2. 管内の主要河川
四国には、徳島県に注ぐ吉野川(よしのがわ)、那賀川(なかがわ)、香川県に注ぐ土器川(どきがわ)、愛媛県に注ぐ肱川(ひじかわ)、重信川(しげのぶがわ)、高知県に注ぐ仁淀川(によどがわ)、物部川(ものべがわ)、四万十川(しまんとがわ)(渡川(わたりがわ))の8本の主要河川があります。総流域面積は10,750平方キロメートルと四国全土の6割を占めており、この中でも吉野川が最大の流域(3,750平方キロメートル)を持っています。
図1 管内主要河川の流域

四国の河川の流域は、急傾斜地がその大半を占めることから、平野部が少なく流域内の耕地面積が占める割合は7パーセント程度ですが、各地域の気象風土にあった特色のある農業が営まれています。
吉野川(よしのがわ)
吉野川は、その源を高知県瓶ヶ森(かめがもり)(標高1,897メートル)に発し、四国を横断する形で徳島市から紀伊水道(きいすいどう)に注ぐ全国屈指の大河です。幹線流路延長は194キロメートル、流域面積は3,750平方キロメートルに及び四国全域の約20パーセントを占めており、9割が山地です。また、耕地の8割が吉野川の中下流沿いに分布しています。
那賀川(なかがわ)
那賀川は、その源を徳島県剣山(つるぎさん)(標高1,955メートル)に発し、徳島・高知両県の県境山地の東麓(とうろく)に沿って南下して東折し、阿南(あなん)市那賀平野を真東に貫流し、紀伊水道に注いでいる四国有数の河川です。流路延長は125キロメートル、流域面積874平方キロメートルで、このうち山地が9割を占めています。
土器川(どきがわ)
土器川は、その源を讃岐(さぬき)山脈に発し、香川県のほぼ中央部を貫流して瀬戸内海に注ぐ一級河川です。流路延長は33キロメートル、流域面積は140平方キロメートルに過ぎず、平常は河道にほとんど流水がみられない珍しい河川です。
肱川(ひじかわ)
肱川は、その源を愛媛県宇和(うわ)町正信(標高460メートル)に発し、途中支川及びその他小支川311を合せつつ流下し、大洲(おおず)平野を貫流して伊予灘(いよなだ)に注ぐ愛媛県下最大の一級河川です。
流路廷長は103キロメートル、流域面積は1,210平方キロメートルであり、このうち山地が9割を占めています。
重信川(しげのぶがわ)
重信川は、その源を愛媛県東三方ヶ森(ひがしさんぽうがもり)に発し、重信町を南に流れ、川内町において西に向きを変え道後(どうご)平野に出て松山市から伊予灘に注いでいます。流路廷長はわずか36キロメートル、流域面積は445平方キロメートルであり、このうち山地が8割を占めています
仁淀川(によどがわ)
仁淀川は、その源を西日本最高峰の石鎚山(いしづちやま)(標高1,982メートル)に発し、愛媛・高知両県にまたがって蛇行しながらほぼ南東に流れ、高知平野西部を貫流して土佐湾(とさわん)に注ぐ一級河川です。流路延長は124キロメートル、流域面積は1,560平方キロメートルで、このうち平地はわずか3パーセントです。
物部川(ものべがわ)
物部川は、その源を奥物部(おくものべ)自然公園白髪山(しらがやま)(標高1,770メートル)に発し、流域に河岸段丘(かがんだんきゅう)を形成しながら香美(かみ)郡西部を抜け、高知県下一の穀倉地帯である香長(かちょう)平野を貫流し、土佐湾に注ぐ一級河川です。流路延長は71キロメートル、流域面積は508平方キロメートルで、耕地面積のほとんどは水田です。
四万十川(しまんとがわ)
四万十川は、その源を高知県東津野(ひがしつの)村不入山(いらずやま)(標高1,336メートル)東面の標高1,190メートルの位置に発し四国西南部の山地帯を大きく蛇行しながら流れ、高知県中村市の河口から土佐湾に流入しています。吉野川に次ぐ四国第2の大河で、また「日本最後の清流」として知られています。流路延長は196キロメートル、流域面積は2,270平方キロメートルで、そのほとんどが山地で占められています。
ため池
四国にはため池が19,000カ所あります。特に香川県には14,600カ所あり、兵庫県、広島県に次いでため池の多い県です。また、香川県の農業用水の依存率は、河川37パーセント(四国全体84パーセント、全国89パーセント)、ため池52パーセント(同13パーセント、9パーセント)地下水10パーセント(同3パーセント、2パーセント)で、ため池への依存が高い地域です(資料:「讃岐のため池誌」香川県土地改良課 平成12年3月発行)
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