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近畿農政局

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令和4年度和食オンラインセミナーを開催しました

近畿農政局は、令和5年1月24日(火曜日)「令和4年度和食オンラインセミナー」を開催しました。

次世代に和食の魅力を伝えるため、 和食に欠かせない「酢」に焦点を当て、関西のお酢の歴史や食文化を学ぶ基調講演とパネルディスカッションを行いました。

本セミナーでは、「地域の和食文化ネットワーク近畿」の会員及び和食に興味・関心をお持ちの方等約70名の方々に参加いただき、出倉近畿農政局長の挨拶で開会しました。

1.基調講演

京都府立大学 文学部和食文化学科 特別専任教授 佐藤 洋一郎 氏に「和食と酢」をテーマに御講演いただきました。
5味の中の酸味の説明に始まり、和食の酢の系譜、「米と大豆の百変化」の図を用い米と大豆が各種加工品に変化していく様子、すしの展開など、多岐にわたる酢に関するお話をしていただきました。

佐藤先生

京都府立大学  佐藤教授

米と大豆の百変化

講演資料(抜粋)


2.パネルディスカッション

〇事例発表

(1)株式会社飯尾醸造 五代目当主  飯尾 彰浩 氏に「小さなお酢屋が実践するお酢の魅力をUPする方法」と題し、酢の造り方の説明や家族で食べることが少なくなった手巻き寿司を世界に広める活動について、お話いただきました。

飯尾氏の写真

(株)飯尾醸造  五代目当主  飯尾氏

飯尾氏事例発表資料

事例発表資料(抜粋)

(2)株式会社いづう 八代目当主  佐々木 勝悟 氏に、鯖の腹を開き塩をして若狭湾から京都まで人の足で70Kmもの距離を運んだという「鯖寿司」の歴史や、鯖や昆布などの原材料が不足する中で漁業者と協力し、鯖寿司を守っていきたいとお話いただきました。

佐々木氏の写真

(株)いづう  八代目当主  佐々木氏の事例発表

いづうの鯖姿寿司の写真

鯖姿寿司

(3)文化庁 参事官(食文化)付 文化財調査官  大石 和男 氏に「スグキの文化を味わう」と題し、上賀茂の農家が特産のスグキの種まきから漬物作りまで全てを行っており、農家ごとに製法や味が異なるとの事例発表をいただきました。

文化庁 大石氏の写真

文化庁  文化財調査官  大石氏

事例発表資料

事例発表資料(抜粋)

〇ディスカッション

事例発表に続き、「和食文化の保護・継承を進めるために~お酢の魅力をさぐる~」をテーマに、佐藤教授のコーディネートでパネルディスカッションを行いました。

パネリストから、「酢が苦手な人は加熱調理したものに酢を使うと味の立体感が出て使いやすい。」、「いなりずしのような油がしっかりしたものには柑橘を入れるとよい。」、「すっぱい物の中にあるおいしさに気付いてほしい。」等の発言がありました。

また、参加者からは、「日常の食事にもっと酢を取り入れようと思った。」「すぐき、鯖寿司など京都独特の食品について知ることができてよかった。」「酢の基礎的な内容、専門家同士のトークが面白かった。」などの感想をいただき、和食文化の保護・継承が大切であることを再認識する場となりました。


<参考>

お問合せ先

経営・事業支援部 地域食品・連携課

担当者:和食・食文化担当
ダイヤルイン:075-414-9025