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近畿農政局

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農業は、自由に楽しく自己責任で!

      就農市町村   :京都府亀岡市
      氏         名   :中川喬之さん(40歳)
      出   身   地   :兵庫県神戸市
      就農前の職業:公務員(任期雇用)
      経 営 開 始   :平成31年4月
      営 農 類 型   :露地野菜作
      経 営 内 容   :露地・ハウス栽培
                          (1.6ha(内ビニールハウス6棟12a))
      販 売 金 額   :1,300万円(R5)
      労   働   力   :8人(うちパート5人)



●就農した理由を教えてください
   地方公共団体に勤務(任期雇用)していましたが、自分としては事務仕事にやりがいが見いだせなかったことから、任期切れの機会に転職として就農を決意しました。また、大学は農学部を卒業しており修得した知識を活かせることや自分の責任と判断で経営できることに魅力を感じ就農しました。
   就農を決意した当時は、具体的な営農ビジョンはありませんでしたが、田舎暮らしをしながら外で体を動かす仕事に励むことで生きがいを見いだせるのではないかと考え、前職を退職した頃に結婚した配偶者に相談し、就農することに理解をしてもらいました。

●作目を選んだ理由を教えてください
   ナス、えびいも、キュウリ、トウガラシ、ピーマン、トマト、ミニトマト、白菜、ブロッコリー、春菊、その他葉菜類を1.6haの農地で作付けしています。この内、ビニールハウスは6棟、約12aで、夏作は、果菜類を、冬作は葉物類を中心に栽培しています。
   ナス、えびいもを主力に研修先で栽培していた品目を中心に栽培のやり易さや収益性を考え、品目を選んでいます。JA直売部会を通じスーパー等に出荷しているため、露地栽培とビニールハウス栽培を組み合わせ、品揃えを考慮し出荷期間を調整しながら少量多品目で周年栽培しています。
   化成肥料の施用を抑え、土づくりを兼ねて4年に一度、緑肥(セスバニア)を栽培し、野菜類を輪作することで連作障害の発生防止にも取り組んでいます。また、セスバニアは、直根性で水田の耕盤層を破壊し、根張りを良くする効果があります。

●就農相談はどこにしましたか
   公務員を退職後、居住地の京都府内で就農するため、一般社団法人京都府農業会議のジョブカフェに相談しました。

●研修はどこで受けましたか
   ジョブカフェで紹介してもらった久御山町や京都市のネギ生産者で3日程度の就農体験をしました。その後、京都府のマッチングイベントで亀岡市の農業者と出会い1年半の期間、研修を受けました。研修先の農家は有機農業者であったため、野菜類の有機農法を実践しながら学びました。
   その後、京都府が市町村や農業会議と連携し新規就農者の技術習得から就農までを一貫して支援する「担い手養成実践農場整備支援事業」を活用し、亀岡市に34aの実践農場を借り受け、「地域の担い手づくり後見人」の指導を受けながら2年間実践し野菜作りを研修しました。

●亀岡市で就農した理由を教えてください
   亀岡市は京都市からの交通の便もよく住みやすく感じられたことや研修生として受け入れていただける農家が見つかったため選びました。

●農地の確保は問題なくできましたか
   京都府の「担い手養成実践農場整備支援事業」で貸与された農地をそのまま引き継ぎ、借用しているため、スムーズに確保できました。その後、規模拡大しそれぞれの品目の生産量を確保するため、地域の集落営農組合長の方を通じ、集落内外の農地を斡旋してもらっています。

●就農時に整備した施設、設備、機械について教えてください
   実践農場では、ビニールハウス2棟をリース契約で借り受け、使用しました。そのうち1棟のビニールハウスは、台風の被害により倒壊しましたが、リースであったため、被害は最小限に抑えられました。
   就農後は、耕作機械の整備を行うにあたって耐久性やメンテナンス等を考えると、中古品より新品の方が有利とのアドバイスを受け、新品のトラクター・フレールモア・プレハブ式保冷庫を整備しました。

●設備投資(施設、機械含む)の資金はどうやって確保しましたか
   就農時には、自身の貯蓄や親族からの援助を受け、機械整備や営農資金に充てました。就農後は、JAから低利で融資を受けています。
   また、「新型コロナ感染症に係る経営継続補助金」の支援を受け、バックホーを購入し、令和6年度には、「亀岡市地域担い手応援事業」で補助を受け、新規にえびいもの土寄せなどに使用する小型トラクターと整形ロータリーを整備しています。

●設備投資のほかに就農にあたっての支援事業は何か活用されましたか
   研修開始時点から2年間、農業次世代人材投資資金(準備型)を、就農後5年間は、農業次世代人材投資資金(開始型)の支援を受け、ビニールハウスのリース代や農業資材費に充てています。
   経営の一部は、水田を活用しているため、経営所得安定対策等(産地交付金)による交付を受けています。

●労働力はどうやって確保しましたか
   就農当初は、自身と配偶者だけでしたが、規模拡大に伴い労働力が必要となりましたので、親族(兄)を専従として雇用しているほか、収穫物の選別・袋詰め作業のため、パート5名を雇用し交代で週3回程度、作業してもらっています。配偶者は専従ですが、機械作業は行っていません。
   パートの募集は、民間の求人サイトを活用して募集しました。交通の利便性が良い近隣市町から応募があり、スムーズに確保できました。

●地域との関わりで意識していることは何かありますか
   当初、農地と違う集落に居住していましたが、知人からの紹介で農地のある集落内の空き家を斡旋してもらい移住することができました。また、他所からの移住者ですが、共同作業に積極的に参加したり、朝から晩まで一生懸命営農していることで集落内でも認められるようになってきました。

●販売先はどこですか
   JAの直売部会に所属しており、JAを通じスーパーへ販売していますが、その一部は、JA直売所で販売しています。

●今後の目標
   令和6年度の販売目標は、2,000万円を目指しています。今後は、経営面積を3割程度広げながら、ナスやえびいもの作付比率を拡大し、栽培技術の向上で生産量の増加や栽培計画を見直すこと、また京都市内の市場へ個人名で出荷することで4,000万円程度を目指したい。
   認定新規就農者から認定農業者になり、経営改善計画を立てていますが、今後、栽培技術が向上することで野菜の生産量が増えたとしても、販売単価が同じでは人件費・資材費の高騰等もあることから利益の確保は難しくなるのではと思います。
   今後、個々の作業をこなすだけでなく、経営全体を見渡し、作業手順の組み立てや多角化、六次化、法人化ができるよう体制を整えていきたい。そのための労働力として新規就農を目指す方の研修の受け皿となれるよう経営改善に取り組みます。
   また、研修生が新規就農される際には、就農当初から経営が安定するようナス・えびいもを主力とした経営スキームを確立し、一緒にグループ化して共同出荷できればとも考えています。

●新規就農を目指す方へのメッセージ
   農業は、自らの考えのもと、実践ができる魅力的な職業です。その反面、品目ごとに栽培技術の研鑽や経験の積み重ねが必要です。失敗を重ね、反省しながら次に繋げていかなければいけません。それだけ経営を持続していくことは難しく挫折する人も多くいます。自分でやると決めたら、頑張った分だけ成果が出ることを信じて就農を目指してください。

お問合せ先

経営・事業支援部経営支援課

代表:075-451-9161(内線2793)
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