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北海道農政事務所

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北海道指導農業士協会 元会長 吉村俊子氏

北海道指導農業士協会
(峰延農業協同組合)
元会長 吉村 俊子 氏

   美唄市で水稲、小麦及び大豆を組み合わせた土地利用型農業を家族経営する吉村さんは、平成15年に指導農業士に認定され、平成27年には女性で初めての北海道指導農業士協会の会長に就任されております。

取材日:2025年12月2日
取材場所:美唄市

JA女性部は勉強と経験の場

   高校卒業後、Aコープ美唄店にレジ係として就職しました。その後、仕事内容が認められレジ打ちを教える係をしておりましたが、昭和55年に農業を営む主人(美唄市)と結婚し、農業に携わることになりました。
   結婚後はJAみねのぶの女性部に入り、仲間づくりや組織活動などを行う中、女性部長を6期12年間務めてきました。部長当時は、女性部は勉強と経験の場であり、失敗もできる場であるということを言い続けてきましたが、仲間からは、「経験して楽しいと思うのは吉村さんだけ」、「やってどうなるの、お金にもならないのに」などと言われました。私はお金の問題ではなく、その経験の積み重ねが大事なことだと思っており、10年20年続けていくとその経験によって、成長することが出来ます。役員や司会、会計などを経験する場が多い青年部に比べ、女性部にはそのような場が少ないです。やはり人の中に入り、学び、伝えることが如何に大事なことなのかと思います。

文章を書くことがとても勉強になった

   残念ながら女性部はなくなってしまいましたが、当時は、部長、部員関係なく、毎月発行される青婦だよりに青年・女性部の活動報告や感想を載せていました。この文章を書くに当たり本や新聞を読みこむ経験や編集することはとても勉強になりました。基礎能力や学力がついたと思います。今はAIがあり便利な時代ですが、自分の心をどう表現するのかはAIに聞くことにはなりません。それと、青年部、女性部の活動をサポートしてくれたJAみねのぶ営農推進課の協力がなければ、私たちだけで活動することは難しかったと思います。

主人の後押しもあり指導農業士として歩み始める

   子育て中、空知農業改良普及センター(以下、「普及センター」という。)の農業経営簿記グループでの学びや、仲間との直売所での販売、赤ピーマンジュース作りなどの活動に取り組んできました。指導農業士になったのは、その活動を見続けてきた普及センターの職員から、指導農業士になってみないかと声かけされたことがキッカケでした。その時は指導農業士のことは知りませんでしたが、主人からは「それは凄いことで、誰にでも推薦してくれるものではない。やれると思ったら受けてみたら」と後押ししてもらいました。平成15年に普及センター、JA、美唄市の3機関から推薦していただき指導農業士に就任しました。経営規模が大きくない私が推薦を受けることができたのは、地域で多岐にわたる活動を行っていたことが理由だと思います。
   私が指導農業士に就任した当時は、JAみねのぶ管内には、指導農業士が他にお一人いらっしゃいました。空知管内や全道の研修会に出来るだけ出席させていただき、自己研鑽を積んできました。

指導農業士の仕事は生涯携われるもの

   平成26年に女性枠で北海道指導農業士協会副会長と全国指導農業士連絡会の理事を務め、平成27年から北海道指導農業士協会会長を2年間務めました。女性で初めての会長でした。打診された背景は分かりませんが、会長にならないかと言われ引き受けることにしました。
   会長職は力作業がありませんし、組織の長として皆をまとめて行事を行う立場で、いわゆるお世話係のようなものです。また、事務局の北海道庁の方が運営に協力してくれることや、理事には顔見知りの仲間も多く、悩み事や困り事、揉め事もなかったので、違和感なく仕事を進めることができました。
   私の後にも、道東(JAしべちゃ)の千葉澄子さんが会長になっております。会長職は性別に関わらず出来る仕事と考えており、むしろ女性の方が適任なのかもしれません。指導農業士は、新しいことを学ぶ、新しい場所で経験を積むなど、先進的な取組を「良し」とする風土があり、新しい仲間を受け入れてくれます。そして、周りの人はスペシャリストなので、何でも聞くことができたことも大きかったです。
   年齢制限で今は特別会員となりましたが、指導農業士の仕事は生涯携われるものであり、引き続き研修などに参加し研鑽に励んでいきたいです。

農家のお嫁さんには家族を大切にし、土地を好きになってほしい

   農家のお嫁さんは他の地域から来ている方が多いので、まずは家族を大切にし、その土地を好きになってほしい。そして、色々なことを勉強し、仲間を作り、家に帰っても元気で過ごしてほしい。これが一番の想いです。家族の目が気になり、外に出たくても出られない場合もあるかもしれませんが、出かけて楽しめる、楽しいと思える場が必要だと考えます。
   そのためには、若い女性にとって魅力的な地域でなければなりません。
   地域では、子どもたちは大人になったら都会に行って働くという流れがありますが、子どもたちが「農業は自分の仕事」だと思えるように育てることも大事ではないかと思います。

冬の地域インフラを守る農家の除雪作業

   農家戸数が減ることは、その地域やインフラを守れないことになります。冬季間を賄える収入源が少ない北海道は、農家は除雪作業等で収入を賄えるよう頑張っております。近隣の市道や高速道路、空港の除雪作業の他、近隣の一人暮らしのお年寄り宅周りの除雪作業もしております。
   息子は美唄市からの委託を受け市道除雪に励んでおりますし、主人は以前、JR駅構内の除雪を行っておりました。近年、ドカ雪が多い中、夜通しでJRの線路などの作業をしてくれる方々にとても感謝しております。

母ちゃんは、主人をサポートできる人間でなければいけない

   主人が稲刈り作業中コンバインに手を巻き込まれる大けがをしたことがありました。その時は救急車で近隣の小学校のグラウンドに向かい、ドクターヘリで札幌市内の病院に緊急搬送されましたが、おかげ様で翌年には農作業に復帰できるまでに回復しました。小学校側の協力や近隣農家の支援、そして他の職業に従事していた息子が2週間ほど休みをとって稲刈りをしてくれたので、その年のお米を収穫することができました。そのとき、母ちゃんは一緒に仕事をするばかりでなく、いざというときサポートに回れる人間でないとダメだと思いました。近年では、安全対策によりボタンひとつで機械を停止できるようになりましたが、農業機械を使う作業には危険が伴うので、家族で安全への意識を高め、支え合いながら農業に向き合うことが大切だと思っています。

困っている人の相談対応も私の活動のひとつ

   7年前から美唄市人権擁護委員を務め、学校でのいじめ問題や遺産相続問題など困っている人の相談対応をしております。勉強が必要な仕事ですが、私にとっての大切な活動となっています。

吉村様、貴重なご意見をいただきありがとうございました。

お問合せ先

企画調整室
代表:011-330-8802