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近畿農政局

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企業の農業参入(解除条件付き貸借での農業参入)に係る質疑応答集

この質疑応答集は、企業の農業参入に関する問合せ窓口において、貸借(解除条件付き貸借)での農業参入を検討している企業等からの問合せに対して回答した内容を含め、参考となるものを掲載しています(2025年2月更新)。
」をクリックすると回答が表示されます。

【一般】
Q1:農業参入(営農開始)するまでの流れを教えてください。

A1:企業が農地を利用して農業に参入する大まかな流れは次のとおりです。
【営農を開始するまで】
1. 事業構想の作成:農業参入のリスクの把握、農業への参入プランの明確化
2. 参入地の選定:参入する地域の選定、参入する農地の選定
3. 参入地の決定:農業や農村地域の理解
4. 営農計画の作成:具体的な営農計画の検討・作成
5. 農地の利用権の取得:農地の権利移動、農地に関する法律や制度の理解

【営農を開始した後】
6. 農地の利用状況の報告:農業委員会へ定期の報告 近畿農政局HP((ホーム>経営>企業の農業参入について)に、「企業向け農業参入ガイド」を掲載していますので、ご覧ください。

Q2:企業の農業参入状況について教えてください。

A2:農業に参入する企業は年々増加しています。令和5年1月1日時点の一般法人数(リース方式)は4,121法人、農地所有適格法人数は21,213法人となっています。


Q3:近畿農政局管内における企業による農業参入事例を教えてください。

A3:近畿農政局HP(ホーム>経営>企業の農業参入について>近畿農政局管内における企業による農業参入事例)に、各府県における企業の農業参入事例を掲載していますので、ご覧ください。
【一般法人(解除条件付き貸借(リース方式))の参入要件】
Q4:農地を借り受けて農業に参入しようと考えています。どのような手続きが必要ですか。


A4:法人が、農地を借り受けるためには、原則として、その農地の所在する市町村の農業委員会の許可(農地法第3条)等が必要です。この許可を受けていない貸借は無効となります。

Q5:解除条件付き貸借とはどのような貸借契約でしょうか。

A5:権利を取得しようとする者がその取得後において、その農地又は採草放牧地を適正に利用しないと認められる場合に使用貸借又は賃貸借の解除をする旨の条件が書面による契約において付されているものをいいます。(参照:農地法関係事務処理要領様式例第10号の2(PDF : 396KB)

Q6:農地を借り受けて農業に参入する場合、どのような要件を満たす必要がありますか。

A6:基本的な要件は、農地のすべてを効率的に利用すること及び周辺の農地利用に支障を及ぼさないことです。
農地を借りる場合は、基本的な要件に加えて次の要件を満たす必要があります。
〔一般法人(リース方式)の要件〕
1. 貸借契約に解除条件が付されていること 解除条件の内容:農地を適切に利用しない場合に契約を解除すること
2. 地域における適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うこと 役割分担の内容:集落での話し合いへの参加、農道や水路の維持活動への参画など
3.業務を執行する役員又は重要な使用人(法人の行う耕作又は養畜の事業に関する権限及び責任を有する者)が1人以上農業に常時従事すること 農業の内容:農作業に限られず、マーケティング等経営や企画に関するものであっても可
< 参考 >
農地を所有する場合は、基本的な要件に加えて次の要件を満たす必要があります。 なお、農地所有適格法人は農地を借りることも可能です。
〔農地所有適格法人の要件〕
1.法人形態:株式会社(公開会社でないもの)、農事組合法人、持分会社
2.事業内容:主たる事業が農業(自ら生産した農産物の加工・販売等の関連事 業を含む) [売上高の過半]
3.議決権:農業関係者が総議決権の過半を占めること
4.役員:役員の過半が農業に常時従事する構成員であること
  役員又は重要な使用人が1人以上農作業に従事すること

Q7:一般法人でもリース方式であれば農地等の使用収益権を取得できるとのことですが、なぜ所有権は取得できないのですか。

A7:農地等についての権利取得は農地法第3条第2項が基本であり、同条第3項は、使用貸借による権利又は賃借権が設定される場合に限って例外的な取扱いができるようにしています。これは、使用貸借による権利又は賃借権については、不適正な利用があった場合において契約の解除等により所有者に農地等を戻すことが可能でありますが、これと異なり、所有権については所有者が絶対的な管理・処分権限を持つところであり、それぞれの権利の性質の違いに応じて取り扱うものとされています。
なお、同法第1条の目的においては、「耕作者自らによる農地の所有」等が規定され、今後とも農地の所有権の取得については農作業に常時従事する個人と農地所有適格法人に限るべきであることが明確にされています。
Q8:「周辺の地域における農地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる場合」とはどのような場合ですか。

A8:例えば、次のようなものが想定されます。
1.農業経営基盤強化促進法第19条第1項の規定により定められた農業経営基盤の強化の促進に関する計画(地域計画)の達成に支障が生ずるおそれがあると認められる場合
2.既に集落営農や経営体により農地が面的にまとまった形で利用されている地域で、小面積等の農地の権利設定によってその利用を分断するような場合
3.地域の農業者が一体となって水利調整を行っているような地域で、その水利調整に参加しない営農が行われることにより、他の農業者の農業水利が阻害されるような権利取得
4.無農薬や減農薬での付加価値の高い作物の栽培の取得が行われている地域で農薬使用による栽培が行われることにより、地域でこれまで行われていた無農薬栽培等が事実上困難になるような権利取得
5.集落が一体となって特定の品目を生産している地域で、その品目に係る共同防除等の営農活動に支障が生ずるおそれのある権利取得
6.地域の実勢の貸借に比べて極端に高額な貸借で賃貸借契約が締結され、周辺の地域における農地の一般的な貸借の著しい引き上げをもたらすおそれのある権利取得

Q9:「適切な役割分担の下に」とは、どのような内容を何で確認するのですか。

A9:例えば、農業の維持発展に関する話合い活動への参加、農道、水路、ため池等の共同利用施設の取決めの遵守、獣害被害対策への協力等をいいます。これらについて、例えば、農地等について使用貸借による権利又は賃借権を取得しようとする者は、確約書を提出すること、農業委員会と協定を結ぶこと等が考えられます。

Q10:「継続的かつ安定的に農業経営を行う」とは、どのように判断するのですか。

A10:機械や労働力の確保状況等からみて、農業経営を長期的に継続して行う見込みがあるか否かを判断します。

Q11:「業務を執行する役員又は重要な使用人が一人以上農業に常時従事すること」とは、どのように判断するのですか。

A11:業務を執行する役員又は当該使用人のうち、一人以上の者が、その法人の行う耕作又は養畜の事業(農作業、営農計画の作成、マーケティング等を含む。)の担当者として、農業経営に責任をもって対応できるものであることが担保されているか否かを判断します。

Q12:「法人の行う耕作又は養畜の事業に関する権限及び責任を有する者」とは、どのような者ですか。

A12:支店長、農場長、農業部門の部長その他いかなる名称であるかを問わず、その法人の行う耕作又は養畜の事業に関する権限及び責任を有し、地域との調整役として責任をもって対応できる者をいいます。 なお、権限及び責任を有するか否かの確認は、当該法人の代表者が発行する証明書、当該法人の組織に関する規則(使用人の権限及び責任の内容及び範囲が明らかなものに限る。)等で行います。

Q13:農業委員会は、どのような内容を確認するのですか。

A13:許可を受けた法人等が撤退した場合の混乱を防止するため、次の1から4までの事項が契約上明記されているか、 1から4までの事項その他の撤退した場合の混乱を防止するための取決めを実行する能力があるかについて確認します。
1. 農地等を明け渡す際の原状回復の義務は誰にあるか
2. 原状回復の費用は誰が負担するか
3.原状回復がなされないときの損害賠償の取決めがあるか
4.貸借期間の中途の契約終了時における違約金支払の取決めがあるか

【参入要件関係以外】
Q14:農地を借りて農業をするには、農地法に基づく手続き以外の方法はありますか。


A14:一般法人(リース方式)が農地を借りて農業をするには、農地法に基づく農業委員会の許可を受ける方法以外に、農地中間管理事業の推進に関する法律に基づき農地中間管理機構が作成する「農用地利用集積等促進計画」による方法があります。

Q15:参入予定地の登記簿地目は原野ですが、現況は農地となっています。この場合、農地法が適用されますか。

A15:農地法は農地を対象としており、農地であるか否かはその土地の現況によって判断します。このことから、土地の登記簿の地目が原野であっても、現況が農地であれば農地法が適用されます。

Q16:農地に施設を設置して水耕栽培を行う予定です。この場合も農地法の許可が必要ですか。

A16:農地法は現況が農地であるものを対象としており、農地を農地として利用するため所有権を移転等する場合は同法第3条、農地を農地以外として利用する場合は同法第4条、農地を農地以外として利用するため所有権を移転等する場合は同法第5条の許可を受ける必要があります。 農地に施設を設置して水耕栽培を行うとのことですが、その施設の構造等によって適用する条項が異なりますので、施設の構造等が具体的になった時点で、農地の所在する農業委員会へご相談ください。

Q17:参入する農地が複数の市町村にまたがる場合、どこへ農地法の申請を行えば良いですか。

A17:農地の所在するそれぞれの農業委員会へ申請を行うこととなります。 そのため、複数の市町村で参入する場合は、各々の農業委員会から許可を得てください。

Q18:農業委員会の許可を得て農地の権利を取得した後、どのような手続きが必要ですか。

A18:農業委員会の許可を得て、使用貸借又は賃貸借の設定を受けた場合、毎年、法人の事業終了年度の終了後3か月以内に農地等の利用状況について、農業委員会へ報告する必要があります。なお、複数の市町村の農業委員会から許可を受けた場合は、それぞれの農業委員会へ報告する必要があります。


【申請相談窓口】
Q19:農業に参入する要件などはどこに問い合わせれば良いですか。


A19:近畿農政局では、参入に関心がある企業等から農業に参入する要件などのお問い合わせに対応するため、問合わせ窓口を設置しています。お気軽にお問合わせ・ご相談ください。
近畿農政局 経営・事業支援部 農地政策推進課農地企画係075-414-9013
また、府県も相談窓口を設置しています。
滋賀県農政水産部農政課077-528-3815
京都府農林水産部経営支援・担い手育成課075-414-4918
大阪府環境農林水産部農政室推進課経営強化グループ06-6210-9592
兵庫県農林水産部農業経営課078-362-4035
奈良県食農部担い手・農地マネジメント課0742-27-7412
和歌山県農林水産部農業生産局経営支援課073-441-2890
既に参入する地域(農地)が決まっている場合は、農地の所在する農業委員会が権利取得の適否を判断しますので、農業委員会事務局へお問い合わせください。

Q20:農業委員会はどのような組織でどこにありますか。

A20:農業委員会は、農地法に基づく権利移動の許可、農地転用案件への意見具申など、農地法等の法令に基づく事務、農地等の利用の最適化の推進(担い手への農地の集積・集約化、遊休農地の発生防止・解消、新規参入の促進)に関する事務を執行する行政委員会として市町村に設置されています。

お問合せ先

経営・事業支援部農地政策推進課
代表:075-451-9161(内線2778)
ダイヤルイン:075-414-9013