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中国四国農政局

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四国土地改良調査管理事務所

2. 近年の農業情勢の変化

「1.これまでの基盤整備」で紹介したように、四国管内でこれまでに整備されてきた農地や農業水利施設などは、この地方はもちろん国民共有の資産として、その役割を果たしてきました。

しかし、近年、わが国の農業、農村は、農地面積の減少や農業従事者の高齢化や担い手不足、また農村地域の過疎化といった、めまぐるしい情勢の変化が見られ、残念ながら、四国管内でも同様の傾向がみられます。

また、整備された農業水利施設なども、長年にわたる利用によって老朽化等が進み、農業生産の低下や食料の安定供給に支障をきたしているものがみられます。

このような近年の農業情勢の変化を示す諸指標と課題を以下に列挙しました。

耕地面積の推移

荒廃農地からの再生等による増加があったものの、耕地の荒廃、宅地への転用等により、耕地面積は減少傾向にあります。

図1  田畑別耕地面積の推移【四国管内】


図2  水田の拡張・かい廃及び荒廃農地の面積推移【四国管内】



図3  畑の拡張・かい廃及び荒廃農地の面積推移【四国管内】



  出典:農林水産省「令和3耕地及び作付面積統計(併載 平成30年~令和3年累計統計」

農業経営体数の推移

四国4県の農業経営体の割合は、全国と比べ個人経営体が多く、団体経営体が少ない状況にあります。

四国管内の個人経営体数は平成27年と比べ20.9パーセント減少しています。

四国管内の団体経営体数は平成27年と比べ増加しており、特に香川県は27.5パーセント増加しています。

  個人経営体:個人(世帯)で事業を行う経営体(法人化して事業を行う経営体は含まない)
  団体経営体:個人経営体以外の経営体(法人、集落営農等)

表1  全国と四国4県の農業経営体数(令和2年)
 

表2  全国と四国4県の個人経営体数の推移
 

表3  全国と四国4県の団体経営体数の推移
 

  出典:「2020年農林業センサス」

農業従事者の高齢化、減少

四国管内の基幹的農業従事者数(個人経営体)は、5年前と比べて18.9パーセント減少しています。

四国4県の基幹的農業従事者数(個人経営体)を県別にみると、高知県は65歳以上の割合が63.6パーセントと全国平均の69.6パーセントを下回っていますが、徳島県、愛媛県では70パーセントを超えており、特に香川県

では80パーセントを超えています。

  基幹的農業従事者数:15歳以上の世帯員のうち、ふだん仕事として主に自営農業に従事している者

表4  全国と四国4県の基幹的農業従事者数(個人経営体)と年齢層割合の推移
 

図4  基幹的農業従事者数(個人経営体)と年齢層割合の推移【四国管内】
 

  注:(  )内は、基幹的農業従事者数に占める割合である(以下同じ)。

図5  基幹的農業従事者数(個人経営体)と年齢層割合の推移【徳島県】
 

図6  基幹的農業従事者数(個人経営体)と年齢層割合の推移【香川県】
 

図7  基幹的農業従事者数(個人経営体)と年齢層割合の推移【愛媛県】
 

図8  基幹的農業従事者数(個人経営体)と年齢層割合の推移【高知県】
 

       出典:「2020年農林業センサス」            

農村環境の変化

写真1  家庭雑排水が流れ込む用水路

  【写真】家庭雑排水が流れ込む用水路

これまで、農村地域では、用水路の草刈りや清掃をはじめとする地域の共同保全活動などにより、農地や農業水利施設が適切に維持・管理され、良好な環境が保たれてきました。

しかし、近年は農村の都市化・混住化などによる水路へのゴミや生活排水の流入や、農業従事者の減少などによる維持管理の粗放化など、農業生産や農村環境に悪影響を与えるような状況も顕著となっています。

施設の老朽化

写真2  老朽化した頭首工

 

            頭首工の全景                        越流部全体の摩耗劣化           越流部のコンクリート
                                                                                                   骨材のはがれ

これまでに整備された農業水利施設(ダム、ため池、 頭首工(とうしゅこう)、用水路など)の中には、長期にわたる利用や周辺状況の変化、耐用年数(施設の寿命)の経過などにより、老朽化などが進み、機能障害を発生しているものや、用水の安定通水に支障をきたしているものがみられます。

食料自給率の低下

農地面積の減少、農業従事者の減少など、様々な要因による農業情勢の変化や、食生活の変化などによる輸入食料への依存もあり、わが国における食料自給率は年々低下している状況です。

令和2年度のデータでは、カロリーベース、生産額ベースのいずれも、先進国のなかで最低の水準となっています。

「食料自給率」とは、その国で消費される食料がどのくらい国内で生産されているか(自給の度合い)を示す指標です。

図9  昭和40年度以降の食料自給率の推移


           【リンク】農林水産省ホームページ 日本の食料自給率

 
図10  我が国と諸外国の食料自給率

               

           【リンク】農林水産省ホームページ 世界の食料自給率

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