JAきょうわ(参与 石田 智子 氏、参与 笠原 敦子 氏)
(きょうわ農業協同組合)
参与 笠原 敦子 氏(写真右)
石田氏と笠原氏は、それぞれが共和町でメロンと水稲を栽培しており、2025年からJAきょうわの参与として活躍されています(現在1期目)。
取材日:2025年11月25日
取材場所:JAきょうわ本所

家族で特産品のメロンと水稲を栽培
------経営概況を教えてください。-------
以下、敬称略
石田 前職はJA職員です。農家の方と結婚し、結婚後しばらくは農業に携わらなくて良いと言われたので、実際に農業に携わったのは20年前からです。初めの頃は、町の特産品のメロンやスイカの栽培方法なども全く分からない状態でした。
現在は、メロンと水稲を栽培しています。メロンはハウス(100m×6m)で8棟、露地で1.5haを栽培し、水稲は2.8ha栽培しています。農作業は2月から10月まで基本的に夫婦で行っていますが、メロンの定植等手が回らない時期はパートを雇っています。
以前、JA女性部長を務めていた時に、他のJAの女性部長からJAの正組合員になるよう勧められたことをきっかけに正組合員になりました。
笠原 結婚を契機に農業に携わり45年経ちました。当JAが以前、女性を正組合員にしようと推進していた時があり、迷うことなく正組合員になりました。現在は息子夫婦に経営を移譲していますが、農作業には夫ともども変わらずに携わっており、メロン1.5haと水稲6.5ha栽培しています。また、メロンの剪定のため2か月程度パートを雇っています。
組合長からの強い要請
-------参与になったきっかけは?-------
石田 当JAには、女性部が発足(はったり)地区と前田地区の2つあり、私は発足地区に所属しています。2024年春頃に、当JA組合長から、それぞれの女性部から参与を1名推薦してほしいと強い要請がありました。そのため、女性部全員で話合いを行いましたが、誰も立候補する者はいませんでした。私は沈黙する場の雰囲気が苦手で、女性部長を3期6年務めた他、JA北海道女性協議会の後志地区代表を2年間務めた経験もあり「60歳を過ぎたのでこれまで経験していないことをやってみたい」との思いもあったため、自ら立候補しました。
笠原 私は前田地区の女性部に所属しており過去に女性部長も務めていました。当地区女性部にもJA組合長から参与を1名推薦してほしいと強い要請がありました。そのため、現女性部長と私を含めた女性部長経験者2名の計3名で話合いを行い、この中から選出することになりました。現女性部長からは部長を6年間務めたので「少し休みたい」との意向が示されたことから推薦することはできないとの認識がありました。そのような中、もう1人の女性部長 経験者から、「次のJA役員改選期に同様の話があった場合は私が引き受けるので、今回は笠原さんが参与を担って欲しい。そうすると前田地区女性部から選出する参与は2期6年間安泰だから」との発言がありました。私は経営面積が小さいので、自分が参与になるのはおこがましいと思っていましたが、この言葉をきっかけに参与を引き受けることにしました。私が推薦されると決まったのは2024年11月頃です。
理解とアドバイス
-------参与を受けた際の家族の反応-------
石田 女性部長を6年間務めてきましたが、改選期の都度、周りの人を巻き込んで夫を説得するということを繰り返してきました。夫からは家事や農作業等やることをきちんと行えば良いと言われていたので、これまでも自分の仕事は頑張ってきました。このためか、参与を引き受ける時に反対はありませんでした。
笠原 私も女性部長になる時には、夫からいろいろ言われましたが最終的に引き受けました。それで諦めたのか、参与になる時には特に反対はありませんでした。息子夫婦も少し驚いたくらいで反対することはありませんでしたが、「発言には気をつけたら良いよ」とアドバイスをもらいました。
新たな発見と知識向上
-------参与の仕事はどのようなものですか?-------
石田 年15回開催される理事会に出席しています。参与は発言権があるため質問はできますが議決権はありません。また、4月に就任したばかりなので、専門用語が難しくあまり発言できていない状況です。理事会で発言した場合は議事録に残るため、事前に相談するように事務局からアドバイスをいただいているほか、報酬をもらっているため仕事として責任を持つようにと言われています。
理事会では、金融や組合員のことなどJAの各種事業が議題になるので、今まで知らなかったことが多く、新たな発見があります。このような経験は一組合員として知識向上に繋がると感じています。
笠原 私も石田さんと同様に理事会に出席しています。人見知りなので理事会に女性が私1人だけだったら抵抗があったと思います。
理事会に出席して、組合員数、生産状況等を毎月確認していることがわかりました。また、 コンプライアンスってなんだろうと疑問に思っていましたが、その意味を理解することができたなど新しい発見があり、とても新鮮です。
優しく接してもらっています
-------参与に就任した感想は?-------
石田 理事会の雰囲気にまだ慣れていないです。理事会はタブレット端末を使用して行っていますが、操作に慣れていないので、JA職員に教えてもらっているほか、他の理事からも気を遣っていただいていると感じています。また、今後は地区懇談会が2地区で開催され出席しますが、その時にどのようなことができるか心配な反面、組合員の意見を聞けるのが楽しみです。男性は地域単位で毎月開催される常会など話合いの場が多く設けられているため、幅広い知識を持っていますが、女性にはそのような機会がなく、同じ仕事をしているのに知識を得る機会がないことが嫌だと思っていました。
また、自身の農業経営のことになりますが、仕事はどのような作業でも夫婦一緒に行うのではなくて、1人でできる作業は1人で行うなど棲み分けを行うことで時間を作っているため、参与との両立が図れています。
笠原 理事会は、農作業の繁忙期は18時から開催し、冬は13時30分から開催するので出席しやすいです。また、理事会では理事の皆様に優しく接していただいており、尊重してもらえているとも感じています。一方で、突然女性が2名理事会に入ってきて理事の方も戸惑っている部分があると思います。もし、私たちがいなかったら、もっと活発な意見出しがあるのかなと考えることもあります。
参与としては、まだ大変な経験はしていません。むしろ女性部長時代の方がいろいろな会議に出席することが多く大変だったと感じています。
家庭との両立では、女性部長時代に2泊家を留守にした時に、その間の食事を考えるのは無理だと思い、夫に「自分で考えて食べて」と言ったらできたので、今は家を留守にする時の心配はしていません。家事も自分の仕事だと頑張っていましたが、あんまり頑張らなくて良いとわかり少し楽になりました。
夫世代の意識改革と若い世代に期待 -------女性の理事登用について-------
石田 地域的に古い考えの方が多いので、女性の理事登用はなかなか難しいのではないのでしょうか。
理事は部会等のいろいろな集まりに顔を出す必要があり時間が取られるため、自分に依頼があったとしても、夫婦でメロン栽培を続けている間は引き受けられないと思います。一方で、もう少し若かったら理事になることを考えていたようにも思います。
また、女性を理事に登用するためには夫世代の意識改革も必要だと思います。
笠原 息子に経営移譲してから経営に携わっていないため、私が理事になるのは難しいと感じており、JAには女性理事には息子世代の女性から選出するよう提案しています。また、根本的な課題として、女性はJA運動に参画できていないこと、そして自身の経営状況を把握できていない場合が多いことがあります。経営についてもう少し夫と話合う機会を持つことで、JAの経営にも興味が湧くのではないかと感じています。
取材のご協⼒ありがとうございました。
お問合せ先
企画調整室代表:011-330-8802




