近畿の「100年フード」に関する情報
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滋賀県
よびしの食
「よびし」とは、冠婚葬祭などに、親戚や近所の人を招き(よび)おもてなしをする寄り合いのことで、多賀町近隣地区の方言です。「よびしの食(寄り合い時のおもてなし料理)」には、「うどんぬた・イタドリ煮・ゼンマイの白和え・くるみごんぼ・ぼんがら餅」などが各集落に伝わっています。「正月よび」「おんなよび」など行事や人によって呼び名も少しずつ異なります。多賀大社祭礼・胡宮神社祭礼等にふるまわれていた食の記録が、江戸期の多賀大社文書や胡宮神社文書に記されており、100年以上前からおもてなしの食文化があります。

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近江日野の伝統料理~鯛そうめん、肉めし、日野菜漬け ~
滋賀県蒲生郡日野町は、近江日野商人のふるさと、800年以上続く湖東地域最大の祭「日野祭」や奇祭「芋競べ祭り」など今も町内各地域で昔ながらの伝統や文化、風習が残る町です。
日野祭の際にもてなし料理としてふるまわれたという「鯛そうめん」や「ぶりぬた」、葬式を家庭でおこなっていた頃に作られていた「丁子麩のからし和え」「白和え」「ごま豆腐」「焼き豆腐」、原産地である「日野菜」の漬物、農村地域で広く食べられていた「さつまいものちょく」、地域の行事で食べられていた「肉めし」や「茗荷ずし」「山味噌」など各地域や家庭で食べ継がれてきた料理があります。

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安土のふなやき
天下統一を目指した織田信長は、侘び茶を確立した千利休を重用し、安土城から茶道を全国に広げていきました。茶会ではお茶と茶菓子が振舞われ、「利休百会記」によると「ふの焼」という茶菓子が88回中68回使われたと記録されています。安土城があった蒲生地区(現近江八幡市安土町)から「ふの焼」が全国に発信され、名称・材料・目的を変えながら全国に広がっていきました。
「ふの焼」発祥地である蒲生地区では、「ふなやき」として子供のおやつ、また「お母さんの味」として記憶されています。

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大津のうなぎの食文化
江戸期には大津市で獲れた琵琶湖のうなぎは屈指の名産品として全国に知られていました。また当時は瀬田の唐橋から大津宿までの東海道沿いに、逢坂の関から流れる清流で泥抜きをしたうなぎを扱った料理屋がたくさん店を構えており、その名残から今も旧東海道の周辺には多くのうなぎ屋があります。鰻料理は多種多様で、蒲焼き以外の食べ方を楽しめるのが大津のうなぎの最大の特徴です。

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石部のいもつぶし
500年以上前の江戸時代に東海道の51番目の宿場としておかれた石部宿(現:滋賀県湖南市)で、古くから庶民に親しまれてきたといわれる「いもつぶし」は、米が貴重とされていた頃、里芋を混ぜて食べられていた郷土料理です。
皮をむき、ざっくりと切った里芋を米と一緒に炊き、つぶして俵型に丸め、みたらしのような濃厚なタレを塗り、香ばしく焼いた甘辛醤油味は誰もが好む逸品です。ほろ苦い味噌があと引く田楽味噌味は、お好みで山椒をかけると風味が変わり味噌ともよく合います。

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京都府
茶汁
「茶汁」は「日本緑茶発祥の地」宇治田原町の郷土料理です。緑茶を生み出した永谷宗円が生まれ育ち、緑茶を生み出した地である湯屋谷(やんたん)にて、その食文化は生まれました。
インスタント味噌汁の先駆けとも言われる茶汁の歴史は古く、江戸時代にまで遡るのではないかと言われています。
昔から農作業の時の昼食として家庭からみそ玉を入れたお椀を持っていき、焚き火でなすやニシンを焼き、自生しているみつばやセリを加え、番茶を注いで食してきたもので、湯屋谷の方々に長く愛される料理です。

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西京白みそ
1200年以上もの間、政治・経済・文化の中心で、雅やかな王朝文化が花開いた京都で「西京白みそ」は生まれました。宮中では早くから、ハレの儀式(祝儀)に欠かせない調味料として重用され、正月には白みそ雑煮が供されました。後にこれが一般に広がり、今日も西京白みそで仕立てた雑煮で正月を祝います。
「西京白みそ」は、明治の一時期、東京に対して京都を「西京」とも称したことから、京都の白みその意で呼ばれるようになりました。

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松花堂弁当
松花堂弁当の始まりは、料亭「吉兆」の創業者の湯木貞一氏が京都府八幡市を訪れた際、部屋の隅に積み上げられた四つ切箱を見て「料理の器に使えないか」と思いついたことが始まりです。
十字に仕切りがあるその器を見て、異なる料理を入れるという利点に着目し、年月を掛け創意工夫を重ね、食材同士の味や香りが移らず、舌で味わっても、目で味わっても美味しい、機能と美しさを併せ持つ松花堂弁当が生み出されました。

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画像提供元:八幡市立松花堂庭園・美術館
大阪府
大阪ワイン
大阪では1580年頃から葡萄栽培が行われていたとされ、大正時代中頃から昭和初期には全国一位の栽培面積を誇っていた時期があります。この葡萄と共に100年以上にわたって醸造技術を研鑽し、世界に誇れるワインを醸造しながら大阪の葡萄畑とワイン醸造のある暮らしと文化をつないでいます。
2019年G20大阪サミットではたくさんの大阪のワインやブランデーが採用され、好評を博しました。

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高槻うどんギョーザ
大阪府・高槻市北部で昭和50年代半ばより脈々と愛されてきた家庭料理です。
おやつにも、ビールのおつまみにもピッタリのご当地グルメです!肉や卵、ニラなどの餃子の具材を、皮の代わりに細かく刻んだうどんを混ぜ合わせ丸めて焼き、餃子のタレやポン酢をつけて食べます。
見た目はお好み焼き、味は「ギョーザ」というのが特徴です。

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兵庫県
西谷地区のちまき
ちまきは、中国戦国時代の楚の屈原を弔うために始まったとされる端午の節供の行事が由来と言われており、それが日本に伝来し、茅萱(チガヤ)の葉で最初に巻いたため、ちまき(茅巻き)という名前がついたと言われています。
西谷地区では、全国的にもきわめて稀なナラガシワとヨシの2種類の植物で包むちまきが作られてきました。
作ったちまきは田植えが終わった後の労いとして食されていたほか、里帰りの際の土産にするなど、単なる食文化としてだけでなく、贈答の習俗として地域に根差したものとなっています。

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出石皿そば
出石皿そばは1706年(宝永3年)信州上田の仙石家がお国替えにより出石に移封されたさい、そば打ち職人を同行したことから出石に定着し、以来300年間そば打ちの技法は改良されながら発展し受け継がれてきました。
受け継がれる伝統の技法と「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」の伝統の三たてでつくられる出石皿そばは、素朴でコシがあり風味豊かな味わいです。
出石焼の小皿に盛り付けた皿そばを何枚も食べる独特の様式も楽しむことができます。

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朝倉山椒を用いた食文化
江戸時代から400年、地元農家が大切に守り続けてきた兵庫県但馬地方の食文化です。
朝倉地区が原産地である朝倉山椒は香り高く、大粒でまろやかな味が特徴です。朝倉山椒の果実は柔らかく加工に適しており、醤油、味醂、酒などの調味料を沸騰させ山椒を入れて弱火で汁気がなくなるまで炊いた山椒の佃煮は但馬地方での代表的な食べ方になりました。
養父市内では朝倉山椒の特色を生かした創作料理を食べることができます。また、朝倉山椒を使った商品開発も盛んになり、様々な商品が生み出されています。

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明石焼(玉子焼)
明石焼(玉子焼)は、小麦粉とじん粉、卵、だし汁を混ぜ合わせて作った生地の中にタコを入れて焼き、だし汁につけて食べる明石を代表する食文化の一つであり郷土料理です。
明石焼を商売として始めたのは、大正8年頃からと言われています。たこ焼きのルーツともいわれ、見た目は似ていますが、卵の分量がたこ焼きに比べて多く、じん粉は加熱しても硬くならないため、小麦粉だけで作るたこ焼よりも、柔らかでふんわりと仕上げられます。

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ぼたん鍋
丹波篠山の猪は、丹波栗、丹波松茸、丹波篠山黒豆、山の芋、コシヒカリなどをたらふく食べる美食家です。猪肉には木の実の香りと味が染み込み、クセや臭みは全くありません。
丹波篠山市は猪肉の本場で、その代表的な料理が「ぼたん鍋」です。ぼたん鍋は丹波篠山が発祥で、明治時代からおもてなし料理として食されています。
猪肉を薄切りにして牡丹の花のように盛り付けた姿は、卓上をぐっと華やかにしてくれます。

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高砂にくてん
「高砂にくてん」の特徴は普通のお好み焼きとは違いおでんの具材が入っているところです。
すじ肉やこんにゃく、ジャガイモなどおでんの残り具材を甘辛く煮込み細かく切ったものを具材として入れ、新たな食べ物として作ったものが「高砂にくてん」です。
市内のお好み焼き屋さんでは各店舗、違った味や具材の「高砂にくてん」が楽しめます。

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佐用ホルモン焼きうどん
佐用ホルモン焼きうどんは、ホルモンとうどん、野菜を一緒に焼いて、みそや醬油ベースのつけダレで食べる、佐用町を代表する食文化の一つです。
戦後、畜産や精肉業が盛んであった佐用町で生まれたホルモン焼きうどん。「放るもん」として廃棄されていた新鮮なホルモンと、おなかを満たすために安く手に入るうどんを一緒に焼いて食べるようになったのが始まりです。
お店だけでなく家庭の食卓にならぶことも多いホルモン焼きうどんは、町のソウルフードです。

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かつめし
かつめしは “洋皿に盛ったご飯の上にビーフカツをのせ、デミグラスソース系のタレをかけ、茹でキャベツを添えてお箸で食べる” 加古川市のご当地グルメです。そのルーツは、昭和20年代の戦後間もない頃「お箸で気軽に食べることができる洋食」として加古川駅前の食堂で考案されたと言われています。
スーパーでは専用のタレが販売され、家庭でも親しまれているほか、学校給食のメニューにも取り入れられるなど、市民に馴染みの深いグルメとなっています。

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画像提供元:一般社団法人加古川観光協会
奈良県
三輪そうめん
日本最古の神社である三輪の大神神社で、飢饉と疫病に苦しむ民の救済を祈願したところ神の啓示を賜り、小麦を撒き、実りを水車の石臼で粉に挽き、湧き水でこね延ばして糸状にしたものが、そうめんの起源と伝えられています。
後に、三輪そうめんはお伊勢参りの途中で訪れた人々を魅了し、手延べの製法も播州(兵庫県)、小豆島、島原へと伝わり、日本を代表する伝統食となりました。
茹でのびしにくく、コシが保てる三輪そうめんは、冷やしても、温めても、炒めても美味しく、食べ方も自由自在です。

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飛鳥鍋
一般的に、飛鳥鍋は飛鳥時代に唐から来た僧侶が、寒さをしのぐためにヤギの乳で鍋料理を作ったのがルーツとされていますが、「飛鳥鍋」として地域に広く浸透したのは昭和後期ごろのことです。昭和初期に、旧飛鳥村の村長であった故 薮内増次郎が「地域産業の発展」を願って、古くからこの地方で食されていた「鶏肉の牛乳煮」をもとに考案し、橿原観光ホテルが看板メニューとして提供したのが始まりと言われています。
明日香村の各家庭では来客をもてなす料理として地域で親しまれています。

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和歌山県
金山寺味噌・径山寺味噌
鎌倉時代建長元年(1249年)に宋(中国)に渡った法燈国師(覚心)が、径(金曜日)山寺で修行の際、習得した製法を日本に持ち帰り伝えました。
調味料としての味噌とは違い、米・麦・大豆を全て糀にし、瓜・茄子・生姜・紫蘇などの野菜をふんだんに入れ醸造した味噌で、そのまま召し上がる“おかず味噌”です。現在も尚、その醸造方法が受け継がれ、郷土食として温かいご飯やお粥、焼き魚や生野菜の付け合わせとして親しまれています。

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湯浅の醤油
醤油の起源は、はるか中世の時代、中国に渡り修行を積んだ禅僧が伝えた特別な味噌から始まります。この味噌を作る過程で桶に溜まって捨てていた汁に紀州湯浅の人々が価値を見出し、工夫を重ね、生まれたのが現在の醤油であると言われています。
湯浅の醤油は伝統的な製法に基づいて作っているため、早く大量に醸造できませんが、醤油の真髄、本来の醤油のすばらしさを味わっていただけるように古くから伝えられている方法を受け継ぎ、作られています。

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加太の煮あい
「加太の煮合い」とは、真鯛の一本釣りで有名な和歌山市加太に伝わる古くからの郷土料理です。
江戸時代後期には食されていたとされ、新鮮なイワシ、アジ、ハマチに玉葱のみ加え、甘辛い煮汁で煮た料理です。
元々は、漁師が舟上で獲った魚をたまり醤油と日本酒のみで煮て食べたことが始まりとされる典型的な漁師飯です。

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お問合せ先
経営・事業支援部 食品企業課
担当者:和食・食文化担当
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