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近畿農政局

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美味しいと喜ぶ笑顔を励みに、より良い柿づくりに取り組みたい

      就農市町村   :奈良県五條市(阪合部新田町)
      氏         名   :西出篤史さん(31歳)
      出   身   地   :奈良県五條市
      就農前の職業:歯科クリニック(歯科技工士)
      経 営 開 始   :平成29年
      営 農 類 型   :露地果樹(柿)
      経 営 内 容   :柿(2.5ha)、イチジク(0.1ha)
                          (刀根早生1.2ha、富有:1.3ha)
      売   上   高   :1,800万円
      労   働   力   :5人(家族3人、季節雇用2人)



●就農した理由を教えてください
   歯科技工士として歯科クリニックに勤務していましたが、祖父の柿づくりを手伝った時のやりがいや、五條市の歴史ある柿を継承していきたいという思いが強くなり就農を決意しました。

●柿を選んだ理由を教えてください
   祖父の作った柿を毎年購入してくれるお客さんの笑顔が忘れられず、「それを超える柿を作りたい。」、「自分が作った柿でお客さんを笑顔にしたい。」という思いから柿を選択しました。
   就農時には収入面はあまり考えていませんでしたが、将来の経営を考え、祖父の園地を継ぐのではなく、作業効率が良い造成地の農地を購入して就農しました。

●就農相談はどこにしましたか
   地域の柿の生産振興に取り組んできた柿農家に相談したところ、就農に必要な園地や機械の購入、販売先などを紹介してくれました。園地は土地改良区に相談し、新規就農計画は県と市役所の指導を受けました。

●研修はどこで受けましたか
   就農前から柿づくりを手伝っていたため、研修は受けず近隣の柿農家から新しい栽培技術を学びながら営農を始めました。奈良県南部農林振興事務所からは、栽培に関する情報の提供や、ほ場巡回時の栽培指導、病害虫の対策などのアドバイスを受けています。

●五條市で就農した理由を教えてください
   祖父の柿畑が五條市にあり、子どもの頃から馴染みのある地域であったことと、全国有数の産地で柿を栽培したいと思ったためです。

●農地の確保は問題なくできましたか
   園地は、就農時に土地改良区の紹介で1.5haの柿畑を購入しました。農地を借りることもできましたが、借受期間が過ぎると返還する必要があるため、購入することとしました。
   今年は、現在所有している柿畑に隣接した農地の所有者の依頼で1haの柿畑を購入し、規模を拡大したところです。

●設備投資の資金はどうやって確保しましたか
   金融機関からの融資は受けずに自身の貯蓄と親族から資金を借りて営農を開始しました。

●初期投資にあたって留意したこと
   農業用機械(スピードスプレイヤー)は、農地所有者が使用していたものを園地と合わせて購入できたので初期費用を抑えることができました。

●労働力はどうやって確保しましたか
   労働力は家族3名(本人、妻、母)のほか、繁忙期(摘蕾、収穫)の労働力として知り合いの2名を季節雇用しています。うち1名は農業経験者で作業効率向上につながっています。面積の拡大にともない、増員を検討していく予定です。

●地域との関わりで意識していることは何かありますか
   JAの柿部会や4Hクラブに所属して情報収集と技術を習得しています。先輩から剪定方法や農薬散布のタイミングなどの助言をもとに試行を繰り返した結果、規格外品が減り秀品率が向上しました。
   病害虫対策等は、奈良県南部農林振興事務所や果樹研究センターにその都度相談し、病害虫の発生ピークなどの情報をもとに対策しています。

●販売先はどこですか
   ほぼ全量をJAに出荷しています。直接販売すると単価は上がりますが手間も増えるので、通年で考えると所得の差はありません。そのため、顧客10人ほどに富有柿を販売している程度ですが、毎年、当園の柿を楽しみにしてくれる人がおられます。

●今後の目標
   経営規模を4haまで拡大したいと思います。急斜面の畑ではなく、栽培条件の良い緩斜面の畑の購入に併せて、通年雇用と季節雇用の増員を予定しています。
   6次産業化による新たな商品開発を考えており、柿チップや柿ソースのほか、足の早いイチジクをドライフルーツにすることで安定した収益につなげていきたいと考えています。
   現在、農業の合間にギタリストとして音楽活動もしており、心身ともにリフレッシュできて仕事への活力になっています。今後も音楽活動を継続しながら品質の良い柿づくりに取り組みたいと思います。

●新規就農を目指す方へのメッセージ
   柿は手間をかければ品質に反映されるし、いいものを作れば美味しいと喜んでくれるお客さんがおられます。それを励みに取り組んでいると売上増加にもつながりました。
   農業はやりがいと達成感が得られる魅力ある仕事であり、どんなものを作りたいのか目標を明確にすれば、自然と収入につながっていきました。

お問合せ先

経営・事業支援部経営支援課

代表:075-451-9161(内線2793)
ダイヤルイン:075-414-9055