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近畿農政局

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世界に本物の神戸ビーフを

兵庫県神戸市|神戸肉流通推進協議会

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近畿管内で輸出に取り組む企業などに話をうかがうこのコーナー。今回は、兵庫県神戸市で神戸ビーフの輸出に取り組まれている神戸肉流通推進協議会の事務局長の谷元さんに話をうかがいました。

輸出の概要メガホンのイラスト

輸出に取り組む企業担当者インタビュー メガホンのイラスト


 
――世界中で愛される「神戸ビーフ」ですが、輸出には、どんな課題があったんですか?

(谷元)
偽物への対応です。平成24年2月にマカオに初輸出したのを皮切りに輸出がはじまりました。初輸出をする時点では、海外で神戸ビーフと名乗っていた牛肉が全て偽物でしたが、輸出をすることにより、すべてが偽物と言えなくなり、本物と偽物の区別をどう海外の消費者の方に理解してもらうかが大きな課題でした。

――輸出してないのに、ラベル上では、すでに流通していたと。

(谷元)
はい。余談になりますが、最初に神戸ビーフを見出したのは、外国人なんです。慶応元年、まだ、日本に公に牛肉を食べる習慣がなかった頃、横浜港の開港から多くの外国人が住みはじめ、牛肉を求め、兵庫からも横浜に運ばれました。神戸港から積み込まれた牛は非常に美味しく、「神戸ビーフ」と呼ばれるようになり、「神戸ビーフ」の名は、美味しい牛肉の代名詞(ブランド名)として世界中に広がり、使われ始めたと言われています。

――輸出を始める前から世界的なブランド力があるというのは、珍しい例ですね。

(谷元)
はい。「神戸ビーフ」の素牛は「但馬牛(うし)」ですが、役牛として昔から農家になくてはならない存在で大切に飼育されていた結果が、開港を機に世界中の誰もが「美味しい」と思ってもらえる牛肉になったと言えます。 そんな、「神戸ビーフのブランド」を守るための取組みの一つとして、昨年から、「但馬牛(ぎゅう)」・「神戸ビーフ」として流通する全ての枝肉のDNA検体について採取・保管をはじめました。取扱指定店から定期的にサンプルを採取鑑定し、間違いのない牛肉を流通させ消費者の方に安心して購入してもらう仕組みです。加えて、輸出情報として輸出先国、取扱指定登録店、生産者名、個別識別番号をホームページに開示しています。

――輸出手続きの面などでは、課題はありましたか。

(谷元)
神戸ビーフを輸出できる国の登録認定施設が限定されていたことですね。当時兵庫県内には、マカオなど少数の国の認可施設しかありませんでした。そのため、鹿児島にある既存の輸出認定食肉センターを、神戸ビーフの取扱施設として特別に認定し、利用をさせていただきました。

――輸出先に合わせた管理方法ができる施設を県内で整えていくことが必要だったんですね。

(谷元)
そうです。神戸ビーフの認定は兵庫県内の施設で処理することになっていますので、認定施設の完成は、神戸ビーフに関わる全ての人の悲願でした。姫路の和牛マスター食肉センターが2017年4月の完成を迎え輸出に弾みがつくところでしたが、2019年に米国・EU向け輸出認定施設として認可を受けるまで2年以上の月日を要しました。認可にご尽力頂いた方々にあらためてお礼申しあげます。

――今後の展望を教えてください。

(谷元)
新型コロナウイルス感染症拡大によるインバウンドや、輸出での需要が心配なところもありますが、輸出拡大とあわせて生産頭数の増加を目指し、引き続き海外での偽物・模倣品対策にも力を入れながら、世界中の消費者に「本物」の神戸ビーフを届けたいです。

ジラウディ社が取り扱う世界各国のブランド牛として、日本から神戸ビーフが選ばれた

モナコ新聞記事

地元のモナコ新聞に掲載された記事

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