一つひとつにシールが貼られます。
   放射性物質検査に合格したものには、一つひとつにシールが貼られます。

(写真(左から):1枚目 JAふくしま未来 提供)
(写真:2~4枚目 福島県拠点職員 撮影)

「赤カボチャ」による地域振興の取り組み -福島県・金山町-  (2021年10月5日掲載)

福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶJR只見線の沿線は、写真愛好家が好む奥会津の撮影スポットとして有名で、秋の紅葉も絶景です。そのJR只見線のほぼ中間に位置する福島県大沼郡金山町は、奥会津の気候風土を生かして、町の特産品として「奥会津金山赤カボチャ」(以下「赤カボチャ」という。)の生産振興に取り組んでいます。

赤カボチャは、鮮やかな濃いオレンジ色とお尻の大きな「へそ」が特徴で、お盆前の8月上旬から収穫が始まります。
町によると昭和50年代に赤カボチャの栽培が始まったとされていて、町内各地に徐々に赤カボチャのおいしさが伝わり、栽培農家が増えて、町の特産品に育てたいとの機運が高まりました。平成20年9月には、生産者が中心となって「奥会津金山赤カボチャ生産者協議会」(以下「協議会」という。)が設立されました。

協議会設立当初は、出荷された赤カボチャの色や品質・形状にばらつきが多く、県や種苗会社の指導を受けて、協議会を中心に形質の安定化や種子供給体制の整備に取り組んで来ています。さらに、栽培技術を確立して、栽培マニュアルを作成し、品質向上につなげて来ています。

平成27年からは非破壊式測定器による品質検査を導入し、品質を数値化。一定の基準を満たした赤カボチャには、合格品として「奥会津金山赤カボチャ」のシールを貼付しています。
シールが貼付された赤カボチャは、大手スーパーや地元の道の駅などで販売されています。売れ行きは好調で、購入者からも好評を得ています。

平成20年には「奥会津金山赤カボチャ」の名称で商標登録、平成30年には地域団体商標登録をしています。
赤カボチャの栽培に取り組む農家は協議会発足時から大きく増加し、現在では約90戸の農家が栽培に取り組み、金山町の活性化と地域振興の一翼を担っています。

今年は只見線の開通50周年、来年には11年ぶりに只見線が全線再開通します。一度、赤カボチャを食べて金山町の魅力を知るのもいかがでしょうか。

 

  • 問合せ先:金山町産業課
  • 住所:〒968-0011 福島県大沼郡金山町大字川口字谷地393
  • 電話:0241-54-5321
  • webページ:https://www.town.kaneyama.fukushima.jp/[外部リンク]


(情報収集)福島県拠点    電話:024-534-4142

「赤カボチャ」による地域振興の取り組み

赤カボチャの栽培光景
   奥会津金山赤カボチャの
   栽培光景


非破壊式測定器による品質検査
   非破壊式測定器による
   品質検査
「奥会津金山赤カボチャ」の地域団体商標登録シール
  「奥会津金山赤カボチャ」
  の地域団体商標登録シール

金山町の只見川沿いを走る只見線
  金山町の只見川沿いを走る
  只見線

(写真:金山町 提供)

M78星雲光の国ときゅうりの町 -福島県・須賀川市-  (2021年7月5日掲載)

特撮の神様でゴジラやウルトラマンを誕生させた円谷英二監督や1964年の東京オリンピックマラソン競技銅メダリスト円谷幸吉選手の生誕地の須賀川市は、温暖な気候と積雪が少ない地理的特性を生かし、昭和29年からきゅうり栽培が行われるようになり、今では全国トップクラスのきゅうり産地です。そんな須賀川市は、古くからきゅうりに縁があって、約260年前から始まったと言われ今も市民に愛される「きうり天王祭」は、毎年7月14日に行われる伝統行事(令和3年度は新型コロナウィルス感染症拡大防止のため中止)で、きうり天王(岩瀬天王)にきゅうり2本を供えお護符代わりに別のきゅうり1本を持ち帰りそれを食べると1年間病気に罹らないと伝えられています。

また、須賀川市のご当地グルメ「須賀川かっぱ麺」は、夏秋きゅうりの出荷に合わせ、市内の飲食店やホテル16店舗で取り扱われます。「かっぱ麺」は、きゅうりの搾り汁のみで練り込んだ麺に新鮮なきゅうりと様々な具材を盛り付け、店独自のだし汁に特製みそを溶かして食べる麺料理で、器も趣向がある「かっぱ麺」専用のどんぶりで供されます。

須賀川市にあるJA夢みなみ「きゅうりん館」では、高品質なきゅうりの出荷と福島県産きゅうり「パワーグリーン」のブランド化のため、「令和2年度産地生産基盤パワーアップ事業」を活用し、これまでの選果設備や予冷庫等を一新し令和3年4月28日から本格稼働しました。新たなきゅうり選果設備は、専用のバケットにきゅうりを1本ずつ載せ、水平状態を保ったまま外部品質センサーを通過し階級ごと箱詰めまで移動できる設備です。選果ラインを転がらず移動するため、きゅうりに傷がつきにくいのが特徴で、高品質なきゅうり出荷の一翼を担います。予冷庫も最大75トンが一度に収容可能で、夏場の暑さからきゅうりを守るヒーローです。

須賀川市では、円谷英二監督が縁でウルトラマンの故郷「M78星雲光の国」と姉妹都市を提携しウルトラマンと須賀川市の魅力を発信し続けています。また、今年は東京オリンピック、パラリンピックの年。57年前の東京オリンピックマラソン競技で円谷選手の活躍が日本中を熱くしたように、今回のオリンピック、パラリンピックも期待しています。是非、須賀川市へお出かけください。

 

  • 1 きゅうりん館
      ・問合せ先:JA夢みなみ営農部園芸課すかがわ園芸(きゅうりん館)
      ・住所:〒962-0047 福島県須賀川市松塚字赤坂1-1
      ・電話:0248-72-5219
      ・webページ:https://www.ja-yumeminami.or.jp/[外部リンク]
  • 2 きうり天王祭
      ・問合せ先:きうり天王祭実行委員会
      ・電話:0248-75-6111(平半染工(株))
      ・webページ:https://www.sukagawa-kankoukyoukai.jp/Event/page03.html[外部リンク]
      (令和3年度の「きうり天王祭」は中止となります。)
  • 3 かっぱ麵
      ・問合せ先:須賀川かっぱ麺の会
      ・住所:福島県須賀川市東町59-25 須賀川商工会議所内(事務局)
      ・電話:0248-76-2124
      ・webページ:https://www.gurutto-mazar.com/detail/index_795.html[外部リンク]

(情報収集)福島県拠点    電話:024-534-4142

M78星雲光の国ときゅうりの町
福島0705_1

(上段)
専用バケットにきゅうり
を1本ずつ載せます
(下段左)
外部品質センサーを通過
(下段右)
専用バケットのまま仕分
けラインに移動します

「きゅうりん館」

福島0705_2

(上段左)
きゅうりの品質確認
(上段右)
箱詰めの風景
(下段)
箱詰めされたきゅうりは
搬送のため1階に送られ
ます

「きゅうりん館」
福島0705_3

須賀川市内で行われる
「きうり天王祭」の様
子(令和3年度は中止
となります)

「きうり天王祭」
福島0705_4
須賀川市ご当地グルメ
「須賀川かっぱ麵」と
「お土産用の乾麺」


「須賀川かっぱ麵」

(写真「きゅうりん館」:東北農政局福島県拠点 撮影)
(写真「きうり天王祭」:須賀川市観光交流課    提供)
(写真「須賀川かっぱ麵」:須賀川市商工会議所 提供)