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東北農政局

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宮城地域からの便り(令和8年度)


宮城の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

中山間地域で広がる「畑わさび」栽培ー宮城県・加美町ー(2026年8月20日掲載)

畑わさびは冷涼な気候や日陰地に適した作物で、林間地を活用できる作物として注目されています。奥羽山脈の裾野に広がる加美町では、生産者が連携して栽培に取り組んでおり、産地形成や地域内での商品化を目指しています。
この取組は、地域資源の活用策として始まりました。令和5年に加美町畑わさび生産協議会を設立し、複数の生産者が栽培を進めています。7月上旬、同協議会会長の氏家 賢司(うじいえ けんじ)さんのほ場を訪ね、収穫作業の様子を取材しました。
氏家さんは令和4年から畑わさびの栽培を行っており、定植から収穫まで約1年半を要しますが、定植は11月から12月、収穫は翌々年の6月から7月に行われるため、水稲作業の繁忙期と重なりにくく、約2ヘクタールの水稲経営と並行した栽培が可能です。20アールのほ場を10アールずつ2区画に分けて定植時期を1年ずらし、毎年収穫できる体制を整えています。
取組のきっかけは、加美町から提案を受けたことでした。先進地の岩手県釜石市の産地視察や、大崎農業改良普及センターによる土壌分析・技術支援を受けながら栽培を進めてきました。現在は上多田川地区とその近隣地区において7~8名の生産者が約2ヘクタールを栽培しています。また、宮城県及び加美町による苗や資材等への支援制度も、栽培拡大を後押ししています。
栽培では越冬管理や春先の強風への対応が課題となっており、遮光ネットを防風に活用するなど工夫を重ねるほか、農薬の使用を極力抑えた害虫対策など試行錯誤を続けています。収穫は生産者同士が協力して手作業で行っており、今年から根付きで出荷し、根の除去等の調製作業を省略して省力化も図っています。収穫した畑わさびは、鮮度を保ちつつ当日中に岩手県内の加工施設へ出荷され、海外向け練りわさびの原料として利用されています。
畑わさびは鳥獣被害が少なく、雑草の繁茂も抑制されることから、中山間地域における未利用地の有効活用につながり、「将来的には地域内での加工・商品化を進めて雇用を創出し、畑わさびの産地形成を実現したい。」と氏家さんは期待を寄せています。新たな特産品として、加美町の畑わさびの今後の展開が注目されます。

 

ワサビ農家会長

収穫した畑わさびを手にする氏家会長
ワサビ畑

ほ場で栽培されている畑わさび
収穫作業

畑わさびの収穫作業の様子
収穫した畑ワサビ

収穫した畑わさび
(撮影:宮城県拠点)