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東北農政局

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岩手地域からの便り(令和8年度)


岩手の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

ブラウンスイス牛と目指す「小さくて強い酪農」(岩手県・西和賀町)

  岩手県と秋田県の県境に位置する山間の町、西和賀町。役場や病院が立ち並ぶ通りから少し外れて車で10分ほど走ると、青々とした牧草地が広がり、ホルスタイン牛に交じってベージュ色が美しいブラウンスイス牛の姿が見えてきます。左草ブラウンスイス牧場代表・藤田春恵さんとご両親が営む牧場です。藤田さんは就農後、放牧に取り組み始めたきっかけをこう話します。「放牧酪農に取り組む酪農家は全国でも1割ほど。時間はかかるけど、ここにある草の力を活かしてゆっくりと上質な牛を育てることができ、飼料や燃料等、外部環境の変化を受けづらくすることができます。重労働を減らせるので、将来的には女性一人でも経営できるかなと」。
  藤田さんが目指すのは、生産量や規模拡大を追い求める酪農ではなく、持続可能な小さくて強い酪農なのです。そんな放牧酪農に適性が高いのがブラウンスイス牛ですが、乳量の少なさや、食肉としての価値が市場で十分に認知されていないことから、全国的に導入している酪農家は限られます。藤田さんは「ブラウンスイス牛を鶏肉や豚肉のように日常の食卓に並ぶ肉として広めたい」と一念発起。食肉の加工や販売に必要な免許を取得し、自宅に加工場を整えました。ブロック肉は飲食店に、ひき肉などは学校給食に、生肉として消費しづらい部位は生ハムやソーセージなどに加工し、嗜好品として小売り向けや贈答品に。こうして多方面に販路を開拓したことで消費量が伸び、今では他の酪農家で生まれたブラウンスイス牛のオス子牛を市場の価格より高く買い取る取組もしています。
  藤田さんは「ブラウンスイス牛の頭数を増やすため、飼い続けることが酪農家のメリットにつながる仕組みをつくりたい」と話します。
「ブラウンスイス牛を放牧で飼い始めてから、多くの人がこの山奥の牧場まで足を運んでくれるようになりました。ブラウンスイス牛、そして自分の作る商品を通じて地域の人たちをつなぎ、西和賀町全体を盛り上げていきたいです」。
こう語る藤田さんの笑顔からは、心から酪農を楽しんでいる様子が伝わってきます。柔軟な発想で新たな酪農の形を切り拓こうとする藤田さんの取組から、今後も目が離せません。

 

お問合せ先:左草ブラウンスイス牧場

住所:岩手県和賀郡西和賀町左草1-143

・WEBページ: https://www.saso-brownswiss.com/

   

青空の下で牛たちがゆっくり草を食む のどかな光景は放牧酪農ならでは 藤田春恵さんと おとなしく人懐っこい性格の ブラウンスイス牛 kakouba プレザオラ

青空の下で牛たちがゆっくり
草を食むのどかな光景は
放牧酪農ならでは

藤田春恵さんとおとなしく
人懐っこい性格の
ブラウンスイス牛
自宅併設の加工場
食肉加工の技術は町内在住の技術者にイチから学んだ
(写真:藤田さん提供)
第3回IFFA日本食肉加工コンテストで
金賞受賞の牛肉の生ハム
「ブレザオラ」牛肉の加工品は海外でも珍しい
(写真:藤田さん提供)