山形地域からの便り(令和5年度)
|
住民総参加によるむらづくりで越沢自治会が内閣総理大臣賞を受賞! -山形県・鶴岡市- (2023年12月20日掲載)
越沢(こえさわ)自治会(以下、自治会という。)が、令和5年度農林水産祭むらづくり部門で内閣総理大臣賞を受賞し、11月23日に農林水産祭式典において宮下農林水産大臣から表彰状と記念品が授与されました。
越沢集落は鶴岡市内から約30km離れた山間部に位置し、名勝「摩耶山(まやさん)」をはじめ、名水「郷清水(ごうしみず)」、美しい景観の「越沢の棚田」など豊かな自然と清流に恵まれた集落です。
地域内の小学校の閉校(平成28年3月)が決まったことや、少子高齢化や転出による人口減少が進んでいたことから、平成28年に自治会有志と地域おこし協力隊等で「越沢自治会活性化委員会」を組織しました。また、将来を見据えた地域づくりに向け中学生以上の住民を対象にアンケートを行い、ワークショップなどを重ねて「越沢活性化ビジョン」を策定し、住民総参加による地域づくりに取り組んでいます。
平成28年秋に在来作物と認定された「越沢三角そば(※)」を地域づくりの核として、ブランド化に向けた取組を開始し、平成29年に「まやのやかた三角そば生産組合」を発足させ、令和2年に商標登録すると共に「集落外に種の持ち出しをしない」、「集落外での栽培はしない」ことなどの取組により「越沢三角そば」のブランドを確立するとともに、収穫したそばを固定価格で組合が全量買い取ることで作付面積及び生産農家数の拡大、生産者所得の確保を図っています。こうした地道な活動により、自治会が運営する「そば処まやのやかた」には、打ち立てのそばを求めて年間3,000人ほどの来訪があります。
また、地域活動として「雪下ろし協力隊」を結成し、高齢者の冬期間の不安解消と隊員の副収入の確保に努めるなどの取組も行っています。さらに、豊かで美しい原風景を後世に繋げていくために、「越沢の棚田」や「郷清水」の保全活動を定期的に実施するとともに、休耕田や遊休農地へのそばの作付けに取り組んでいます。
自治会の伊藤会長は今回の受賞にあたり、「光栄なことで大変驚いている。今回の受賞は個人ではなく集落224名全員の受賞と考えており、とても感慨深い。今後も住民全員でむらづくりに取り組んでいきたい。」と力強く語っていました。
住民全員参加による活気あるむらづくりを進め、そば祭りの開催など地域内外と交流することで多くの成果を上げている自治会の取組は、農村振興と次世代に豊かな住みよい集落を繋いでいくためのモデルとなるものです。
※「越沢三角そば」は登録商標です。
お問合せ先:鶴岡市温海庁舎 産業建設課
住所:山形県鶴岡市温海戊577-1
電話:0235-43-2111(代表)
WEBページ(facebook):http://www.facebook.com/koesawa[外部リンク]
(情報収集)山形県拠点 電話:023-622-7231
![]() 内閣総理大臣賞を受賞された鶴岡市の越沢自治会 伊藤治 会長(左)、まやのやかた越沢三角そば生産組合 野尻善共 組合長(右) |
![]() むらづくりを推進する越沢自治会の皆さん |
![]() 在来作物「越沢三角そば」を使用したそば |
![]() 豊かな自然のなか守られてきた「越沢の棚田」 |
(写真:鶴岡市 提供) |
山形県産農産物PRの強い味方、山形の「ご当地キャラクター」 -山形県及び寒河江市- (2023年9月20日掲載)
山形県には、恵まれた気候風土の中で育てられたおいしい農林水産物がたくさんありますが、そうした農産物等を広く消費者に知ってもらえるよう、県内には多くのご当地キャラクター(以降「ご当地キャラ」という。)がPR活動を展開しています。
なかでも山形県産農産物等PRのシンボルマークとなっている「ペロリン」は、山形県の山をモチーフにしたキャラクターで、山形県の安全で安心な農産物等をたくさんの方々に食べていただくことをお仕事としています。旬を迎える農産物等のイベントを中心に、県内各地を駆け巡り、時には県外へも出張します。山形県の形を模した山形県観光PRキャラクター「きてけろくん」も県内外のイベントへ出演し、山形県の魅力をPRしており、時には一緒に仕事をすることもあります。
また、県内の市町村にも28のご当地キャラ(山形県ホームページから)がいて、その多くが地元の農産物をイメージとしたキャラクターとなっています。例えば、寒河江市の「チェリン」はさくらんぼの妖精で、頭にさくらんぼ(右が佐藤錦、左が紅秀峰)を付け、首にはそばのマフラーを巻いています。2011年の誕生以来、市内外のさくらんぼ関連イベントを中心に活動するほか、観光いちご園や伝統野菜「子姫芋(こひめいも)」などさくらんぼ以外の農産物も積極的にPRしています。県内の愛すべきご当地キャラは、SNS上でも大活躍しており、山形県産農産物等PR活動の強い味方になっています。
新型コロナウイルスが5類感染症に変更されて以降、県内の各種イベントが再開され、イベント会場にご当地キャラが戻ってきたことでイベントの盛り上がりに花を添えています。
今後の活動について「ペロリン」と「チェリン」に聞いてみました。(しゃべれないので担当者からの伝言です。)
〇ペロリンからは「もうすぐ実りの秋がやってくるよ。山形にはおいしい農産物がたくさんあって、芋煮会や農林水産祭などイベントもあるから今から楽しみにしてるよ。見かけたら声をかけてね!」とのことで、今から張り切っているようでした。
〇チェリンからは「いろんなイベントでみんなさ会えることを考えただけでわくわくすっじぇ☆いいどこ盛りだくさんな寒河江にも遊びにきてけろな☆」と、方言交じりのコメントをいただきました。
〇ペロリン
お問合せ先:おいしい山形推進機構事務局 山形県農林水産部県産米・農産物ブランド推進課内
住所:山形県山形市松波二丁目8番1号
電話:023-630-2221
WEBページ:https://www.nmai.org/know/perorin/[外部リンク]
〇チェリン
お問合せ先:寒河江市さくらんぼ観光課
住所:山形県寒河江市中央1丁目9番45号
電話:0237-85-1682
WEBページ:https://www.city.sagae.yamagata.jp/sagae/imagecharacter/index.html[外部リンク]
(情報収集)山形県拠点 電話:023-622-7231
![]() 山形県観光PRキャラクター「きてけろくん」(右)と一緒にさくらんぼをPRする「ペロリン」(左) |
![]() 「やまがた紅王」デビューイベントのお手伝いをする「ペロリン」 |
![]() さくらんぼ狩りをPRする「チェリン」(観光さくらんぼ園開園式にて) |
![]() 山形県寒河江市の伝統野菜「子姫芋(こひめいも)」を収穫する「チェリン」 |
(写真:山形県農林水産部県産米・農産物ブランド推進課、寒河江市さくらんぼ観光課 提供) |
若者が養殖施設をご当地サーモンの取組で復活 -山形県・庄内町- (2023年6月20日掲載)
山形県中央部に位置する出羽三山のひとつ「月山(がっさん)」の麓には、月山の湧き水を源流とする玉川の清流を活用した「庄内町淡水魚養殖施設」がありましたが、指定管理者が撤退したため休止が危ぶまれていました。
そんな養殖場の危機を知った庄内町で理容業を営む長南佳祐さんは、釣り好きの若者たちによる任意団体「月山鱒の会」(会員8名)を立ち上げ、令和2年10月から養殖施設の指定管理者となってニジマスの養殖を開始しました。
代表の長南さんが養殖施設をはじめようと思ったきっかけは、関東の大規模なニジマスの釣り場でご当地サーモンとされるニジマスに出会い、そのおいしさに衝撃を受け、いつかはニジマスでの地域おこしに取り組みたいとの夢を持っていたことから、鱒の会の会員とともに、養殖施設の整備とニジマスの養殖を始めることにしたそうです。
しかし、指定管理者となって養殖を始めるまでの道のりは険しく、休止していた養殖施設に堆積した泥や砂の撤去に3か月を要し、養殖作業も失敗や試行錯誤の連続で、山形県水産研究所の助言を受け、徐々に軌道に乗せることができたとのことです。
現在は、ご当地サーモン「月山鱒(ガッサーモン)」と命名したニジマスと、山形県が開発したブランドサーモン「ニジザクラ」(味の良いサクラマスとニジマスを交配)の養殖をおこない、刺身でもおいしく食べられるよう配合飼料を厳選、さっぱりした脂となるよう米油を加えた餌を給餌するなどの工夫をして、生産と販路拡大に取り組んでいます。
令和3年秋から庄内町のイベント出店を中心に、徐々に出荷をはじめ、併せてSNSでも情報発信したところ、地元スーパーでのテスト販売や飲食店からの注文に結びつき、月山鱒のご当地サーモンとしての認知が徐々に地域に広がっているところです。
こうした若者の取組に対して庄内町では、井戸の整備への支援のほか、ご当地サーモン化を後押しするために令和4年度ふるさと応援基金(ふるさと納税)として寄付を募るなどの支援を行っています。
長南代表からは、「ご当地サーモンとして定着させていくためには、加工品も含めて品質と生産量の確保が課題であり、今後は、町のふるさと納税返礼品として提供や、管理釣り場の開設なども検討したい。」との展望を伺いました。
若者が取り組むご当地サーモンによる地域おこしに関心のある方は下記までお問合せください。
取り組みに関する情報は、YouTubeチャンネル「Harakusハラクズ(庄内弁でお腹いっぱいの意味。)」またはX(旧Twitter)でご覧ください。
- お問合せ先:庄内町淡水魚養殖施設
- 住所:庄内町立谷沢玉川39
- 電話:0234-43-0308(庄内町農林課農林水産係)
- YouTubeチャンネル「Haraku'sハラクズ」:https://www.youtube.com/channel/UChAqKnzuaSMZb8kOMJ3hyEA[外部リンク]
- X(旧Twitter)「ハラクズharaku's『けーちゃん』」:https://twitter.com/harakus1091[外部リンク]
(情報収集)山形県拠点 電話:023-622-7231
![]() 月山鱒の会 代表 長南佳祐さん |
![]() 月山からの清流を引いた養殖場 |
![]() 取水源の玉川と、その水を司る龍神様 |
![]() ガッサーモンのお造り |
(写真(左から)1、2、3枚目 山形県拠点職員 撮影、4枚目 月山鱒の会 提供) |