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中国四国農政局

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    「中国四国地域食育交流会」~食育の環を広げよう!~開催概要

    中国四国農政局は、さらなる食育の環を広げるため、令和2年2月26日(水曜日)、岡山市にて食育交流会を開催しました。
    交流会では、すべての人に関わりがある「食」と「健康」に関する講演や、食育活動に関する事例発表及びグループワークによる意見交換を行いました。

    日  時:令和2年2月26日(水曜日) 13時30分~16時30分
    場  所:岡山国際交流センター「イベントホール」(岡山市)
    参加者:52名(中国四国食育ネットワーク会員、教育関係者、栄養士、行政等)
    主  催:中国四国農政局

    挨拶をする塩屋局長
    塩屋中国四国農政局長の挨拶

    講演 「腸内環境を整える食生活」

    講師:一般社団法人日本美腸協会 認定講師 平野美子氏

    <内容>

    今、腸が注目されている

    • 今、腸がすごく注目されており、腸は第2の脳というフレーズで、テレビや雑誌でもよく特集されている。
    • 妊活やダイエットのほか、トップアスリートでも、結果を出すためには、腸から整えることが大事だと言われており、腸活されている方も多い。
    • がんで亡くなる女性の1位は大腸がんで、男性は1位が胃がん、2位が肺がん、3位が大腸がんとなっているが、男性、女性を合わせると、大腸がんが1位となっている。
    • 昔、日本人は穀物を多く摂り、食物繊維の摂取量も多かったが、今は、食物繊維の摂取量が減り、逆に糖質、脂質の摂取が増えたことから、腸内細菌が減り、便の量も減っている。また、50年前と比べると家事での運動量も減り、ストレス社会になっていることも、大腸がんが増えた理由と言われている。
    • 日本で初めて便秘外来をされた小林弘幸先生によると、お腹の調子が悪いからといって病院に行く人はあまりおらず、自己判断で様子を見ている期間が長くなれば、がんが進行している例が多いとのことである。

    健康寿命について

    • 健康寿命とは、持病などがなく、薬を飲まないで元気に生活できる期間であり、健康寿命の延伸はすごく大事である。
    • 健康寿命を伸ばすため、腸から元気になっていただくとの考えの下に活動を続けており、自分の県の健康寿命や健康診断の受診率なども、予防のために知っておいて欲しい。

    健康寿命は腸内フローラが左右する

    • 腸内フローラは、大腸内に良い腸内細菌(善玉菌)が多いと、ピンクの花畑のようになることから、フローラと言われており、善玉菌が多いと、腸内フローラがきれいになり、腸内環境が良くなる。
    • 腸内の細菌の種類は千種類位あり、1人の中に5百兆個位存在しているが、元気な腸内細菌が多くいると、健康寿命にすごく作用すると言われている。
    • 大腸の前に通る小腸が、体を作る栄養を食物から吸収しており、大腸ももちろん大事であるが、小腸はもっと大事である。

    お腹の代表的なお悩み

    • 便秘と下痢に共通していることは、腸が正常に動いていないということであり、便秘だけではなく、下痢についても心配する必要がある。
    • 最近、過敏性腸症候群が、男性、女性に限らず、また若い方にも多く発症しているが、原因が不明で対症療法しかないものの、食事の摂り方によって改善される例も多いことから、腸にとって食事は大事である。

    便秘について

    • 20代、30代の女性の73.4%の方が便秘で悩んでおり、これに下痢も加えると、約80%の女性が、お腹に悩みを持っているとのアンケート結果がある。
    • 現在、小学生の6人に1人が便秘であり、3日に1度位の子を含めると、3人に1人が便秘予備軍と言われている。また、子どもの2人に1人がアレルギー疾患を持っており、食物アレルギーの子どもでは、毎日、便を出している者がすごく少ないと感じている。
    • 便秘は女性に多いと思われているが、高齢者では、男性の便秘が60歳位から右肩上がりで増え、80歳位で女性よりも多くなることから、60歳代のために50歳代から、70歳代のために60歳代から腸活をすることが大事である。
    • 便秘の原因としては、ストレスの増加や筋力、運動量の減少が考えられるが、男性では、70、80歳代になると、筋力が落ちてくることから、便秘になる傾向が強いと考えられる。

    理想の便とは

    • 基本的に良い便とは、バナナ大の太さの黄色で、すっきり感があり、また、臭いがせず、水に浮くという性質がある。
    • 毎日、便を出したいと思えば、女性で1.5リットル、男性で2リットルの水を飲んで欲しい。
    • 便は、体からのお便りだと思い、毎日チェックすれば自分のお腹の調子が分かる。

    食物繊維の摂取について

    • 50年前は、両手いっぱいの便を1日3回位していたが、現在は、片手位の量で回数も減っており、その1番の要因は、食物繊維の量が摂れなくなったことにある。
    • 厚生労働省の定める1日当たりの食物繊維の摂取目標量は、18~69歳の男性で20グラム以上、女性で18グラム以上となっているが、食物繊維をより多く摂っている年代でも目標の数字には届いていない。
    • 食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、不溶性食物繊維も大事ではあるが、水溶性食物繊維を意識して摂って欲しい。その際、食物繊維は水に溶けると粘度を増し、効果を発揮することから、食物繊維を沢山摂ったとしても、水とセットでなければ効果を発揮しない。
    • 水溶性食物繊維は、海藻類、なめこ、ながいも、さといも、オクラなどのネバネバする食品や、アボカド、熟したバナナやリンゴなどの熟した果物に多く含まれており、また、納豆は、水溶性食物繊維と菌も含まれており、万能である。

    腸内環境の敵となるものを入れないこと

    • 砂糖を沢山使っている菓子や加工品、ファーストフード、ラーメン、パスタ、パンなどを食して、白米を食べていない女性が多いが、白米にも食物繊維が入っているので、1日1食はごはんを食べることが良い。
    • 特に、若い女性は、食べなければ痩せるといった安易なダイエットをしている人も多いが、食べながら健康になることを目指して欲しい。
    • 食の好みは、自分が考えているのではなく、腸内細菌が決めていると言われていることから、野菜などの食物を摂れば、腸内細菌も変わっていくものと思われる。

    乳酸菌の摂取について

    • キムチやヨーグルトなどに入っている乳酸菌を摂取することは、腸内フローラを元気なものにするために必要である。
    • 乳酸菌には、納豆や甘酒のほか、みりんや味噌、しょうゆ、麹等の発酵調味料に含まれる植物性とチーズ、ヨーグルトに含まれる動物性があるが、植物性は胃酸に強く、腸に届きやすい性質を持っていることから、お薦めである。

    腸に良いストレッチ

    • 鼻から空気を5秒間吸って、口から息を10秒間で吐く腹式呼吸は、自律神経を整え、腸自体も暖かくすることから、お腹の冷たい方にお薦めしている。
    • お腹を包む筋肉を鍛えるためには、階段を上ることや、お年寄りには手すりを持った踏み台昇降、子どもには、縄跳びやトランポリンなどが効果的である。

    美腸の生活の7つのポイント

    美腸の生活の7つのポイントについて、一つからでも大丈夫であり、始めて欲しい。

    1. 朝起きてうがいをしてから、コップ1杯に水 → 胃腸反射
      就寝時には口腔内に菌が沢山いるので、うがいをしてから水を一気に飲むことにより、胃腸反射が生じ、胃と腸が起きる。
    2. 朝食 → 体内時計を動かすことで体に時間を教える
      体内時計の時間がずれることから、軽めであっても朝食を摂る。

    3. 朝、太陽の光を浴びる → 自律神経を活性
      自律神経が乱れると、腸は反応しやすいので、太陽光を浴びることにより、自律神経が活性化する。

    4. 朝、トイレに行く習慣 → 座ることで体に習慣づける
      決まった時間にトイレに行くことを習慣付けることにより、排便できるようになる方が多い。

    5. 食事の時間を決める → 腸を休め、空になり動く環境作り。30回以上噛む
      夜遅くまで食べていると腸はずっと動いており、腸にも休みを与えるためには、食事の時間を決めるとともに、30回以上、ゆっくりと噛んで食べる。

    6. リラックスの時間を決める → 寝る前など。副交感神経が優位になると、腸は活動しやすい
      腸は、副交感神経が優位になると動くことから、リラックスするためには、就寝前の入浴や、アロマを焚いたり、音楽を聴いたり、軽いストレッチを行うことが効果的である。

    7. 腸のゴールデンタイム → 24時には寝る
      24時には寝ることで、腸にとってはゴールデンタイムとなる。

    古代ギリシャの医学者ヒポクラテスの言葉

    • 医学の父と言われている古代ギリシャのヒポクラテスの言葉に、「汝の食を薬とし、汝の薬を食とせよ」とあるが、食物は人間が健康で美しく生きていく上で、すごく大事なものと考えている。
    • 食物はすごく病気と直結していると考えており、健康や美容の観点からも、食物をもっともっと大事に、口の中に入れるものを大事に考えて欲しい。

    質疑応答

    (質問)

    中学校で栄養教諭をしているが、小中学生でも便秘や軟便で苦しんでいる者が多いことから、今の美腸の生活の7つのポイントは、小中学生でもできる内容として伝えても良いのか。また、朝食は軽めで良いと言われたが、栄養教諭としては、しっかり食べるように指導しており、子どもに対して、引き続き、しっかり食べるように指導してよいものなのかを教えて欲しい。

    (回答)

    • 子どもの便秘の原因は、いじめなどにより学校で排便をしないことや水分を摂らないなど、大人と違うことから、7つのポイントを話しても反応がない子もいるかもしれないが、基本はやっていただいても損はないと思う。
    • 子どもは朝食を摂った方が良いが、その際には、パンと牛乳よりは、ご飯と味噌汁とあと1品、2品があれば良いと思う。お腹が空いていれば、多く食べても良いが、消化するために胃に血流が多く集まり、腸の動きが悪くなることから、子どもでは、昼の給食までお腹が空かない程度の量を摂るのが良いと思う。
    平野美子氏による講演の様子
    平野美子氏による講演の様子

    事例発表 1  美作大学食品ロス削減サークルの活動

    発表者:美作大学 食品ロス削減サークル 部長 下山奈津実氏

    食品ロス削減サークルの設立の経緯

    • 美作大学の学園祭で、食物学科の学生がフードバンク岡山のブースを訪れ、食品ロスの現物を見せていただき、食品ロスの有効活用をしている話に興味をもったことがきっかけで、平成26年に食物学科2年生4名により設立された。
    • 現在、食品ロス削減サークルは、1年生から3年生の14人(1年生5人、2年生5人、3年生4人)で活動中である。

    食品ロス削減サークルに入部したきっかけ

    • サークルの顧問の先生の授業で、日本は、多くの食品を外国からの輸入に頼っているにも関わらず、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品が多いことに衝撃を受けた。
    • 日本の「もったいない」という言葉は、世界中で認知されており、日本は食べ物を大切にしている国だと思っていたが、国別の食料の廃棄量では世界第6位であり、知らないうちに食品ロスが発生している実態にあることから、食品ロス削減の普及啓発活動を行っている食品ロス削減サークルに入部した。

    食品ロス削減サークルの活動内容

    食品ロス削減の普及啓発活動

    食に関するイベントでの普及啓発活動

    • オリジナルのカルタや双六、紙芝居を用いて、子どもから高齢者までの様々な方が食品ロスを楽しく学べるようにしている。
    • 双六は、家庭でどのようなことが食品ロスに繋がってしまうのか、どういったことをすることで食品ロスを減らせるのかを学べる内容になっている。
    • 子どもを対象としたイベントでは、双六にサークルの部員が加わって、分かりやすく解説しながら行っており、子どもたちが楽しみながら理解していることを実感している。
    • 地域の人を対象としたイベントでは、双六を一緒に行った方から、少しでも食品のロスを減らすように実践したいとの言葉があり、とてもやりがいを感じた。
    • 一般の人の多くは、賞味期限と消費期限の違いを知っているが、賞味期限が切れた食品はどれくらい食べられるのかが分からず、捨ててしまう人もいるため、賞味期限と消費期限の意味を正しく理解することと、賞味期限といっても、食品によっては判断が難しいことが課題だと感じている。

    大学の学園祭での普及啓発活動

    • 昨年度は、家庭に眠っている、まだ食べられる食品を持ってきてもらい、フードバンクに送るフードドライブを行ったが、宣伝不足であまり食品は集まらなかったものの、フードドライブに興味を示された方には、リーフレットを渡しながら説明をしたことにより、食品ロスの理解につながったと思っている。
    • 今年度は、津山のフードバンクから、スーパーから出た事業系食品ロス(賞味期限内ではあるが、店頭で販売できる期限を過ぎて、廃棄になった食品)を借りて展示したが、来場者に、この食品は賞味期限内であるものの、スーパーで廃棄になった物と説明すると、とても驚かれ、興味を持って話かけたり、真剣に話を聞く方もいた。

    子ども食堂のお手伝い

    • 月に1度行っているNPO法人オレンジハートつやまのこども食堂で、献立の作成や調理のお手伝いをしている。
    • 献立を作成する際は、子どもが好きな味付けになっているか、見た目や彩りが良いかを考慮しているが、フードバンクの余った食品の中で、使える物があれば、それを取り入れるようにしたり、地域の方から、作りすぎて余っている野菜を無料でいただいたものがあれば、それを活用するようにしている。また、フードバンクには、調味料類が余っていることが多いため、その調味料が使える献立を考えて使用することも食品ロス削減の一つに繋がっている。

    まとめ

    • 食品ロス削減サークルが行っている普及啓発活動は、地道な活動ではあるが、とても大切な活動だと思っており、まずは、一般の方々に、食品ロスとは何なのか、日本の食品ロスの現状がどうなっているのかを知ってもらうことが、食品ロスを減らすための第1歩だと思っている。
    • 近年は、SDGsが国連で採択されたことにより、テレビや新聞等で、食品ロスという言葉を見かけたり、耳にしたりすることが増えるとともに、スーパーでも食品ロス削減のポップを見かけることも増え、食品ロス削減を広める活動が増えている。
    • 食品ロス削減サークルでは、今後、食品ロスという言葉が一般の方に広まれば、次は、食品ロスを削減するための具体的な実践方法を広める活動に変えていきたい。

    美作大学による事例発表の様子美作大学による事例発表の様子

    事例発表 2 『食でつなぐまち・ひと・こころ』~食育推進における共創の関係作り~

    発表者:株式会社マルイ食育推進室 室長 植松久志氏

    会社概要

    鳥取、島根、岡山(津山)に25店舗のスーパーマーケットを展開しており、ハートホールディングという形態を含めると約65のスーパーマーケット及び各種事業店舗を運営している。

    食育活動の内容

    2006(平成8)年から、学校や地域住民の方々と一緒に繋がっていくことをコンセプトに、5つのコンテンツを設け、様々な食育の取組を実施しており、自社で行っているものと取引先と一緒に取り組んでいるものがある。

    1. 店舗での食育活動
      毎月19日を食育の日と定め、全店舗において、それぞれテーマを設けて取り組んでいる。

    2. スポーツ、文化交流事業
      食育月間「子ども絵画コンクール」を主催しており、津山市や岡山県の教育委員会の協力の下、店舗のある周辺の小学校に絵画作品の募集を行い、応募のあった約3千点の作品の中から、社長賞や教育長賞、メーカー賞などを選定・表彰する取組を行っている。

    3. 産官学連携事業
      弁当の開発
      弁当の開発として、現在までに、16種類の商品を開発・販売したところであり、直近では、美作大学の学生との共同開発では、野菜を多く摂ろうなどのテーマを設け、企画・販売を行っている。
      販売期間を3か月ほど設けているが、好評な商品は販売期間を延長するほか、定番商品として通年販売しているものもある。

      勝ち飯レシピコンテスト
      メーカーと津山東高の学生が共同で行っており、テーマやメニューを決めて、コンテストを行い、今後は優勝したレシピメニューは、総菜としての商品化に取り組んでいく。

    4. 食農体験
      毎年、マルイと関係のある生産者の方と協同して行っており、地域の方々のご賛同をいただきながら進めている。
      津山では、田植え、草取り、収穫体験、収穫後の餅つきなど、年間を通じて参加いただくプログラムを行っており、鳥取でも、ブロッコリーの定植から収穫、キッズマルシェという形での店舗での販売体験を行っている。
      いずれの取組も、単に植えて収穫して終わるのではなく、調理まで行っており、作物がどのように育って、商品として自分たちの手元に届き、どうやって食べるのかを体験してもらうことを目的としている。

    5. 生産者と消費者をつなぐ場の創出
      津山では、フードフェスタと称して、お取引先メーカーや地元企業が参加し、食育をテーマに、子どもに対するオリジナルの食育体験を企画・出展しており、単なる試食イベントではなく、しっかりと食を通じて体験できることを念頭に実施している。
      鳥取では、マルコラとして、地元の出展者を多く募集し、店舗とコラボして、場を盛り上げる取組を行っており、引き続き、新しいコンテンツを揃え、イベントを開催したいと考えている。

    寄附付き商品を活用した地域貢献事業

    店舗にて、寄附付き商品を販売しており、寄附が貯まった場合、店舗がある教育委員会を通して、子どもが必要としているプログラミング資材などを寄附している。

    まとめ

    今後も、一つのスーパーマーケットとしてだけではなく、学校関係者、地域の生産者やメーカーと共同して、新しい取組を進めて行きたいと考えている。

    質疑応答

    (質問)

    フードフェスタの食育体験では、具体的にどのような体験を行われているか、ご参考までに教えていただきたい。

    (回答)

    出展するメーカーによって、出し物がそれぞれ異なる。例えば、豆類を扱っている会社であれば、豆を使ってどんな物が作れるとか、乳製品の会社であれば、乳製品を他のものに混ぜるとこういう形に変わる、といったことを実際に体験してもらう。菓子のメーカーであれば、実際に売られている物はデコレーションされているが、オリジナルのデコレーションをやってもらうなど、単なる試食だけではなく、それぞれ工夫を凝らして行っている。


    (株)マルイによる事例発表の様子
    (株)マルイによる事例発表の様子

    意見交換(グループワーク)

    テーマを「健康寿命の延伸につながる食育の推進」、「子どもやその保護者に対する食育の推進」、「若い世代に対する食育の推進」の3つに分けて、グループワークによる意見交換を行った。

    各テーマに共通した取組としては、食育や食生活に関する各種セミナーの開催、健康を意識した食事に心がけているなどがあった。また、課題や問題点としては、活動を行う中で、参加者が少ないことや、食育(食生活)の意識が低い方々に対し意識を高めるためのアプローチの仕方が課題との意見があった。

    【テーマ:健康寿命の延伸につながる食育の推進】

    A-1班

    取り組んでいること

    低栄養改善セミナーの開催、美腸に関するセミナーの開催、発酵調味料の開発・普及、バランスの良い食事、腹8分目、サプリによる栄養補給、カルシウムや食物繊維の摂取、糖質の抑制、階段を上る、歩く、スポーツをする 等

    課題、問題点及び今後取り組むと良いと感じていること

    頭をクリアにするための自治会の活動、足腰の強化や筋力を付けるための階段の上り降りやジムの活用、開発した発酵調味料の普及・拡大、美腸活動の場及びセミナーの対象範囲の拡大、食の知識の習得による食材の選択や調理の実践、腸活 等

    A-2班

    取り組んでいること

    1日1食は、米、野菜、タンパク質を意識して摂取、旬の食材や地元の野菜の使用、手作りの食事、調味料の手作り、冷食の不使用、1駅分を徒歩、階段の上り下り、腸活の普及 等。

    課題、問題点及び今後取り組むと良いと感じていること

    健康寿命への興味の喚起、働く女性のための職場での講座の増加、一人暮らしに向けた調理の基礎の習得など学校や職場での強制的な取組を行う仕組み作り、食事の大切さが分かる外国人向けの資料の作成、期間を定めたCMやPR活動による簡単にできることの啓発、予防・未病の必要性の周知、基本となる食事の励行、老後の準備、不必要な薬の排除 等

    【テーマ:子どもやその保護者に対する食育の推進】

    B-1班

    取り組んでいること

    各種イベントへの出展、学校や園での出前授業、食習慣チェック、食育の学習や調理実習等の開催、読書ボランティア、妊産婦の料理教室、乳幼児の栄養相談、離乳食教室、健康教室、無農薬米の生産、薬膳教室の受講、農業体験施設等の紹介 等

    課題、問題点及び今後取り組むと良いと感じていること

    イベント等での参加者の拡大、関心や興味のない人へのアプローチの方法、ユーチューブやSNSを通じた保護者や子どもへの情報発信 等

    B-2班

    取り組んでいること

    発酵食品の開発・製造、食品ロス削減、フードバンク活動、中学生や保護者へのスポーツ栄養指導、朝ごはんの摂取指導 等

    課題、問題点及び今後取り組むと良いと感じていること

    参観日等を活用した保護者への普及・啓発、食育に興味がない者の意識を高めるためのアプローチの方法、中学生や高校生を対象とした食や自分でできる調理等の教育、一人暮らしを始める学生(高校生3年生)への食育 等

    【テーマ:若い世代に対する食育の推進】

    C-1班

    取り組んでいること

    伝統食、郷土食や行事食の継承・実習、食品ロスや食材ロスに係るイベントへの出展・展示、食品ロスを考慮した調理や料理コンクールの実施、腸内環境を良くする食材、食品添加物の見分け方や簡単なレシピの家庭内での子どもへの伝承 等

    課題、問題点及び今後取り組むと良いと感じていること

    若い世代での選ぶ力の身に付け方、食事バランスのアドバイスが掲載された冊子、一人暮らしをする前の大学生や社会人への指導機会、食育に関心のない人への興味の喚起、SNSやアプリを活用した情報の発信 等

    C-2班

    取り組んでいること

    食堂での食物の花や実、四季折々の祭り事の展示、子どもへの栄養バランスの良い食事作り、食品ロス削減の普及・啓発、小学生への出前授業や冊子の配布、消費者の部屋での展示 等

    課題・問題点及び今後取り組むと良いと感じていること

    全く興味や意識のない人への興味の喚起、小学生の保護者を対象にした食の重要性の啓発・再認識

    グループワークの様子
    グループワークの様子

    講評

    中国四国農政局 吉永消費・安全部長

    • 現在の取組内容として、いくつかの個別の品目を摂取しているとの話があったが、個別の品目だけでは健康的な食事は難しいことから、様々な知識を習得し、できるだけ幅広く、バランスの良い食事に心掛けることが大事である。
    • 実際に、食堂などに食物の花や実の実物を展示し、食物の成り立ちを教えることは、すばらしい取組である。
    • 共通の課題として、イベントを開催しても忙しくて参加できない方が多いことや非常に関心の高い人もいれば、全く無関心な人もいることが挙げられたが、関心のない人にどうやって関心を持っていただくのかを考える必要がある。
    • 農政局では、食育を推進していく上で、以下の3つのことを心がけている。
    1. 食育に関心を持っていただくこと
      食育に関心さえ持っていただければ、自分の力で知識や食を選ぶ力を習得できると考えており、まずは、関心を持ってもらうが重要である。
      農政局では、スポーツのファンにも関心を持ってもらうため、昨夏、アスリートを招いて食育シンポジウムを開催した。

    2. 食育を実践していただくこと。
      いくら知識があっても食育は実践しなければ意味がない。本日の交流会でも、講師の方への講演のお願い、事例発表のお願いにあたって、実際の実践につながるという題材でお願いしたところ。今日は、いろいろ参考になるお話をお聞きいただけたのではないかと思う。

    3. 人に伝えていただくこと
      既に関心を持ち、自ら実践している者は、実際の取組内容や経験をより多くの人に伝えることが大事である。その際には、グループワーク等の活用により、自分の考えを発信し、他者の意見を聞き、意見交換を行うことが役立つのではないか。
    中国四国農政局吉永消費・安全部長による講評
    中国四国農政局吉永消費・安全部長による講評

    参加者からの主な感想

    • 腸がこんなに大事なものとは思っていなかった。
    • 健康は腸内環境からであると改めて感じた。また、職場で活用できそうな内容であり、具体的なポイントを知ることができてとても良かった。
    • 取組を継続することの重要性を実感した。
    • それぞれができることを、できる範囲で進めていくことが大切であることを改めて感じた。
    • グループ討議の時間をもっと長く設定すれば、知識や意欲が高まると思う。
    • 農業者や漁業者を交えた体験会をより多く設定し、食育を考える機会が増えれば、健康寿命は延伸するかもしれない。

    参加者アンケート

    アンケート結果はこちらからご覧ください。

    アンケート結果(PDF : 664KB)

    お問合せ先

    消費・安全部消費生活課

    ダイヤルイン:086-224-9428

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