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中国四国農政局

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    「中国四国地域食育交流会in高知」開催概要
       和食文化の継承  ~伝統料理の魅力再発見~

    日時:平成29年12月2日(土曜日)13時00分~16時30分
    場所:学校法人三谷学園 RKC調理製菓専門学校  調理実習室        
    参加者:56名
    主催:中国四国農政局

    開会挨拶
        仲地部長開会あいさつ

    伝統的な料理の実習 
    講師:永尾  朱美氏(土佐伝統食研究会  副代表)        

    <内容>

    1 田舎ずしの命名について
    昭和60年までは各地域の山の幸を活かしたりゅうきゅうずし、みょうがずし、たけのこずしなど、それぞれの寿司の名前で呼び皿鉢に盛り込んでいた。昭和61年の米消費拡大事業全国おにぎり100選で、「田舎ずし」と称した山の幸の寿司盛り合わせが選ばれたことをきっかけに、「田舎ずし」の呼び名が広がっていった。

    2 高知のすし飯の特徴
    しょうがのみじん切りと炒りごまが入る。
    ゆず酢が入る(地域によって量にかなり違いがある)。

    3 田舎ずしの素材について
    (1)りゅうきゅう(はすいも)
       葉柄の部分を食用にする。夏から秋にかけて、外側から順に切り取って使い、何回も収穫できるため重宝される。現在はハウス栽培のものを「はすいも」という名前で県外へ出荷している。
    (2)みょうが
       高知県は生産量日本一。現在はハウス栽培が多くなっている。
    (3)四方竹(しほうちく)
       たけのこの一種で断面が四角いことから四方竹と言われる。収穫時期は9月末~11月中旬まで。元々造園用であったが、地域の人がアク抜き調理方法を研究し、食用となった。
    (4)ゆず
       高知県は生産量日本一。食酢としてゆず酢を使用することが多い。

    4 講師の実演
    すし飯、りゅうきゅう、みょうが、四方竹、椎茸、こんにゃくの下準備。
    田舎ずしをつくる(りゅうきゅう寿司、みょうが寿司、四方竹寿司、椎茸寿司、こんにゃく寿司)。

    5 田舎ずしの実習・試食
    参加者は6班に分かれ、5種類の田舎ずしを作る体験を行った。どの班も切り方、盛りつけ方を工夫して楽しく調理を行った。
    完成した彩り豊かな田舎ずしと、RKC調理製菓専門学校の日本料理教員が調理されたえび真薯(しんじょ)のお吸い物を一緒にいただき、皆「とても美味しい」と好評であった。

    永尾先生
         説明する永尾先生

    りゅうきゅう(はすいも)
    りゅうきゅう(はすいも)

    班で調理実習
    班ごとに調理実習

    田舎ずし作り
    みんなで田舎ずし作り

    田舎ずしとえびしんじょ
      田舎ずしとえびしんじょ

     

    〈講演の資料、田舎ずしのレシピは、こちらからご覧ください。〉
       資料(田舎ずしについて)(PDF : 149KB)レシピ(PDF : 124KB)

    事例発表と意見交換

    事例発表要旨

    発表者:三谷英子氏  学校法人三谷学園  RKC調理製菓専門学校校長

    • 食の継承ほど難しいものはない。継承していくためには食べて体験をすることが重要であり、今後もその方策を考えていく必要がある。
    • 当学校のカリキュラムに伝統料理を取り入れ、生徒に伝えている。
    • 教員は各地域の様々な講習会で伝統料理を伝えている。
    • だし汁など本物の味を教えることが大事。
    • 行政、民間、NPO、大学等関係機関の連携が大事。

    発表者:島田千恵氏  土佐の料理伝承人  土佐あき農業協同組合

    • 土佐の料理伝承人「米なすのたたき」登録。安芸地区園芸女性連合会が考案。
    • JA土佐あきはエコシステム栽培の農産物、特になすの消費宣伝活動に力を入れている。小学生や保育園児対象になすやピーマンの収穫体験を実施。
    • なすのゼリー、ピザ、ジャムなどを子供たちに食べてもらい、好きな野菜となるよう活動している。

    発表者:寺石  亮さん  RKC調理製菓専門学校学生

    • 幼い頃祖母の家に行って、いたどりの皮をむいて炒め物を作ったり、りゅうきゅうの酢の物などの料理の手伝いをさせてもらい、その料理を美味しいと言って食べてくれたことがうれしかった。
    • 幼少期の経験から和食が一番なじみ深く、将来は和食の料理人になりたい。

    パネリストによる事例発表
    パネリストによる事例発表

    発表する島田氏
          発表する島田氏

    発表する寺石氏
        発表する寺石さん



    意見交換

    以下の内容について、パネリストと永尾講師、参加者とともに意見交換を行った。

    1.学校給食の果たす役割について

    • 学校給食に伝統食を取り入れ、給食の時間に教えている
    • 11月24日和食の日にだしを使った給食を提供。
    • 魚が献立にあるときは残食が多い。家庭で魚を食べ慣れていない。
    • 皿鉢料理を授業で学び、給食にも取り入れた。
    • 皿鉢料理は懐石料理の集積のようなもので、残していくことは大事。病院給食にも取り入れてくれて、画期的なことである。

    2.農業体験、伝統料理教室などの活動について

    • 量販店で出た廃棄食材をたい肥に変え、野菜栽培、田んぼに利用し、農業体験活動にも取り組んでいる。
    • 高知県では「土佐の料理伝統人」を選定し、伝承料理講習会を実施。高知城歴史博物館、スーパーマーケットなどでも教室を行っている。

    3.スーパーマーケットの果たす役割について

    • 郷土料理を買って食べて味を覚えることが必要。外食、中食産業と連携して取り組まなければならない。
    • 惣菜など、調理しなくてよいものが普及しすぎてはいないか。
    • 国産をできるだけ扱ってほしい。

    最後に高知県立大学名誉教授であり土佐伝統食研究会代表 松崎淳子氏から高知の幻の在来野菜である潮江菜についての説明を受けた。

    質問に答える三谷先生
      質問に答える三谷先生

    参加者からの質問
       質問をする参加者

    潮江菜の説明をする松崎代表
    潮江菜の説明をする松崎代表


    参加者からの主な質問

    • 田舎寿司を作りたいが時間をかけずにできる手順はないか。
         →前日に煮たものを置いておく煮含めが秘訣。冷蔵、冷凍保存を上手く使う。
    • 伝統料理を伝えるコツや注意する点を教えてほしい。
         →昔の寄合がない今、手作りの食べ物を持参して食べる機会を作ってはどうか。
    • しょうがの保存方法
         →切って蒸して干すか、丸のまま冷凍するか、みじん切りを冷凍する。

    参加者からの主な感想

    • 今まで知らなかった食材の使い方がわかり、良かった。
    • 田舎ずしを食べたことはあるが、作るのは初めてで勉強になった。
    • 郷土料理を地域で広めていきたい
    • 学校、病院等に和食が広がっていることを初めて知った。

    参加者アンケート

    アンケート結果はこちらからご覧ください。

    アンケート結果(PDF : 665KB)

    お問合せ先

    消費・安全部消費生活課
    代表:086-224-4511
    ダイヤルイン:086-224-9428

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