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近畿農政局

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雇用就農から共同経営へ


      就農市町村   :大阪府箕面市
      氏         名   :長谷川 貴治さん(49歳)
                           生田 梨恵さん(38歳)
                           中上 直久さん(38歳)

      出   身   地   :(長谷川さん)                 大阪府豊中市
                           (生田さん、中上さん)     大阪府箕面市

      就農前の職業:(長谷川さん、中上さん) (一社)箕面市農業公社(雇用就農)
                           (生田さん)                    箕面市役所(アルバイト)

      経 営 開 始   :(長谷川さん、生田さん)  平成31年
                           (中上さん)                    令和2年

      営 農 類 型   :施設野菜作(小松菜) 、露地栽培(小松菜、
                           にんじん、さやいんげん、かぼちゃ)
      経 営 内 容   :80a(うちハウス12a(6棟))
      労   働   力   :従業員の雇用はせず、個人事業主3名で
                           はっぱっぱ農園を共同経営しています。



●就農した理由を教えてください
(長谷川さん)  高校卒業後、民間企業(設備工事)に就職しましたが、こどもの頃から生き物や自然が好きで将来は農業をやりたいと考えていたため、26歳のときに退職し大学の農学部に入学しました。卒業後は箕面市農業公社(以下農業公社)で約6年間雇用就農したのち、平成31年に新規就農しました。
(生田さん)  箕面市役所でアルバイト勤務をしていた際、農業公社の作業の手伝いをすることになり、作業を通して約3年間農業を学びました。自分で育てた野菜が労働の成果として直接収入につながるという点に魅力を感じ、新規就農したいという意欲が沸いてきました。箕面市は学校給食で地産地消を推進しているため、協力農家から野菜(食材)を買い取る取組があり、販路が確約されていることもあり、平成31年に新規就農しました。
(中上さん) 将来、実家の観光農園を継ぐため農業公社で約7年間雇用就農し、令和2年に新規就農しました。

●共同経営に至った経緯について
   農業公社で一緒に働いた縁で、共同経営することになりました。
   共同経営とは、複数の経営者が協力して事業を運営する形態で、資金調達の負担の減少等のメリットがあります。
   平成31年に新規就農の準備が整った長谷川さん、生田さんが先に共同経営を始め、約1年後に中上さんが加わりました。
   役割分担や農地の分担を細かく決めず臨機応変に対応しながら、3名がそれぞれの名義で借りた合計約80aの農地で野菜を育てています。
   また、経費や利益は3等分して各々の収入としています。

●小松菜を選んだ理由を教えてください
   箕面市の学校給食への出荷を目標としたため、同市の学校給食の過去5年間の野菜の使用量・使用頻度・単価等を調べたところ、小松菜は他の協力農家や農業公社とかぶらないことが分かりました。また、小松菜は種まきから最短1か月前後で収穫でき、繰り返し栽培することで、自分たちの生産技術の早い成長が見込めることから小松菜を作付けすることに決めました。

●研修はどこで受けましたか
   3名とも農業公社で農業を学び、主にキャベツやたまねぎ、だいこん、はくさいの栽培を通じて農業を学びました。

●箕面市で就農した理由を教えてください
   農業公社が借り受けていた耕作地を引継ぐ予定だったため。

●農地の確保は問題なくできましたか
   新規就農する際に、農業公社の耕作地を引き継いだことから問題なく農地を確保できました。
   就農当時は、長谷川氏が約15a、生田氏が約7a、中上氏が約12aの農地を賃借していました。
   その後は、営農に取り組む姿が地元農家に認められ、農地の借り受けを打診されるようになり、可能な限り農地を借り受けて、少しずつ規模拡大しています。

●就農時に整備した施設、設備、機械について教えてください
(長谷川さん、生田さん) 就農1年目に最低限必要な機械等(草刈り機、手押しの耕運機、冷蔵設備、ハウス)は、中古を自己資金で調達しました。冷蔵設備とハウスは解体されたものを購入し、自ら組み立てて設置することによって経費を削減できました。

●設備投資(施設、機械含む)の資金はどうやって確保しましたか
   3名とも国の認定新規就農者、大阪版認定農業者に認定されています。
【国の新規就農者育成総合対策の活用】
      3名とも経営開始資金を活用しています。
【日本政策金融公庫】
      青年等就農資金:3名とも200万円ずつ融資を受けました。

●労働力はどうやって確保しましたか
   従業員等の雇用はしていません。

●販売先はどこですか
   箕面市学校給食をメインに、スーパー、コープ、箕面市立病院に卸しています。その他にも、他の農業者と共同で、市役所前にあるコンビニエンスストアの駐車場でテントを張り、月に1度直売を行っています。
   農家からの紹介等で販路を確保しており、自分たちで営業に行って販路を拡大したことはありません。箕面市において小松菜を生産する農家が少ない一方で、地産地消を重視するスーパーが多いことから小売業者からの需要はあります。

●今後の目標
(長谷川さん)  ハウスの経営面積をもう少し拡大して、小松菜のみを作付けして営農したい。
(生田さん)  農業に取り組む女性の自分がHPに掲載され、誰かの目に届き農業を志す女性が増えてくれたら嬉しい。
(中上さん)  令和8年から共同経営の作業量を減らして、実家の観光農園を手伝う時間を確保したい。将来は家業を継ぎたいと考えています。

●新規就農を目指す方へのメッセージ
   農業は肉体労働が多く、思った通りに野菜が育たないこともあり難しさを痛感することもありますが、創意工夫で収入を増やすことができる仕事です。
   自分次第で色々なことに挑戦できるため農業の可能性は無限だと感じています。
   楽しんで農業しよう!

お問合せ先

経営・事業支援部経営支援課

代表:075-451-9161(内線2793)
ダイヤルイン:075-414-9055